読者の質問にお答えします ―― 被災者生活再建支援法の改正案

▼答える人▼
党災害対策法制検討PT座長――赤羽一嘉衆院議員

<問い>
与党は被災者生活再建支援法改正案を衆院に提出し、民主党に協議を呼び掛けるようですが、どのような法案ですか。なぜ、改正案を出すのですか。(中野区 T・Tさん)



『支給要件制限を解消。手続きも簡素に』
『生活、居住の支援金――使途制限は設けず』
『公明案もとに与党案作成』

 被災者生活再建支援法は、阪神・淡路大震災をきっかけに、1999年に「自然災害で住宅が全半壊した被災者の生活再建のために公的支援金(生活関係経費として、家財道具などについて最高100万円)を支給する」という制度内容で制定されました。

 2004年には被災者による住宅再建努力を支援するための居住関係経費(被災住宅の解体撤去費などに対して最高200万円)も支給されるようになりました。

 法律の運用開始以来、29件の自然災害で被災した合計1万2885世帯に対して、130億2000万円の支援金が支給されています(07年6月末現在)。このように現在の被災者生活再建支援制度は、自然災害からの復興過程で多くの被災者の生活再建に役立ってきましたが、その一方で課題も明らかになってきました。

 居住関係経費の支給状況に関する政府の調査によると、一世帯当たりの支給限度額の総額に対して、実際の支給率は約28%となっており、満額を受け取ることが難しい制度運用となっている実態が浮き彫りになりました。これは支援金の使途が制限されていたり、支給要件が細かく手続きが複雑なためです。全国知事会からも「制度が非常に複雑で、被災者・被災自治体双方にとっての負担が非常に大きい」と指摘されています。

 公明党は、こうした声を受け、党内に「災害対策法制検討プロジェクトチーム(PT)」を立ち上げ、被災者生活再建支援法の見直しに着手してきました。

 具体的には、支給要件制限や手続きの複雑さを解消し、スピーディー(迅速)かつシンプル(簡素)に支給が実施されること、被災実態に即した制度に改正することを重視。

 まず、生活関係経費・居住関係経費ともに、現行制度は使途制限が設けられ実費支給となっている点を、使途制限は設けずに定額支給方式と改めます。つまり、生活関係経費については、全壊世帯に100万円、大規模半壊世帯に50万円をそれぞれ一律に支給します。居住関係経費については、住宅の再建の仕方に合わせて定額支給します。例えば、住宅を建設・購入した世帯には200万円、補修世帯には100万円、賃貸世帯には50万円を支給します。

 この改正によって、現行制度では支給対象となっていない「大規模半壊世帯への生活関係経費」や「全壊世帯が補修で再建した場合の居住関係経費」も支給対象に加わります。

 また、支援金の支給世帯主の年齢要件を撤廃し、現行500万円以下の年収要件を一律800万円以下に引き上げます。より多くの被災者を幅広く救済することを念頭に置きました。

 公明党の改正案をもとに与党案が出来上がり、10月12日に衆議院に提出。被災者にとって、より使い勝手の良い仕組みへと見直すため、今臨時国会での成立をめざしています。



(2007年10月23日付 公明新聞から)