
国会は24日午後、衆院本会議を開き、小泉純一郎首相の施政方針演説など政府4演説に対する各党代表質問を行いました。質問に立った公明党の神崎武法代表は、「改革」の原点こそ「国民のための改革」と強調した上で、小泉内閣の構造改革の成果を評価しつつ格差の解消に全力を挙げるよう訴えました。また神崎代表は、ライブドア事件に言及し不正行為防止に向けたルールづくりを強調。人口減少時代を前提とした構造改革について、子育てを中心軸に据えた社会システムの構築を提案。がん対策の強化、アスベスト被害者への速やかな救済策実施を求めたほか、外交問題では、対中韓関係の改善に全力を挙げるよう強調しました。
【小泉構造改革の評価】
神崎代表は、景気回復の影響が企業から家計へと広がりつつあるとした上で、一層の経済活性化へ、2005年度補正予算案と06年度予算案の早期成立が不可欠と強調。
また、小泉内閣が進めてきた構造改革に関して、「大きな成果を収めつつある」と評価する一方、若年者世代間などで所得の格差が拡大している点を指摘し、「小泉内閣は、格差の縮小・解消に全力を挙げていかなければならない」と訴えました。
その上で神崎代表は、23日に証券取引法違反の疑いでライブドアの堀江貴文社長らが逮捕された事件について「法令上の整備が必要であるならば、速やかに今国会で対応すべきだ」と主張しました。
【人口減少時代を見据えた構造改革の推進】
神崎代表は、人口減少社会を前提とした構造改革に関して、児童手当の拡充など子育てを中心とした社会システムの構築や、働く意欲のある団塊世代の社会参加の推進などが急務だと強調。
同時に、徹底してムダを排除した効率的な政府の必要性も訴え、公明党が主張してきた「事業仕分け」(行政事業の必要性や担い手を見直す作業)の考え方を今国会に提出予定の「行政改革推進法案」(仮称)に明記するよう求めました。
小泉首相は、事業仕分けの趣旨に賛同し、「行政改革推進法案にも、その趣旨を盛り込みたい」と答えました。
【医療制度改革】
神崎代表は、医療制度改革について、医療の質の向上と効率化を強調。診療報酬の請求に使われる明細書のオンライン化やカルテの電子化、ジェネリック(後発)医薬品の普及促進など医療提供体制の改革を求めたほか、生活習慣病対策など予防の重視を訴えました。
【がん対策】
神崎代表は、がん対策の強化について、痛みをコントロールする緩和ケアの普及や、がん治療専門医の育成などを訴えたほか、がん征圧計画の策定などを柱とする「がん対策法」の制定を提唱しました。
小泉首相は、がん罹患率の激減へ、「政府として総合戦略の推進に全力で取り組む」と答えました。
【安全・安心】
米国産輸入牛肉に特定危険部位が混入していた問題について神崎代表は、輸入再開には「専門の調査団を派遣するなど、国民の安全と安心を確保できる施策を講じた上で、慎重の上にも慎重に判断を」と強く要請しました。
アスベスト(石綿)対策については、被害者救済法案と被害拡大防止法案の早期成立と併せ、給付金の速やかな支給に全力を挙げると力説。未認定の闘病患者への援助などを求めました。
耐震構造設計偽造問題への対応については、(1)危険なマンションの居住者の安全確保(2)建築基準法の見直しなど再発防止のための法整備(3)事件の真相究明と法令違反者に対する厳正な処分――の重要性を指摘し、再発防止策と今後の対応について見解を聞きました。
北側一雄国土交通相(公明党)は、マンション居住者の早期退去に努めると強調するとともに、再発防止のための法改正について、「今国会で建築基準法などの改正を行う」と答えました。
【アジア外交】
神崎代表は「(中韓)両国と歴史、文化の共同研究を進め、相互理解を深める一方、民間レベルでの文化・教育交流にも一段と力を注ぎ、相互の認識のギャップを埋める、あらゆる努力をしていくべき」と強調しました。
また、中国への支援・協力について、環境分野への重点化を主張しました。