
国会は30日午後、衆院本会議を開き、安倍晋三首相の施政方針演説など政府4演説に対する各党代表質問を行いました。質問に立った公明党の太田昭宏代表は、少子高齢化など構造変化に直面するわが国にあって、「未来に責任を持つ政治」を進める決意を表明。その上で、国民総がかりの教育改革や、若者、高齢者の雇用環境の整備、社会保障の安定財源確保、家計や地域が景気回復を実感できる施策を主張。また、日中関係で環境対策の「基金」設立を提案したほか、政治資金の透明性確保に向けた取り組みを訴えました。
【教育改革】 太田代表は、少子高齢化やグローバリゼーションなど構造変化に直面するわが国にあって、「民を本」とする国づくりに向けた首相の見解を聞くとともに、「国民総がかりの教育改革」への先導的な役割を求めました。
安倍首相は「自公連立政権は未曾有の経済危機を克服してきた」と述べ、連立の安定した基盤の上に、現場の声を反映した施策を展開する決意を表明。さらに、家庭や地域と連携を深め「教育新時代を開く」と述べました。
また、太田代表は、教育費軽減や、ゆとり教育の検証と見直し、事務の簡素化など教員支援や、いじめ対策での学校支援策などを要請しました。
【雇用対策】 太田代表は、若者の雇用改善策について、「新卒採用のみならず、中途採用に大きく門戸を開いた雇用システムへ変換する必要がある」と指摘。中途採用者のスキルアップ(職業能力の向上)を促す支援策の導入を訴えました。
また、年齢にかかわりなく働き続けられる「生涯現役社会」の構築や「仕事と生活の調和」を図るための長時間労働の是正と賃金アップを強調。
一方、今国会で最優先課題となっている(1)最低賃金の引き上げ(2)パート労働者の均等処遇の推進(3)年長フリーターの雇用状況の改善――などへの強い取り組みを求めました。
安倍首相は、仕事と生活の調和へ、公明党の提案の「趣旨を重く受け止め、労働環境の整備に努める」と述べました。
医師不足へ支援体制を提案
【社会保障】 太田代表は、持続可能な社会保障制度構築のため、安定財源の確保とともに、介護予防、生活習慣病対策を中心とする医療費適正化策を強力に推進するよう要請した上で、社会保障の支え手♀g大への取り組みを強調。また、障害者や低所得世帯など、支援を必要とする人たちが地域で安心して生活でき、就業できる施策の推進を訴えました。
一方、産科、小児科医不足への強力なバックアップ体制や、ドクターヘリの普及を要望。新型インフルエンザ対策では国民への周知に最善を尽くし、国民が賢明に行動できるよう要請した。がん対策では早期からの緩和ケアや、放射線治療を担う専門医の育成などを法律の基本計画にしっかり位置付けるよう求めました。
『仕事と家庭の調和。公明案「重く受け止める」――安倍首相』
【経済・地域再生】 太田代表は、現在の景気回復について、「国民にその実感が少ないのは景気の広がりが十分ではないため」と指摘し、家計や中小企業、地域にも成長の恩恵が行き渡るための施策が必要と強調した。その上で、地域格差の是正へ、地域経済の担い手である中小零細企業や農林水産業への支援として、地域資源を活用した産業の育成などを主張。
さらに、(1)地域の医師、看護師不足への対応(2)「子ども見守りシステム」の全国展開(3)高齢者や子育て世帯などの住宅困窮者に対する住宅政策――などへの積極的な取り組みを求めました。
安倍首相は、「中小企業を力強く応援する」として、地域資源の活用などによる支援の実施を表明。冬柴鉄三国土交通相(公明党)は、民間賃貸住宅の円滑な供給などに努めると答えました。
【憲法・外交】 太田代表は、憲法改正の手続きを定める国民投票法案について「今国会での成立を図ることが重要」と指摘した上で、同法案が公布2年後の施行を定めていることなどを踏まえ、「少なくとも施行までの間は、憲法に関する調査に専念し、未来志向の落ちついた論議を行うべき」と主張しました。
日中関係について太田代表は「今年(2007年)こそ(前進・改善を)加速化させ、具体化し、確固たるものにしなければならない」と力説。両国が構築をめざす戦略的互恵関係の一つとして「日中環境パートナーシップ」を挙げ、環境問題対策へ共同出資による「基金」設立など具体的な協力の枠組みをつくるよう提案しました。
【政治とカネ】 太田代表は「政治資金はできるだけ透明性を確保する必要があり、疑惑を持たれた政治家は真摯な態度で国民に説明する責任がある」と指摘するとともに、「再発防止策を早急に講じなければならない」と主張。特に公開のあり方が問題になっている事務所費について「5万円以上の支出に領収書の添付を義務付けるなど、制度改正の検討を行い、見直せるところから直ちに実行すべきだ」と訴えました。