
国会は4日午前、参院本会議を開き、安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党代表質問を行いました。質問に立った公明党の浜四津敏子代表代行は、7年間の連立政権における公明党の果たした役割を総括。その上で、「連立第2期」での首相の基本的な政治姿勢をただすとともに、さい帯血移植の推進や経済成長の見通し、地方分権、現場からの教育改革の在り方について見解を求めました。さらに、「政権交代を叫ぶだけの権力闘争の政治は、国を衰退に追いやる」と厳しく指弾し、公明党は人間主義に立ち、幸福と平和を願う人々の思いが反映される政治の実現に全力を尽くすと訴えました。
浜四津代表代行の参院代表質問(要旨)
【さい帯血】 浜四津代表代行は、秋篠宮妃紀子さまの「さい帯血」提供について「さい帯血移植を推し進めてきた私たちにとって大きな応援」と述べた上で、(1)安定供給へ骨髄やさい帯血そのものの保険適用(2)品質確保へ法的な位置付け(3)将来のセンター化――などを要請しました。
安倍首相は、さい帯血移植推進へ「積極的に支援していく」と述べました。
【医療制度、がん対策、障害者自立支援法】 浜四津代表代行は、小児科医育成へ国立成育医療センターの研修医受け入れ枠拡大、アレルギー対策、小児医療など政策医療の推進、がん治療の早期からの緩和ケア実施と大学の講座設置、重度心身障害者の療養介護事業への円滑な移行実現を訴えました。
安倍首相は、成育医療センターに関して「研修医受け入れ人員の拡大を検討し、国が責任を持って小児科医の育成・確保に努める」と答弁。柳沢伯夫厚生労働相は、緩和ケアの講座設置へ「文部科学省への働きかけを強める」とし、療養介護事業移行は、選択制である施行後3年の間に、円滑な移行と十分な手当を実現すると応じました。
【少子化対策】 浜四津代表代行は、「仕事と生活の調和推進基本法」(仮称)の制定など働き方の見直しと子育て負担の軽減を強く主張。また、子育て世帯への家賃補助などを行う「ネスト(巣作り)プラン」について見解を求めました。
安倍首相は、仕事と生活の両立支援について、「立法」を提案する趣旨を重く受け止め、環境整備に努めると強調。冬柴鉄三国土交通相(公明党)は「3世代が同居できる住宅支援などを、積極的に進めていく」と答えました。
【経済政策、格差是正】 浜四津代表代行は、与党として公明党がこれまで果たしてきた役割について、(1)1990年代後半の金融危機を回避し、日本の経済を救った(2)福祉や人権、教育などに光が当たるよう政治の「質」を変えた(3)社会保障制度を立て直した――の3点を強調。
その上で、今後の経済成長の見通しや財政健全化への道筋などに関して首相の見解を求めました。
安倍首相は、財政健全化へ、5年後の基礎的財政収支を「確実に黒字化する」とし、「国民負担の最小化を第一の目標に、今後5年間に歳出削減を実施する」と答えました。
一方、浜四津代表代行は、懸念が高まる格差社会について、「この問題に適切に取り組むことが安倍政権における重要な課題」として、今後の取り組みを聞きました。
安倍首相は、2010年までにフリーターをピーク時の8割にまで減少させることなどの具体策を紹介しました。
【地方分権改革】 浜四津代表代行は、多数の地方自治体が、地方経済の停滞や、地方分権改革に伴う交付税の削減により、財政破綻の不安を抱えていると指摘。住民に悪影響が及ばないようにするため国による対策を求めました。
安倍首相は、「財政悪化を早期に防止する措置を講じる」と述べ、地方自治体の再建努力を促す施策を行う考えを示しました。
【農林水産業支援】 浜四津代表代行は、公明党の「列島縦断フォーラム」で訪れた各地で、農漁村の疲弊の訴えが相次いだことを紹介し、「農林水産業の活性化なくして、地域の発展や国の食料安全保障もない」と強調。実効性のある農業支援策を実施するよう要請しました。
安倍首相は、「担い手の育成確保のための改革などに、攻めの姿勢で取り組む」と答弁しました。
【東アジア外交】 浜四津代表代行は、中国、韓国との信頼関係を回復するために、「首脳間で胸襟を開いた対話を定期的に重ねることだ」と力説するとともに、幅広い分野での交流が必要だとして、留学制度の充実、歴史共同研究を通じた「歴史認識の共有化」を主張。北朝鮮による拉致問題については、首相のリーダーシップの下で必ず解決するよう求めました。
安倍首相は、中韓両国との首脳会談の実現に努力する意向を示すとともに、「青少年間の交流を重視していく」「(韓国と実施している歴史共同研究を)中国との間でも検討を進めている」と答えました。
【教育】 浜四津代表代行は公明党の提案で実現した教育政策として、子ども読書活動、体験学習、食育、舞台芸術などに触れる機会の提供を挙げ、国のさらなる支援を要請。
教育改革については最前線の悩みを直視し解決へ具体的な手を打っていく「現場からの改革」が大事だと指摘しつつ、「子どものための教育との視点に立って、教育の再構築に国を挙げて取り組む必要がある」と訴えました。安倍首相は「教育再生を国政上の最重要課題の一つとして位置付け、取り組んでいく」と答えました。