診断・治療ガイドラインを策定へ??日本脳神経外科学会が方針
苦しむ患者・家族に朗報??公明もバックアップ
むち打ち症の主な原因として注目を集めている脳脊髄液減少症の診断・治療ガイドラインが策定されることになりました。
日本脳神経外科学会がこのほど、脳脊髄液減少症をテーマに開催した初めてのシンポジウムで、発症メカニズムなどを解明するため、本格的な研究に着手する方針を決めたもので、1年後をめどに診断・治療ガイドラインの策定をめざします。
脳脊髄液減少症は、脳や脊髄の周囲を循環している脳脊髄液が、強い衝撃を受けることによって硬膜から漏れ出し、その結果、脳が沈み、頭痛やめまい、倦怠感、うつ、睡眠障害などさまざまな症状を引き起こす病気。
近年、一部の医師の間で、脳脊髄液減少症がむち打ち症の主な原因ではないかとの認識が広がり、実際に脳脊髄液減少症の治療に有効なブラッドパッチ(脊髄液が漏れ出す部位に患者自身の血液を注入して漏れを止める)療法を行うことで、むち打ち症が劇的に回復する報告が数多くなされるようになりました。
しかし、学会全体として、また社会での認知度は低く、回復した、むち打ち症患者らが中心となって脳脊髄液減少症への理解とブラッドパッチ療法の全国への普及を進めるため、活発な市民運動を展開。公明党はこれを強力にバックアップし、地方議会から国への意見書提出を推進するとともに、患者団体とともに、厚生労働省や自治体にブラッドパッチ療法への保険適用など、治療体制の整備を訴えてきました。
こうした運動による世論の高まりを受ける形で、同学会が脳脊髄液減少症の診断・治療ガイドラインの策定方針を決めたことは、むち打ち症患者らに大きな喜びをもって迎えられています。
これまで、むち打ち症患者は、さまざまな症状に苦しみながらも、検査では「異常なし」と出ることが多いため、家庭や職場で「仮病ではないか」といった誤解や偏見にさらされ、家庭崩壊にまで至るケースもあった。それだけに今回の学会の方針は、患者救済の一つの突破口になるものと期待されています。
『国・地方で研究推進訴え??党脳脊髄液減少症対策ワーキングチーム座長・渡辺たかお参院議員』
脳脊髄液減少症の研究推進やブラッドパッチ療法への保険適用などに関する要請を全国の患者・家族の皆さまより頂き、公明党はこれまで国・地方の議員が協力し、特定非営利活動法人(NPO法人)「鞭打ち症患者支援協会」等とも連携し、国会質問や質問主意書、署名簿の提出などで、実現に努力してきました。
2004年には、坂口力厚生労働相(公明党、当時)も、患者・家族、日本脳神経外科学会の専門医より要請を受け、尽力する旨を約束していました。近年、医学的知見が集積されてきたことから、今年3月の参院予算委員会で、政府に再度、本症の研究推進を要請し、川崎二郎厚労相(当時)から前向きな答弁を得ました。また、かねてから日本脳神経外科学会の関係者にも研究推進の依頼を行ってきました。
今回、同学会での本格的な研究のスタートを高く評価するとともに、本症の診断・治療ガイドラインの早期完成と全国レベルの臨床研究の推進を期待しています。
<公明新聞2006年11月21日付から>