心身障害者扶養保険――失われた「年金」復活。3年の“時効の壁”を撤廃

札幌市議への相談きっかけ
国会議員との連携で実現
スピード解決、公明に感謝の声相次ぐ
 保護者が亡くなった後、障害者に終身年金が支給される「心身障害者扶養保険(共済)制度」。申請が遅れると、これまで3年を超えた分は、さかのぼって年金を受け取れなかったが、4月からこの未受給分が復活する。公明党の地方議員と国会議員の連携プレーによる成果で、13日には、札幌市内で行われた特定非営利活動法人(NPO法人)・障害者インターナショナル(DPI)北海道ブロック会議の会合で、経緯の報告に訪れた公明党議員に、同団体関係者らから感謝と称賛の声が寄せられた。

 「心身障害者扶養保険制度」で、これまで年金の請求ができるのは、権利が発生してから3年間までとされ、その後に遅れて申請しても、「時効の壁」といわれ、受給は3年前までしかさかのぼれなかった。

 しかし、障害者の中には、請求能力に困難を伴う人もおり、保護者が加入していたことを知らなかったりするケースも少なくなかった。

 札幌市議会公明党の涌井国夫議員が、市内に住む中澤一彦さん(61)から相談を受けたのは今年1月。母が10年前に亡くなったが、生前、障害のある姉のために加入していたことを、この数日前に市から知らされたという。

 市の昨年9月の調査では、受給資格がありながら申請がないため、年金を受けていない人が市内で42人いたことも分かり、涌井議員は稲津久党道代表(道議)とも協議して、党本部に改善への取り組みを求める意見・要望書を提出した。

 これを受けて、党障害者福祉委員会が国に働き掛けたほか、桝屋敬悟衆院議員も2月27日の衆院予算委員会分科会で改善策を要請。この結果、厚生労働省から申請が遅れた場合の扱いを見直す通知が出され、4月から都道府県・政令市が認めた場合は「過去3年分を超える年金」も含めて満額が支払われることになった。

 涌井議員は、戸田芳美、包国嘉介両道議 三浦英三、福田浩太郎両札幌市議とともに、13日に市社会福祉総合センターで開かれたDPI北海道ブロック会議の会合に出席。中澤さんから相談を受け、国会議員との連携で「時効の壁」を打ち破るに至った経緯や、市に現況届などによる受給漏れの防止策を約束させたことなどを報告した。

 また、中澤さんは相談に至ったいきさつを説明し、「私たちと同じ目線に立ち、組織的に、しかもスピーディーに取り組んでくれた。本当にありがたかった」と、公明党に感謝の言葉を寄せた。他の出席者からも「掛け金を払っていて不安があった」「非常に良い解決法だった」などの声も上がった。

 西村正樹・同会議議長は「短期間での解決に驚いており、地方と国会の議員の連携など、お見事の一語。今後も障害者を含め、一人ひとりが安心して暮らせる社会の実現に協力してほしい」と、公明党に一層の支援を期待した。

<心身障害者扶養保険制度>
 障害者を持つ保護者が掛け金を払い、保護者が死亡したり、重度障害を負った際に、月額2万円(2口の場合は4万円)の終身年金が障害者に支払われる制度で、加入は任意。都道府県または政令市が実施主体となり、独立行政法人「福祉医療機構」が集めた掛け金を運営している。



<公明新聞2008年3月21日付>