今年は国民読書年
今年は国民読書年――。国を挙げて読書の機運を高めようと2008年に国会で決議されたものだ。しかし、鳩山政権はその目的に背き、10年度予算案で子ども読書活動の関連予算を大幅に削減している。そこで、国の補助を受けて行われている読書活動の実情を紹介するとともに、公明党子ども読書運動プロジェクトチーム(PT)座長の池坊保子衆院議員に話を聞いた。
『作家の講演に小学生が歓声――東京・日野市』
『国の補助受け高校・大学生が企画。中高生への推薦書紹介なども』
「1時間に2、3本しか電車が通らないのに、若松さんが見ると、踏切はいつも下りています。なぜでしょうか?……それは若松さんが電車の運転士だからです」。青少年向けのミステリー小説を手掛ける作家の松原秀行氏が、言葉の謎解きの一例を紹介すると、集まった約100人の小学生たちから元気な歓声が上がった。
これは、東京・日野市内で昨年12月13日に行われた講演会の一幕だ。松原氏の作家としての体験などを聞いた子どもたちは終了後、「私も作家になりたい」(小学6年の男子)、「もっと本を読みたい」(同4年の女子)と笑顔で語った。
この講演会は、文部科学省の「子ども読書応援プロジェクト」事業の補助を受けた同市教育委員会による取り組みの一環で、公募で集まったヤングスタッフ(大学生9人、高校生4人)が講師の選定など一連の企画・運営を行った。同講演会のほかにも、中高生が読書に親しむきっかけをつくろうと、ヤングスタッフは同世代に推薦する図書(計270冊)の市内中学・高校計9校への貸し出し、推薦図書リストの配布なども行っている。
同市教育委員会の小川八郎図書館長は「財政事情が厳しく、読書活動の新たな展開が難しい中で、国の補助があったから新しい試みに挑戦できた。これを実績として、市独自で継続していけるようにしたい」と意欲を語っている。
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「子ども読書応援プロジェクト」事業では、日野市のほか、新潟県や島根県邑南町など全国各地を舞台に、読書ボランティアリーダーの育成、行政や学校、PTA、民間団体等によるネットワーク構築など、子どもの読書環境整備を行っている。これらはいずれも、公明党の強力なリードで2001年に成立した「子どもの読書活動推進法」を受けた取り組みだ。
『取り組みの効果は明確。小学生が図書館で借りた本、過去最高の年間36冊』
このように、取り組みの効果が表れているにもかわらず、鳩山政権は10年度予算案で、「子ども読書応援プロジェクト」事業(09年度予算額1億5506万円)を廃止。その代わりに、子ども読書の普及啓発予算として4900万円を計上したものの、結果的に子どもの読書活動の関連予算が大幅削減されてしまった。
また、読み聞かせなどの読書活動を行うボランティア団体に75万円程度の助成金を支給している官民出資の「子どもゆめ基金」も、政府出資金100億円が全額国庫返納となり、大幅な縮小を余儀なくされる。同基金が担っていた助成制度は、存続を求める公明党の主張を受け、10年度については基金を運営する国立青少年教育振興機構への交付金(約23億円)によって継続されることになったが、「先行きは不透明」(5日付 読売新聞)という指摘もある。
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「子ども読書応援プロジェクト」事業では、日野市のほか、新潟県や島根県邑南町など全国各地を舞台に、読書ボランティアリーダーの育成、行政や学校、PTA、民間団体等によるネットワーク構築など、子どもの読書環境整備を行っている。これらはいずれも、公明党の強力なリードで2001年に成立した「子どもの読書活動推進法」を受けた取り組みだ。
『鳩山政権による大幅予算削減に懸念。短絡的な判断は過ち招く――党子ども読書運動PT座長 池坊保子衆院議員に聞く』
鳩山政権が2010年度予算案で子どもの読書活動の関連予算を大幅削減したことを大変に懸念しています。
今年は、衆参両院の全会一致の決議で制定された「国民読書年」です。決議では、読書活動の機運を高めるため「政官民協力のもと国をあげてあらゆる努力を重ねる」と明記しています。民主党はじめ与党は、この決議に賛成したにもかかわらず、自らそれに逆行し、水を差そうとしています。公明党は今後、こうした矛盾を追及し、関連予算の増額を訴えていきます。
今回の予算削減の背景には、事業仕分けで“効果が明確でない”などとして、事業の「廃止」が打ち出されたことがあります。
事業仕分けというムダ削減の取り組み自体は必要ですが、問題は「どんな見識を持って事業の必要性を判断するか」です。読書活動に代表される教育分野は短期的な効果が見えにくいかもしれませんが、国の将来を左右する重要な分野です。表面的な部分だけを見た短絡的な判断は過ちを招くと思います。
読書は、「人の痛みを想像し思いやる力」といった豊かな人間性を養う源泉です。公明党は、「子どもの幸福」を最優先する教育の党として、子どもの読書活動を守り育てていくため、全力で取り組みます。
<公明新聞2010年1月8日付>