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広がるマタニティマーク

妊産婦に優しい社会へ

  妊産婦が交通機関などを利用する際に身に付け、周囲が妊産婦への配慮を示しやすくするためのマタニティマークが着実に広がっている。マーク入りのグッズを配布する市区町村が年々増加する一方、交通機関などもポスターの掲示などを通して周知に努めている。妊産婦への優しい心遣いが社会により一層、広まることを期待したい。

『4割の市区町村が事業展開。母子手帳と同時にグッズ配布』
『キーホルダーやシール、手提げ袋、クリアファイルなど工夫を凝らす』

 「マテニティマークには本当に助けられました。妊娠5カ月までパートを続けていました。職場では、このマークを身に付けていたこともあり、おなかに負担のない作業を任され、安心して仕事ができました」

 「妊婦健診の帰りの電車の中で立っていた時、マタニティマークに気付いた若者が、『席、空いていますよ』と呼び掛けてくれました。つり革を握るのに腕を上げたり、脚を踏ん張って立っているだけでも、おなかに負担がかかってしまうので、非常に助かりました」

 本紙7面の「ありがとう! 公明党」欄や、読者が投稿する3面「波紋」欄には、マタニティマークにかかわる心温まるエピソードが随時、寄せられる。

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 厚生労働省がマタニティマークの全国統一デザインを決定したのが、2006年3月10日。同マークは公募され、1661作品の中から選ばれた。

 マークは同省ホームページからダウンロードし、個人、自治体、民間団体などが自由に利用でき(営利目的などは除く)、市区町村や交通機関などで着実に普及している。

 マーク入りグッズを作成または購入し、母子手帳の交付時などに配布している自治体は、06年度に199市区町村だったのが、07年度には581市区町村に、08年度には746市区町村(全体の41・2%、同年8月末時点)に増加<グラフ参照>。同時点で09年度に新たに作成・購入を検討している市区町村が117あった。

妊産婦に優しい社会へ

 自治体の事業としては作成・購入していないが、財団法人・母子衛生研究会やNPO法人「ひまわりの会」などの民間団体が作成しているマーク入りのチェーンホルダーやシールを譲り受け、それらを配布している市区町村は同時点で383あり、これらを含めると、08年度は全体で1184市区町村でマタニティマーク入りのグッズが配布されている。

 グッズはキーホルダーやチェーンホルダーのほか、手提げ袋やシール、クリアファイル、自動車に使用する吸盤付きプレートなど、各市区町村が現場で工夫を凝らして作成。役所の駐車場に妊産婦らが使用しやすいよう、障がい者を示すマークなどとともにマタニティマークも入れた案内板を設置している自治体も多い。

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 マタニティマークについて公明党は、松あきら参院議員が05年3月の参院経済産業委員会や同4月の参院行政監視委員会で、通勤電車などで周囲から理解されにくい妊産婦のつらさを代弁し、一部の自治体や民間で独自に作成し、好評を得ている妊産婦バッジを紹介し、誰が見ても分かる全国統一のマークをつくり、普及を進めるよう提案。同3月末の党少子社会総合対策本部が発表した緊急提言でも、母子手帳の交付時に「全国配布を目指す」と明記するなど、党を挙げてマークの普及に取り組んできた。

『交通機関の対応も着実に』
『周知ポスター掲示など、首都圏の鉄道20社局が共催』
『周囲の理解促進が課題』

 マタニティマークは民間でも着実に広がりを見せている。首都圏の鉄道事業者20社局(民間18社と東京都交通局、横浜市交通局)は現在、マーク入りのチェーンホルダーの無償配布や周知ポスターの掲示に取り組んでいる。

 20社局が共催し、厚生労働省と国土交通省が後援しているもので、「妊産婦さんへの思いやり」「マタニティマークを見かけたら、やさしい心づかいをお願いします」と呼び掛ける共通のポスターを使用。「おなかに赤ちゃんがいます」の文字が入ったマーク入りチェーンホルダーは、JR東日本の場合は主要駅の「お客さま相談室」で配布。他の19社局については、全駅で配布している社局と、一部の駅で配布している会社がある(数に限りあり)。

 全国の鉄道事業者やバス事業者でも、駅の構内やバス車内にポスターを掲示したり、障がい者などの優先席マークにマタニティマークを加えるなどの取り組みが進んでいる。

 航空会社でも、手荷物などに付けられ、周囲の配慮が得られやすくするためのマタニティマークを使用した専用グッズの導入を進めている。例えば、日本航空が08年7月から、全日空が同10月から搭乗する妊婦への配布を始めた。

 今後の課題は、周囲の理解と配慮の促進。マークが普及し、妊産婦への温かい配慮が見られるようになったが、まだまだ席を譲ってもらえない現実もある。

 厚労省は「マークの普及とともに、国民の理解を進める普及啓発に力を入れていきたい。疲れているサラリーマンの方にも、ぜひ配慮をお願いしたい」(母子保健課)と呼び掛けている。

妊産婦に優しい社会へ 首都圏の鉄道20社局が掲示している共通ポスター (写真はJR東京駅内)

妊産婦に優しい社会へ 無償配布しているチェーンホルダー

<公明新聞2009年2月13日付>

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