これが「ねんきん定期便」――もらえる年金額、20歳以上に通知へ

毎年1回、誕生月に郵送
 老後に受け取る公的年金(国民年金と厚生年金)に関する個人情報を加入者(被保険者)に郵送する「ねんきん定期便」の送付が今年(2007年)3月から、一部前倒しでスタートしました。来年(2008年)4月には、すべての年金加入者を対象に本格実施されます。「ねんきん定期便」のポイントについて紹介します。


『まずは35歳通知からスタート。来年4月からは全加入者対象に』

 来年(2008年)4月から本格実施される「ねんきん定期便」は、「老後にいくら年金をもらえるのか」「自分がこれまでに保険料をいくら払ったのか分からない」という現役世代に対し、将来の受給額を思い浮かべてもらい、年金制度への理解と関心を深めてもらうことが目的です。

 まずは、今年(2007年)の3月26日から、4月2日以降に35歳になった人を対象に、誕生月に(1)加入期間(2)加入履歴――の2項目を知らせる前倒し通知がスタートしました(35歳通知)。

 老後に年金を受け取るには最低でも25年間、保険料を支払う必要があります。このため35歳は、保険料を納め終わる60歳まで、あと25年という節目の年に当たり、仮に35歳時点で、これまで保険料を納めた期間がない場合でも、「35歳から60歳まで保険料を納め続ければ、年金を受給できます」といった狙いもあります。


『公明が定期的な通知制度を主張し、2004年の年金改革で実現』

 さらに今年(2007年)の12月からは、12月2日以降に45歳と55歳以上になる加入者にも対象を拡大。45歳通知では(1)加入期間(2)加入履歴――の2項目、55歳以上の人への通知では(1)加入期間(2)保険料納付額(3)加入実績に応じた年金見込額(4)将来の年金見込額――をそれぞれ誕生月に通知します。

 本格実施となる来年(2008年)4月からは、20〜59歳のすべての加入者(約7000万人)が対象になる予定です。毎年1回、誕生月に自宅に郵送されるようになります。

 従来、こうした年金の詳しい個人情報が通知されるのは、58歳になった時だけに限られていました。しかし、公的年金は老後の生活の中心をなすものであり、自分が将来に受け取る年金見込額をいち早く知ることは、老後の生活設計に大きく役立ちます。また、年金見込額が分かることで、加入者に保険料を支払う意義を感じてもらうことも大切です。こうしたことなどから、「ねんきん定期便」は、公明党の推進によって、04年の年金制度改革で導入が決定しました。

 本格実施の「ねんきん定期便」で通知する内容は、全年齢に共通する事項として、(1)加入期間(国民年金の加入月数と納付済み月数、厚生年金の加入月数)(2)加入実績に応じた年金見込額(3)納めた保険料の納付額(被保険者負担分)――が示されます。このうち、見込額については当然、保険料を支払っていれば、定期便が届くたびに増える仕組みです。

 また、年齢に応じた事項として、35歳、45歳、58歳の節目の人に対しては、過去に勤めていた会社名や、勤務していた期間などが分かる詳細な加入履歴も送付されます。自分の記憶と送付された記録が異なれば、申し出ることによって、修正することができます。

 さらに、50歳以上の人には、引き続き加入した場合の将来の年金見込額が通知されます。一方、50歳未満の人には、将来の年収想定が難しいため、年収と納付期間を掛け合わせれば目安となる年金額が分かる早見表が同封されます。

 近年、社保庁による保険料納付の記録管理の問題がクローズアップされています。例えば、年金受給の開始後に加入者の申し出によって加入期間が修正され、社保庁が年金額を訂正したケースが01年4月から07年2月末までの約6年間で、約22万件あったことも判明しています(社保庁調べ)。

 こうしたことを防ぐには、年金加入者自らが年金の記録をきちんとチェックする必要があります。このため、今後は、「ねんきん定期便」が届いたら内容をきちんと確認し、間違いがあれば社会保険事務所に指摘することが必要です。

 また、各地の社会保険事務所で加入記録を確認することもできるほか、社保庁では、50歳以上の希望者に年金額を試算・通知しています。同庁のホームページ上には、50歳未満でも加入期間や平均月給を入力すると、おおまかな年金額が分かる仕組みもあります。

 公明党は2004年の年金改正論議で、保険料の納付実績や将来もらえる年金見込額など、個人情報を定期的に通知する制度を早期に導入するよう主張。これを与党が合意し、年金改革関連法案に盛り込まれました。

 さらに同法案の審議段階でも、同年5月12日の参院本会議で渡辺たかお氏(参院選予定候補=比例区)が、年金制度に対する若者の理解を深めるために、08年4月から前倒しして実施するよう訴えたほか、同6月1日の参院厚生労働委員会では遠山清彦氏(同)が、できる限り早い年齢から加入履歴や年金見込額を通知するよう求めていました。

 <公明新聞2007年5月18日付>