公明党がん対策推進本部が23日に決定、発表した「がん対策の推進に関する法律(仮称)要綱骨子」の全文は次の通りです。
文中の「※印」の部分は、「法案の条文としては、十分そぐわない可能性がある」との見解もあるので、取りあえず別書きとしたが、今後のがん対策にとって極めて重要な検討・推進事項であると考え、明記したものです。今後、法案化の中で調整します。
一、がん対策推進計画等
1 政府は、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、がん対策の推進に関する計画(以下「がん対策推進計画」という。)を策定しなければならないこと。
2 都道府県は、がん対策推進計画を基本とするとともに、当該都道府県におけるがん患者に対する医療の提供の状況等を踏まえ、当該都道府県におけるがん対策の推進に関する計画(以下「都道府県がん対策推進計画」という。)を策定しなければならないこと。
3 がん対策推進計画及び都道府県がん対策推進計画は、五年ごとに見直しを行うこと。
二、がん対策推進本部
1 内閣府に、がん対策推進本部(以下「本部」という。)を設置すること。
2 本部は、次に掲げる事務を行うこと。
(1) がん対策推進計画の案を作成すること。
(2) がん対策について必要な関係行政機関相互の調整をすること。
(3) (1)及び(2)のほか、がん対策に関する重要事項について審議し、及びがん対策の実施を推進すること。
三、法制上の措置等
国は、がん対策の推進に当たり必要となる法制上または財政上の措置その他の措置を講じなければならないこと。
四、国及び地方公共団体が講ずべき施策
1 がん情報の提供
(1) 国は、手術治療、放射線治療、化学療法その他のがんの治療法、医療機関ごとのがんの治療成績等がん医療に関する情報の収集、分析及び提供を行う機関(以下「がん対策情報センター」という。)が設置されるよう必要な施策を講ずること。
※ がん対策情報センターは、上記のほかに医療機関ごとの専門医の数や設備の状況、がん検診の有効性、調査研究の成果等といった情報を提供することとし、その際は、できる限り平易な言葉で行われることとする。
(2) 国及び地方公共団体は、医療機関ががん医療に関する情報を共有し、及びがん患者がその居住する地域にかかわらずがん医療に関し必要な情報を入手することができるようにするため、医療機関の間におけるがん対策情報センターを中心としたがん情報ネットワークが構築され、がん医療に関し必要な情報が提供されるよう必要な施策を講ずること。
2 がん登録
(1) 国及び都道府県は、別に法律で定めるところにより、がん患者のがんの診断及び治療並びに予後に関する情報を収集・分析し、がん医療の向上に役立てるため、がん登録を実施すること。
※ 別に法律で定める事項として、以下のようなことが考えられる。
[1]がん対策情報センターにデータベースを設けること
[2]全国共通の登録基準を策定すること
[3]運用基準を整備すること
[4]登録情報の管理、利用等に関する手続きを整備すること
[5]がん登録に携わる専門的な人材を確保すること
(2) 国は、(1)の施策を講ずるに当たっては、がん患者を表す手段としてがん患者の氏名に代替する番号が用いられるようにする等がん患者に係る個人情報の保護が図られるようにすること。
3 医療機関の整備及び連携協力体制
(1) 国及び都道府県は、がん患者がその居住する地域にかかわらず適切な医療を受けることができるよう、都道府県がん中核拠点病院、地域がん診療拠点病院その他の専門的ながん医療を提供する医療機関の整備を図るために必要な施策を講ずること。
※ 都道府県がん中核拠点病院は、都道府県ごとに一つを目途に整備されることとし、地域がん診療拠点病院が果たす役割(後述)のほか、地域がん診療拠点病院の医療従事者に対する研修等を行う。
※ 地域がん診療拠点病院は、二次医療圏ごとに一つを目途に整備されることとし、がん患者に対し適切な医療を提供するほか、地方公共団体が行うがん検診に対し協力する。また、がん対策情報センターと連携しながらがん患者及びその家族に対する支援及び必要な情報の提供を行う「サテライト相談室」を院内に設置する。
※ 地域がん診療拠点病院においては、腫瘍外科医、放射線腫瘍医、腫瘍内科医、緩和ケア医その他の専門医、認定看護師、認定薬剤師等がチームとなってがん医療を行う体制(キャンサーボード)が整備されるようにする。
(2) 国は、(1)のほか、専門的ながん医療を提供する医療機関に対する診療報酬上の優遇措置等専門的ながん医療を提供する医療機関の整備を図るために必要な施策を講ずること。
(3) 国及び地方公共団体は、がん患者がその居住する地域にかかわらず適切な医療を受けることができるよう、国立がんセンター、都道府県がん中核拠点病院、地域がん診療拠点病院その他の医療機関の間における連携協力体制の整備を図るために必要な施策を講ずること。
※ 連携協力体制を整備する中で、がんの診断、治療方法等について各医療機関の専門分化を促し、治療の効率化と高精度化を推進する。