公明・自民が実現――「時効撤廃」の特例法
戻ってくる“支給漏れ年金”。時効消滅分、全額一括で。最高は624万円、最長は23年9カ月分

今月15日。過去に記録訂正の544人、第三者委で認定の15人
今後も順次審査し決定
 

 年金記録が訂正されても年金請求権の時効が5年間だったために支給漏れ分の年金が受け取れなかった人に対し、過去にさかのぼって全額補償する「年金時効撤廃特例法」(自民・公明による議員立法)が7月6日に施行され、1カ月が経過しました。

 施行日から全国の社会保険事務所で始まった支給申請の受付件数は、この1カ月間で計8621件(5日現在)で、このうち、審査で認められた計544件には、既に7月下旬に追加支給の決定通知が送付されています。対象者には、同特例法の適用によって今月15日、時効消滅分が全額一括で支給されます。

 同特例法の適用対象となるのは、過去に記録が訂正された人(死亡時に同一生計だった遺族を含む)や、保険料を納めた直接の証拠がない場合に記録訂正の是非を判断する総務省の「年金記録確認第三者委員会」の審査で新たに年金記録の訂正が認められた人などです。

 過去に記録訂正が行われた人で7月中に決定した544人は、男性351人、女性193人。平均年齢は76歳。時効撤廃によって回復された期間の平均は7年6カ月分で、最長は90歳女性の23年9カ月分。支給決定金額は平均98万円で、最高額は624万円でした。時効分の年金に利息は支払われないが、所得税も課税されません。

 年金請求権に5年間の時効が適用されず全額補償されるのは、社会保険庁の管理不備などで年金記録が訂正された場合に限られます。

 社保庁では、9月から該当者に申請用紙を送付し、「振込先などの必要事項を記入した上で返送してもらえば手続きが完了するよう、積極的に働きかけていく」(年金保険課)こととしており、今後も順次、申請内容を審査して支給を決定していきます。

 一方、年金記録の訂正の是非を判断するために総務省に設けられた中央第三者委では、「明らかに不合理ではなく、一応確からしい」と判断できれば給付を認めるとする基本方針を策定。記録訂正の再審査の請求が出されている中から、7月13日に15件、同25日に8件の計23件が、これまで先行的モデル事例として記録訂正が認められています。このうち、社保庁での事務手続きが間に合った初回の15件については、今月15日に全額支給されます。2回目の8件は9月の支給となる見込みです。

 全国50カ所に設置された地方第三者委では、先月17日から、記録訂正の個別申し立ての受け付けを開始し、受付件数は計4067件(5日現在)に上っています。地方第三者委では、中央での一連の給付判断を参考に審査を本格化させていきます。

『年金時効撤廃特例法とは』

 年金保険料の納付記録に関し、社保庁の管理ミスで記録の訂正があった場合、会計法で規定する5年間の時効を撤廃し、受給者が本来受け取れるはずの年金を全額支給可能とする法律。自民・公明の与党両党が先の通常国会に提出し成立、7月6日から施行。従来は不支給の年金が過去10年分あることが分かっても、時効で5年分しか追加支給されませんでした。

<公明新聞2007年8月11日付>