各地の話題 2006


■埼玉県鶴ヶ島市

聴力健診で認知症予防――今月から高齢者基本健診に加え実施
 高齢者の難聴は、放置しておくと認知症などの要因になりかねません。そこで、埼玉県鶴ヶ島市は今月から、従来の身体測定や血圧測定などに聴力検診を加えた高齢者基本健診を実施しています。受診者の多い基本健診の中で、市が積極的に難聴の早期発見により介護予防を図ろうという試みであり、注目を集めています。聴力検診導入を主張してきた市議会公明党(五伝木隆幸幹事長)のメンバーは2日、鶴ヶ島在宅医療診療所を訪れ、聴力検診の実施状況などを視察しました。


『要因となる難聴を早期発見』

 新しく実施する聴力検診は坂戸鶴ヶ島医師会で副会長を務める小川郁男・鶴ヶ島在宅医療診療所長が考案した簡易発信器を使い、難聴が始まるとされる高音などを診断します。

 簡易発信器を導入したことにより、耳鼻科の医師でなくても簡単に“聞こえ”の診断ができるため、基本健診の中で聴力検診を実施することができるようになりました。

 健診に携わる医師は、受診者に聞き取りにくいなどの症状があれば、耳鼻咽喉科受診勧奨券を渡し、耳鼻科での診察・治療を勧めています。

 難聴の理由はさまざまだが、65歳以上を対象とした任意の聴力検診を昨年実施した東京都北区では、受診者の約半数が難聴と診断されました。小川診療所長も「高齢者の約3割は難聴」と指摘しています。

 「難聴に気付かない」「年だからと言って、あきらめてしまう」などの理由で、医者にかからない人は多く、最近増えている高齢者の独り暮らしも、難聴を気付きにくくしているといわれています。難聴を放置すると、周囲の人とのコミュニケーションがうまくいかなくなり、孤立や閉じこもり、さらには認知症などの廃用症候群の要因にもなるといいます。

 小川診療所長は「“聞こえ”のほとんどが治療で治る。補聴器も有効。早期発見は認知症の予防にもなる」と、聴力検診の普及に努めています。

 同市の高齢者基本健診は65歳以上のすべての市民が対象。2005年度は3469人の対象者のうち2981人が受診しており、受診率は85%に上ります。このため、保健センターの担当者は「難聴の早期発見と適切な治療により、高齢者の生活の質の確保や社会参加、介護予防などが高まるのでは」と、聴力検診の実施による効果の広がりに期待しています。

 市議会公明党では、川合利枝議員が、介護予防などに威力を発揮するとされることから、05年3月の定例会で「高齢社会に向けて、介護・医療費の抑制にもなる。訪問健診もすべき」と訴えるなど、聴力検診の導入を推進してきました。

<2006年9月>

鶴ヶ島在宅医療診療所で小川診療所長の診察を視察する市議会公明党のメンバー



■福島県本宮町

「いや」「逃げる」「相談する」暴力から自分を守ろう――公明が推進
小学校でCAPプログラム実施
 福島県本宮町の町立五百川小学校(佐久間修校長=児童数377人)は9日、子どもが自分自身をいじめなどの暴力から守るための具体的な振る舞い方などを学ぶCAPプログラムを、3年生を対象に行いました。同プログラムの実施を積極的に推進してきた公明党の川名順子町議は、児童たちの講習の様子を視察しました。

 この日、講習を担当したのは「こどもCAPふくしま」(若月ちよ代表)のスタッフで、寸劇を通して「安心」「自信」「自由」という三つの権利が自分にも、いじめを行う相手にもあることを子どもたちに語りかけました。また、困った時や三つの権利が奪われた時の対応の仕方について、「いや(NO)」「逃げる(GO)」「相談(TELL)」という行動をとることが大事だと指導。特に「だれかに相談することは告げ口にはならない」と強調しました。

 同町では今年度から、町立の全小学校低学年を対象にCAPプログラムを導入しました。同プログラムには大人用と子ども用の2種のワークショップ(参加型講習)があります。町立五百川小学校は子どもたちに先立ち2日、3年生の保護者を対象とした大人用ワークショップを開催しました。

 CAPプログラムについては、川名議員が2005年9月の定例会の一般質問などを通し、積極的に導入を働き掛けてきました。

<2006年9月>

小学校に導入されたCAPプログラムの寸劇



■熊本市

父子家庭に十分な支援を――公明市議、課題調査で意見交換
「父親座談会」の成果も聞く
 公明党熊本市議団の藤岡照代議員は8月31日、市子育て支援課の田上美智子課長に会い、父子家庭の抱える課題や現状などについて聞きました。同市がこのほど、離婚などで急増する父子家庭への支援策を探る「父子家庭父親座談会」を開催したこともあり、同課長と意見を交わしました。

 同「座談会」は、市として初の取り組みで、藤岡議員の主張がきっかけで開かれました。

 同市は、母子及び寡婦福祉法の改正(2003年施行)を受け、母子家庭や父子家庭などを対象とした「ひとり親家庭等自立促進計画」を今年度末までに策定します。同支援課によると、市内の母子世帯は約7850世帯、父子世帯は約750世帯と推計されています。しかし、同法における国の支援制度が、これまで母子家庭中心であったことから、「父子家庭に関するデータがなく、生活実態や問題点を把握できないでいた」(田上課長)

 このため、同議員は昨年6月議会で対策の遅れを指摘。父子家庭の厳しい生活実態を紹介しながら同家庭への支援策を要請したところ、市が今回、「座談会」を開き、同家庭の実態を調べることになりました。

 同課長の説明では、座談会には9人が参加。父子家庭の置かれた現状、苦しい胸の内が率直に語られました。「育児のために転職を余儀なくされた」「育児のストレスで病気になったが入院できなかった」などの実態が浮き彫りになる一方、母子家庭同様の経済支援(児童扶養手当や医療費助成)、子育て支援施策の拡充を求める声が多く寄せられたという。

 田上課長は「座談会を通して父子家庭の実態が少し分かってきました。会場での意見をまとめ、(ひとり親家庭等自立促進計画の)策定委員会に報告し、(同計画に)反映させたい」と語っていました。


<2006年9月>

父子家庭の課題などで田上課長(左)と意見交換する藤岡議員



■鹿児島県加治木町

注目の児童虐待相談窓口、専門相談員を配置
年中無休、24時間体制で
 虐待の疑いがあれば、すぐ連絡を――。鹿児島県加治木町の男女共同参画係に昨年6月開設された児童虐待防止のための相談窓口が、注目を集めています。町村レベルでは珍しい専門の相談員を配置、24時間対応しています。開設を提唱してきた同町議会公明党の新福愛子議員はこのほど、同係を訪れ、利用状況などを聞きました。

 「児童虐待の防止等に関する法律」などの改正で、市町村は2005年4月から児童虐待の通告先となり、相談・通告の受理や虐待認定、支援策の決定が義務付けられました。同相談窓口の開設は、新福議員が法改正直前の同年3月議会で提案。その際、相談窓口の一元化や専門相談員の配置、関係機関のネットワーク化などを要望しました。

 町は直ちに、女性相談窓口(同議員の提案で05年4月開設)のある総務課男女共同参画係内に児童虐待の相談窓口を開設、窓口を同係に一本化しました。

 大迫紀美江・男女共同参画係長によると、虐待の相談窓口を持つ他町村の大半は、児童生活係など児童福祉を扱う部署に開設しています。同町が男女共同参画係にこだわったのは、「児童虐待は女性問題と深い関わりがある。ケアするには男女共同参画の視点が大事」との理由から。

 窓口には、同係長と新たに配置された児童虐待相談員を配属。それと児童生活係長の3人が年中無休、24時間体制で相談を受理。内容により、保健所や学校、民生・児童委員などでつくる「町要保護児童対策地域協議会」を招集し、各関係機関が役割分担して子どもと親へ適切な支援を行います。

 同係によると、相談件数は05年度10件、今年度8件(8月4日現在)で、養育拒否のネグレクトや身体的虐待が多い。同議員は「関係機関の連携強化で、児童虐待の早期発見、未然防止に努めたい」と語っています。

<2006年9月>

児童虐待の相談窓口業務を視察する新福議員(左)



■愛知県豊田市

中学生がデザイン、妊娠ストラップを配布
地域全体で子育て応援――公明、総合的な施策展開を推進
産後の支援で「おめでとう訪問」も
 「子育てのスタートを妊娠初期から応援しよう」と、愛知県豊田市は今年度から、小・中学生からデザインを募集して作製した妊娠ストラップや車用サインを配布。また、乳児を持つ子育て家庭を母子保健推進員が応援する「おめでとう訪問」を試行するなど、ユニークな子育て支援策を相次いでスタートさせています。市民や地域と協力し、子育て家庭を地域全体で応援しようという同市の取り組みが反響を呼んでいます。

 妊娠初期の女性は見た目は妊婦と分かりにくく、つわりなどで体調が悪くなったときでも周囲に理解されずに苦しむケースが多い。そこで、「妊婦さんが少しでも安心してマタニティライフが送れるように」(同市子ども家庭課)と作製したのが妊娠ストラップと車用サイン。

 ストラップは長さ19センチで、通勤や買い物などの外出時にカバンにつけて妊娠初期であることを周囲に伝えるもので、「妊娠ストラップをつけるようになってからは、バスの優先席に安心して座れるようになった」などの喜びの声が同課に寄せられています。

 車用サイン(縦15センチ、横13センチのだ円形)は、周囲のドライバーに知らせるために車の内側から吸盤で取り付けるもので、「マタニティのってます」と明記しています。

 いずれにも、妊婦をイメージしたキャラクター「まーむ(母夢)」が描かれています。これは市内の小学4〜6年生と中学生からデザインを募集。約1000点の応募作品の中から中学3年生の作品が選ばれました(愛称・まーむは市民からの応募作品から選定)。

 同市では、ストラップと車用サインを各6500個ずつ作り、5月下旬から市内在住・在勤の妊婦を対象に、「すこやか親子手帳」(従来の母子手帳を今年4月から名称変更)の交付時に配布しています。さらに、産婦人科医の協力を得て、妊娠が分かった時点で、病院でストラップなどを受け取れるようにもなっています。

 市民への啓発活動として、ポスターを銀行や公共交通機関、商業施設などに掲示したほか、すこやか親子手帳の裏面にも「まーむ」を掲載。また、市公園緑地協会では、同市西山公園内に「まーむ」のデザインを花で描いた「まーむ花壇」を整備するなど、さまざまな方法で全市内にPRしています。

 一方、「おめでとう訪問」は、今年4月からモデル地区を対象に試行している事業で、生後1〜3カ月の乳児を持つ家庭を対象に、母子保健推進員(地域の子育て支援ボランティア)が訪問。子育てに悩むお母さんの相談に乗ったり、相談先やお母さん同士の交流行事などを紹介している。訪問先からも好評で、今後は対象地区を広げていく予定です。

 これらの事業については市議会公明党も全面的に推進。特に、佐藤恵子議員は昨年の9月定例会で、「妊娠にとって苦しい期間は妊娠初期」として、妊婦保護の施策実施を提案。また、2004年9月定例会では、家庭に出向いて産後の育児支援を行う必要性を訴えるなど、機会あるごとに子育て支援を推進してきました。

<2006年9月>

妊婦キャラクター「まーむ」のポスターを持つ佐藤(左から2人目)、小島政直議員(同3人目)
「まーむ」が描かれている妊娠ストラップ(左)と車用サイン

    


■愛知県犬山市

女性の声を市政に――男女参画模擬議会を開催
 男女参画の視点で市政を見直そうと、愛知県犬山市は先ごろ、男女共同参画模擬議会「あもしし議会」(あもししは、「はは・ちち」をいう昔の言葉)を開催しました。これには女性団体の代表ら20人の模擬議員が出席。一般質問などを通し、福祉や環境、教育などについて市の考えを聞きました。

 模擬議員は、本番までに市政や議会の基礎知識などを学習し、四つの委員会に分かれ質問内容を検討。笹瀬幸子さん、高木幸代さん、津坂千里さんら8人が一般質問に立ち、スポーツ振興や生涯学べる環境づくり、障害児支援など、本音の意見を相次いで述べました。

 同議会の開催は、公明党の三浦知里市議が同市男女共同参画市民会議顧問として推進。出席者と懇談した三浦議員は「生活に根差した女性の意見を市政に反映させ、男女参画のまちづくりを進めたい」と語っていました。

<2006年9月>

本音の意見が相次いで寄せられた男女共同参画模擬議会「あもしし議会」



■高知市

子どもの「生きる力」育もう、読書活動推進計画スタート
 読書で子どもたちの「生きる力」を育もうと今年度、「高知市子ども読書活動推進計画」をスタートさせた高知市はこのほど、計画内容を紹介した冊子を作製しました。同計画の策定を一貫して推進してきた市議会公明党の小崎千鶴子市議らが8月23日、担当者から説明を受けるとともに、意見交換を行いました。これには、岡村康良、吉田哲男、山根堂宏の各市議が同席しました。

 高知市民図書館の川田隆生館長によると、同計画では、子どもの読書活動を「人生をより深く生きる力を身に付けていく上で極めて重要」と位置付けています。2010年度までの5年間で、家庭、学校、地域、図書館などが連携し、本との出会いの場づくりや図書資料の充実などを推進していきます。策定については05年度、学識経験者ら7人による同計画策定委員会を設置して取りまとめました。

 同計画については、市議会公明党が強力に策定を推進してきました。特に小崎議員は02年9月の定例本会議で、国の「子どもの読書活動の推進に関する法律」に基づく市の計画づくりを促すなど、3回にわたり質問してきました。

 計画の実施について同市では、前半の3年間は環境整備を中心に、後半の2年間は整備された本や施設の活用と広報活動を中心に取り組んでいく考えです。

 意見交換の席上、小崎議員らは、「市の広報紙で読書計画をPRしては」と提案したのに対し、川田館長は「啓発活動を積極的に展開する」と応じていました。

<2006年8月>

読書活動推進計画について担当者から話を聞く(左から)山根、吉田、小崎、岡村の各市議



■兵庫県丹波市

妊娠前期健診費を助成
7月から 県制度(後期分)と合わせ2回分
 兵庫県丹波市は、7月から、妊婦の前期健康診査にかかる費用1回分を負担する市独自の制度をスタートさせました。同月からは兵庫県が後期の健診費助成制度を開始しており、これと合わせると、2回分の健診費の負担が軽減されます。

 健診費助成の対象は、7月1日以降に妊娠22週未満の前期健診を受ける市民。健診を受ける医療機関(産科)は、全国どこでもよく、すでに母子手帳の交付を受けている人にも助成を行います。

 助成額の上限は1万円で、所得制限は設けていません。同市によれば、前期健診にかかる費用は8000円から1万円程度で、助成額でほぼ全額カバーできるといます。

 一方、同市は、後期健診についても、所得制限(夫婦2人で570万円)を設けた県の対象にならなかった妊婦に対して、1万5000円を上限に助成します。

 前期健診費の助成については、市議会公明党の田坂幸恵議員が今年3月定例会で、「子どもを安心して産み育てるために、せめて出産に要する費用を軽減できないか」と導入を要求。これに対して、市側も前向きに検討する考えを表明していました。

<2006年8月>



■愛知県大口町

伸ばそう 学びの意欲
好評の「生き生き土曜学級」
 子どもたちの学びの意欲を伸ばそう――。愛知県大口町では土曜日の小学校を開放し「学習指導者」による塾や学校とは一味違った授業で算数や英語、アート(芸術)を楽しく学べる「生き生き土曜学級」を6月から開いています。町議会で、週末の学校を活用し小学生に学びの場を提供することを提案してきた公明党の柘植満議員はこのほど、同学級を訪れ楽しく勉強する子どもたちを励ましました。

『少人数でキメ細かな指導』
『小学3〜6年対象 遊び感覚で勉強を楽しむ』


 同学級は小学校3〜6年生を対象(算数・英語=3、4年生、アート=5、6年生)に、遊び感覚を取り入れたキメ細かな学習支援により、子どもの学びに対する“好奇心の芽”をはぐくむのが目的。教室では教員免許を持つ「学習指導者」と、将来、教師を志す3〜4人の大学生が、1チームになって授業を進めます。

 授業は夏休みも行われ、算数・英語は第2と第4土曜日、アートは第1土曜日に開催。各教室とも小学生の定員は20人で、数人の児童を大学生1人がサポートする少人数指導。理解できなかったり納得できない所があると、一対一で分かるまで教えてもらえます。

 英語の教室では「ファミリー(家族)」をテーマに、小学生が英会話に挑戦。学習指導者の森紀代さんの進行で、英語の歌を歌ったり、英語でゲームをしながら楽しい雰囲気に。「型どおりの会話ではなく、自分の気持ちを相手に伝える英語を習得してほしい」と語る森さんの情熱にこたえ、子どもたちも身振りや手振りを交えてのコミュニケーションに努めていました。

 一方、算数の教室では割り算を学習。学習指導者の奥村砂智子さんが、ゲーム感覚で楽しく問題に挑戦できるように工夫されたプリントを使い、数の概念や計算への興味を引き出していく。算数が苦手な子どもも大学生のアドバイスを受け、問題に悪戦苦闘しながら一歩一歩前進。奥村さんは「塾のように学力向上だけを目的にせず、学校では行わない遊びを織り交ぜた教え方で、子どもの理解を助けたい」と語ります。

 またアートの教室では貝殻や草花など、図工の授業では扱われない題材を使って作品を表現。今後は彫刻や壁画、染色に取り組むなど、創作活動の楽しさを通して創造力を養っていきます。

 同教室に通う子どもたちが“やる気”を持続させる上で、大きな支えになっているのが大学生の存在。大学生は全員が教師志望で、彼らにとってみれば同教室がインターンシップ(体験就業)の場に。愛知教育大学3年生の柴田智佳さんは「子どもの雰囲気が分かり、良い勉強になる」と話します。

 運営は特定非営利活動法人(NPO法人)「ウィル大口スポーツクラブ」が主体となり、町教育委員会が後援。町生涯学習課に事務局が置かれ、推進委員会には有識者らも加わり、年間のカリキュラムや教材、指導方法などの研究を行っています。

 事務局の中心的役割を担い、同教室の立ち上げに奮闘した元小・中学校長の山田博司氏は「学ぶ楽しさを知ってもらうと同時に、子どもたちに礼儀や節度を身に付けてもらいたい」と、生き生き土曜学級の成功に期待を寄せます。

 柘植議員は各教室を視察し、「子どもたちみんなが学ぶことを好きになり、勉強に自信を持てるようになってほしい」と感想を述べていました。

<2006年8月>

山田氏(左)とともに「生き生き土曜学級」に通う子どもたちを励ます柘植議員(中央)



■東京都板橋区

育てに選んで使えるすくすくカード
全国初の試み、反響呼ぶ利用券制度
 東京都板橋区は6月から、今年4月1日以降に生まれた赤ちゃんのいる家庭を対象に、区が提供する幅広いサービスを無料で利用できる5枚つづりの子育て応援券「すくすくカード」を配布しています。厚生労働省によると、幅広いメニューの中から選択して使える利用券制度は全国でも初の試みで、同区議会公明党(佐藤康夫幹事長)が推進役を果たしました。

『幅広いサービスを提供/ヘルパー派遣、産後フィットネス講座など』
『公明が後押し/赤ちゃんの誕生祝う新事業』

 
 すくすくカードが利用できるサービスは、ヘルパー派遣や一時保育のような直接的な子育て支援だけでなく、産後フィットネス講座や区立美術館の展覧会観賞など親がリフレッシュするメニューも含め計16種類。これらのメニューの中から、対象者自身が利用したいサービスを選択し、利用する際にカードを提出する仕組みになっています。
 
 配布の条件は、(1)子どもが生まれた時点で区内に住民登録、外国人登録がある(2)生まれた子を養育している――の2点。有効期限は誕生後1年間で、他の人に譲渡することはできません。
 
 制度は6月からの実施ですが、4月にさかのぼって適用されるため、4月1日から5月31日に子どもが誕生した世帯や児童課窓口で申請できない対象者などには、郵送で交付しています。区の児童課は「このすくすくカード事業で、同じ悩みをもった親同士が育児に関して、相談し合える場をつくれれば」と期待しています。
 
 同区は、1993年度から「新生児誕生祝い事業」として、赤ちゃんの生まれた家庭に区内の商店街で利用できる共通商品券7000円分を配布してきました。ただし、「育児のために使われているか分からない」などの理由から、2003年度に廃止に踏み切った経緯があります。
 
 区議会公明党は昨年3月の予算審査特別委員会で、「“祝い金”という一つの点にとらわれるのではなく、子育てに対して区が、どう取り組んでいくのかが重要」であると指摘した上で、「新生児誕生祝い事業に代わる多様なニーズに対応した、より充実した子育て支援策を」と主張。育児の負担軽減に直接つながるような新事業の実施を強く後押ししてきました。
 
 区議会公明党の平山セツ子議員と党蓮根支部の海部智子副支部長はこのほど、サービスの一つであるベビーマッサージ講座を視察しました。同講座では講師の指導の下、ゴマからとれる専用のセサミオイルを使用して、親が赤ちゃんをマッサージするという内容。皮膚温の上昇や血圧の安定など、赤ちゃんだけでなく、親の身体にも同様のリラックス効果があるという研究報告が出されています。
 
 また、親子が触れ合うことで精神的な結び付きも強くなるという。参加者は「親子一体で利用できるサービスが受けられて良かった。わが家でも試したい」といった声を寄せていました。
 
 視察後、平山区議は「子育ては“孤育て”と呼ばれるように、一人で育児をしている親があまりにも多い。親同士がつながり、地域が一体となって育児支援をしていくためにも、すくすくカードの利用を推進していきたい」と語っていました。

<2006年7月>

ベビーマッサージを視察する平山議員(中央左)と海部副支部長(左端)

幅広いサービスの中から選択して利用できる「すくすくカード」



■京都府

妊婦歯科検診に財政支援、公明議員の質問に答弁。
歯周病の予防めざす
 京都府は、母子の健康に影響を与えるとされる歯周病を予防するため、妊婦の歯科検診に対し財政支援を行うとともに、今秋には歯科医を正職員として採用します。7月7日に開かれた府議会本会議で、公明党の澤照美議員の質問に対して、府側が明らかにしました。

 歯周病に感染すると、血液中で増える「サイトカイン」という物質が早産を誘発するとされており、最近の研究成果によれば、歯周病にかかった妊婦の早産率は、そうでない妊婦の約5倍にもなるという報告も出されています。一方、妊婦の歯科検診は市町村の単費事業となっており、京都府で同検診を実施しているのは、3市2町にとどまっています。

 澤議員は「妊娠中は、つわりなどの影響で食生活が乱れ、口腔ケアが行き届きにくくなり、歯周病にかかりやすくなる」と指摘した上で、「妊婦歯科検診が府内のすべての市町村で実施できるよう、積極的な財政支援を講じるべきだ」と迫りました。

 また、同検診事業を強力に推進していくために、「歯科医を正職員として採用し、歯科保健を所管する部署に配置すべき」と求めました。これに対し、和田健・保健福祉部長は「市町村が関係補助金を活用し、取り組むよう支援する」として、妊婦歯科検診への財政支援を行う考えを表明。歯科医の正職員採用についても、今秋から始めることを明らかにしました。

<2006年7月>

澤照美議員



■秋田県大仙市

大曲花火大会。女性の視点で盛り上げよう――公明市議が呼び掛けフォーラムを開催
『住民、行政、商工関係者が参加』
『アンケートもとに意見交換 地域の活性化めざす』
 打ち上げる花火の多さと高度の技術を競い合うことで知られる「大曲花火大会」の開催地・秋田県大仙市で1日、「女性の感性で考える花火フォーラム」が開かれ、住民や行政、商工関係者が活発に意見を交わしました。

 この企画は、「女性の立場から、花火をキーワードに町おこしをしよう」と公明党の杉沢千恵子市議を発起人に結成された女性グループ「花火ときめきチーム」(久米川ミヤ代表)が主催したもの。県の「元気なふるさと秋田づくり活動支援事業」の助成を受けて行われました。

 フォーラムでは、初めに地元の女性花火師・久米川湖穂さんが「感動を伝える花火づくり」のテーマで基調講演しました。

 続いて、同チームが市内在住の女性1262人に対して実施した「花火アンケート」の結果を発表。この中で、地元で開催されながら花火を見に行けない人に理由を聞いたところ、29%の人が「(渋滞等で)行くまでが大変」、16%が「トイレがこむ」と回答している点を紹介しました。

 次いで、これらの調査結果をもとに意見交換が行われ、参加者からは「町内会館や児童館をトイレや休憩所、授乳スペースに開放できないか」「市民ボランティアで観光案内や花火以外の観光名所を紹介しては」などの提案が相次いだ。また、同チームの一人、佐藤美智子さんは、「女性の目線で、会場周辺マップを作ろうと考えている」と話しました。

 フォーラム終了後、夜7時からは、花火通り商店街とのタイアップで花火の種類を詳しく説明しながら打ち上げる「レクチャー花火」が実施され、市民を楽しませました。

 同チーム事務局長の杉沢議員は「コンサートなどを行う花火大会の前夜祭開催や市民参加の清掃ボランティアなども考えている」とし、「大曲の花火が100年を迎える2010年を目指して、女性の視点から地域の一大イベントを大いに盛り上げていきたい」と抱負を語っていました。

<2006年7月>

女性による花火フォーラムを企画した杉沢議員(右)

    


■高知市

絵本で楽しい子育てを――「よちよちランド」がスタート
今年度、市内18カ所を巡回
読み聞かせや育児アドバイス
 絵本を使って子育てをもっと楽しく――。高知市は、1歳前後の赤ちゃんと保護者を対象にした親子絵本ふれあい事業「よちよちランド」をこのほどスタートさせました。今年度は、絵本の読み聞かせや子育て支援情報の提供を行うプログラムで市内18カ所を巡回する計画です。参加者からは「同じ月齢の赤ちゃんを持つお母さんたちと交流ができてありがたい」と喜びの声が上がっています。
 
 絵本の中の果物を手でつかむようにして、「はい、どうぞ」。読み聞かせを実演する講師を不思議そうに見つめる赤ちゃんや、立ち上がって絵本に歩み寄る赤ちゃんも。会場は終始、にぎやかな歓声に包まれていました。
 
 高知市の「よちよちランド」は、絵本を通して親子の絆を深め、育児力の向上を図ることが目的。毎月、満10カ月児のいる家庭に、参加券やスケジュール表などを郵送し、都合に合った日程で参加できるように配慮。今年度は、市内18カ所を巡回し、合計65回を実施する計画です。
 
 会場では、参加者に読み聞かせのテキストとして絵本を配布。午前10時〜11時30分の1時間半の中で、(1)ふれあい遊び(2)子育てのワンポイントアドバイス(3)絵本の読み聞かせ(4)子育てお役立ち情報の紹介(5)参加者同士の交流タイム――の順番で進行します。
 
 講師は、保育士や幼稚園教諭の資格を持つベテランで、市のスタッフ2人が会場運営を担当する。さらに地域の子育てボランティアも加わって協力する体制が出来上がっています。
 
 高知県では全市町村を対象に、乳児健診時に絵本の贈呈や読み聞かせ指導を行うブックスタート事業を2002年度から実施。好評を博していたが、県の予算措置は04年度で打ち切りとなり、高知市も同事業を廃止する方針となっていました。
 
 このため市議会公明党の高木妙議員は、04年12月の定例本会議で、「ブックスタートの本義に立ち返った事業の構築を」と強く主張。さらに05年6月議会でも、次世代育成支援法の趣旨を踏まえ、「高知市版ブックスタート事業の再検討」を提言、市側から「新たな子育て支援策を検討する」との答弁を得ていました。
 
 こうした提言を踏まえて、同市は、絵本を通しての親子関係づくりに加え、地域との連携強化を重視した事業の検討を進め、今回の「よちよちランド」が実現しました。
 
 参加者からは、「絵本の読ませ方を教えてもらえてよかった」(田村志穂さん)、「ふれあい遊びで子どもが大喜び」(東前美樹さん)などの声が聞かれるなど好評。市子育て支援課が行った参加者アンケートでは、「もっと親子で楽しめるものが地域にあったら」という意見も。またボランティアの田中晴美さんは「赤ちゃんを見るのは久しぶりで楽しかった」と感想を語っていました。
 
 会場を視察した高木議員は、「参加者同士の交流も活発だった。さらに充実できるようバックアップしていく」と話していました。

<2006年7月>

選んだ絵本を使って参加者は読み聞かせに挑戦していた。



■大分県杵築市

執念燃やし、ブックスタート事業を実現
 絵本を通じ心豊かに成長して――。今年4月、大分県杵築市全域で始まった乳幼児健診時に絵本を贈呈するブックスタート事業が、市民に喜ばれている。同市議会公明党の西紀子議員の執念の闘いが実ったもので、子育て中の母親から感謝の声が上がっています。

 西議員が、同事業の実現に向け動き始めたのは2001年6月から。自ら市立北杵築幼稚園で読み聞かせボランティアに挑戦していることもあり、絵本が子どもの人格形成にとっていかに大切かを議会質問などで再三にわたって主張。早期実施を求めていたが、市は厳しい財政状況などを理由に、難色を示し、なかなか進展しませんでした。

 そうした閉塞状況を破る転機となったのが、05年10月の市町村合併(旧杵築市と旧山香町、旧大田村が合併)。旧山香町では05年度からブックスタート事業を始めており、旧町民からも好評を博していました。ところが、合併にともない、旧山香町の同事業が見直しの対象に。その際「旧杵築市はブックスタート事業に対して、前向きではなかった」(市幹部)。

 「この灯を消してはいけない」。西議員は早速、05年12月議会で、同事業の新市での継続を強く要望。同議員の熱意は新市執行部を動かし、今年4月から、市健康福祉センター(旧杵築市が対象)と市健康管理センター(旧山香町、旧大田村が対象)の2カ所で行われる「10・11か月児健診」に併せて、同事業が実施されることになりました。

 関係者の喜びは大きく、6月22日、市健康福祉センターを訪れた西議員に、市立図書館司書の岸川美千代さんは「最近、図書館に赤ちゃんを連れたお母さんの来館が増えました」と語り掛け、ニッコリ。絵本を贈られた河野拓馬君の母親・麻紀さんも、「絵本と触れ合う機会が増えて良かった」と目を細めました。西議員は「大事なことは何度でも要望する。それが議員の務めです」と語り、ブックスタート事業のさらなる充実を決意していました。

<2006年6月>

母子とブックスタート事業の開始を喜ぶ西議員(左端)



■佐賀県唐津市

おめでた手当が好評――妊娠5カ月以上に健診料の半額を助成
 今年4月にスタートした佐賀県唐津市の「次世代育成手当(おめでた手当)」が市民に喜ばれています。

 少子化対策の一環で、妊娠5カ月以上の妊婦の健康診査料を半額助成する制度。4〜5月の2カ月で受け付けを済ませた人は約500人。

 同市の次世代育成支援事業には、出産後の施策として、就学前までの医療費助成、放課後児童健全育成などの事業がある。「おめでた手当」は妊娠から出産までの支援施策として導入されました。

 同手当は、安定期に入った妊娠5カ月から出産まで6回分の健診料が対象。赤ちゃん(胎児)1人に付き、約3万6000円(1回約6000円)の半額分に当たる1万8000円を助成します。

 同市議会公明党の宮崎千鶴議員は、1996年6月議会本会議で少子化対策として「地方版エンゼルプラン(総合的な子育て支援計画)」の策定を提案したのをはじめ、障害児・病後児保育、乳幼児医療費助成拡充、不妊治療助成等の早期実現を主張。さらに2005年度の予算要望書の中でも、党市議団(白水敬一団長)として「子どもを安心して産み育てられるまちづくり」を市当局に要請していました。

<2006年7月>