交通渋滞の原因として、日常生活に大きな影響を及ぼしている「開かずの踏切」の解消に向けた取り組みが、一歩前進します。
このほど国土交通省は、幹線道路と交差する鉄道を高架化する連続立体交差事業に関して、鉄道会社と地方自治体との整備費の負担割合を15年ぶりに見直すことを決定。
負担割合は同事業で得られる鉄道会社の受益に加えて、新たに沿線の商業地の割合や高架下の利用方法なども勘案した負担率に改められます。
同事業は地方自治体が都市計画事業として実施。高架化により生まれる空間が商業利用できることから鉄道会社にも負担を求めており、鉄道会社に対する現在の負担割合は東京23区で14%、人口30万人未満の地方都市で5%。残りは都道府県・市が負担し、うち半額は国が補助しています。
今回の見直しは1992年の負担率改正から15年が経過したことを踏まえ、地価水準の変化や経済情勢の実態を反映したものです。鉄道沿線の利用実態に合わせた負担率に見直すことで、鉄道会社や自治体の費用負担に対する理解を得やすくするとともに、緊急課題である「開かずの踏切」対策を円滑に進めることが目的です。
新ルールによると、地価水準の実態に合わせて、鉄道会社の基本的な負担率を東京23区で1%増の15%とする一方、人口30万人未満の地域では1%引き下げて4%とし、地域経済の実情に合わせた内容にします。
国交省は、全国約3万6000カ所を対象に行った踏切交通実態総点検結果を、今年(2007年)4月に公表。同点検結果で、「緊急に対策の検討が必要」とされた踏切が1960カ所に上ることが明らかにされています。
「開かずの踏切」や、自動車、歩行者の交通量が多く渋滞が発生しているボトルネック踏切によって、踏切待ちがもたらす直接的な経済損失は、年間1.5兆円に上るとの試算もあり、踏切で停止する車から排出される二酸化炭素(CO2)が環境汚染の要因にもなっています。
公明党は、これまで「開かずの踏切」が原因となった事故をなくすための取り組みを、積極的に進めてきました。
2005年3月に、歩行者4人が死傷した東京・足立区の東武伊勢崎線竹ノ塚駅近くでの踏切事故についても、現場の調査を行い、立体交差化などの抜本的対策を早急に進めるよう政府に求めてきました。
また、公明党の「マニフェスト2007」では、「開かずの踏切ゼロ作戦」を掲げ、全国に600カ所ある「開かずの踏切」(ピーク時1時間の閉鎖が40分以上)を、連続立体交差(高架化)や拡幅、横断歩道橋、交通う回などで、今後5年以内に70%、10年以内に100%解消することをめざしています。さらに、踏切歩道の拡幅など直ちにできる対策も3年間で実現するよう主張しています。
<公明新聞2007年8月30日付>