法務省が今月発表した2006年の人身取引の被害者数によれば、昨年に保護や帰国支援を行った人身取引被害者数が、前年に比べ大幅に減少していることが分かりました。05年の被害者数は115人だったが、06年には47人となり、60%も減少しました。
政府は、人身取引防止のために行った刑法や入国管理法の改正が功を奏しているとし、「目に見えない部分でも恐らく減少している」(入国管理局)と、日本での人身取引被害そのものが大きく減少しているとみています。
法務省によると、昨年に保護や帰国支援した47人の人身取引被害者は、いずれも女性。このうち、不法残留などの入管法違反となっていた27人は、全員、在留特別許可を受け保護されました。
被害者の国籍は、フィリピン29人、インドネシア14人、タイ3人、韓国1人で、風俗店で強制的に働かされるなどしていました。
特に被害者の減少は、人身取引の“温床”と言われていた、ダンサーや歌手の「興行」のための在留資格に関する省令改正が大きな理由となっています。改正で、外国の公共機関が発行した証明書を持つ外国人の入国を認定する規定が削除された一方、日本側の受け手についても不適正要件が厳格化されました。これによって、保護された被害者のうち、「興行」の在留資格を持っていた人が前年の68人から18人となり、大幅に減少しました。
また、加害者については05年の入管法改正で「人身取引」が退去強制の対象となったことで、05年1人から06年には4人が退去強制になりました。
人身取引の防止について、公明党は04年10月、浜四津敏子代表代行が参院本会議の代表質問で政府の姿勢をただすとともに、党内にプロジェクトチーム(松あきら座長=参院議員)を設置。南野知恵子法相(当時)に対し、人身売買罪の創設などを申し入れるなど、積極的に取り組んできました。これを受け、政府は関連法の改正などの対策強化を進めてきました。
<公明新聞2007年2月21日付>