
参院予算委員会は16日、福田康夫首相と全閣僚が出席しての総括質疑を行いました。公明党の山口那津男氏は、海上自衛隊の給油活動が国際社会によるテロ抑止活動を下支えしていることを確認し、11月1日に期限が切れるテロ対策特別措置法に替わる新法案の期限を1年とすれば、「文民統制が強くなる」と強調。福田首相は、1年とすることを検討していると述べました。また、浜四津敏子代表代行は、食物アレルギーのショック救命用注射について「救急救命士の使用を可能に」と強く要請、舛添要一厚生労働相から前向きの答弁を引き出しました。
山口氏は、政府が検討しているテロ特措法に替わる新法案について、「(法案の期限は)活動の安定性を保証するというのはもちろんだが、(法律の)延長を前提として国会がどうチェックするかという機能の方が大きい」と述べ、シビリアン・コントロール(文民統制)確保の重要性を強調。
その上で、現行法で国会承認されてきた海上自衛隊による支援の目的や業務内容が、新法案に規定されるならば、法案成立後に国会承認を繰り返し行う必要はないとの考えを主張。さらに、新法案の期限を1年とすれば、1年ごとに国会がチェックしていくことになり、「(現行法よりも)むしろ、文民統制がより強くなる」と訴えました。
福田首相は「きめ細かく国会でチェックする観点から1年(と規定すること)はよく理解できる」と述べ、法案作成に当たっては、法案の期限を1年とすることを検討していると述べました。
また、山口氏は、東京大気汚染訴訟で東京都と原告のぜんそく患者との和解が成立したことに触れ、解決金の支払いだけでなく、都による医療費助成の制度創設や公害対策、道路政策などについて、「幅広い合意が裁判の和解の形でつくられたことは画期的なこと」と強調し、今回の和解で示された考えを応用して「全国的な解決策をつくっていくべき」と訴えました。
福田首相は「地域の特性を考慮しながら、地方自治体、高速道路株式会社、自動車メーカーと連携協力して、自動車排出ガス対策の推進、ぜんそく予防対策の充実に全力で取り組んでいく」と述べました。
さらに、肝炎の薬害訴訟で五つの地裁判決のうちの四つで、国が何らかの責任を負う判決が出たことを挙げ、「苦しむ患者を放置するのでなく、裁判についても、広い視野から和解を早期に成立させるべき」と訴えました。
舛添厚労相は、「肝炎の皆さんの苦しみを救いたいと思っている」と述べ、(1)国会から提案されている支援策を検討する(2)和解に前向きに対応する――と述べました。
『救命用の「エピペン」注射、救命士も可能に。子宮頸がん、リンパ浮腫対策も前進――浜四津代行に厚労相が明言』

一方、浜四津代表代行は、若い女性に増えている子宮頸がんが、ワクチンで100%予防可能なことを強調し、がん検診の受診率の向上や、日本では承認されていない「感染予防ワクチン」の早期承認を求めました。
これに対し、舛添厚労相は、現在4年程度かかっている治療薬の承認について「5年以内に、米国並みの1.5年に縮めたい」と表明。予防ワクチンの承認について「全力を挙げて全国の女性の思いが実現するよう努力する」と答弁しました。
また、浜四津代行が、乳がんや子宮がんの手術後の後遺症として発症する「リンパ浮腫(むくみ)」について、重症化防止のための治療や患者指導の充実、治療用の弾性サポーターへの保険適用を求めたのに対し、舛添厚労相は、実現できるよう努力すると答えました。
さらに浜四津代行は、食物アレルギーによる重い症状であるアナフィラキシー・ショックへの救急体制の整備で、現状では患者本人や家族にしか認められていないエピネフリンの注射「エピペン」について「救急救命士の使用を可能にすれば、どれだけ多くの命が救われるか分からない」と強調し、使用拡大を強く求めました。舛添厚労相は「救急救命士の業務の範囲内にこれを入れたい。早急に実現するよう頑張ってやりたい」と明言しました。このほか、浜四津代行は、がん対策の緩和医療教育の充実や、嘱託医と連携医療機関の確保が困難な助産所への支援強化、国立公文書館の整備についても強く要請しました。