自衛隊は発足当時、“存在する自衛隊”として、他国からの武力侵略を思いとどまらせる抑止力を持つことが期待されていました。
しかし、冷戦後の安全保障環境は様変わりし、また、自衛隊の活動も、災害派遣、国際平和協力活動と大きく広がってきました。
実際、1995年の阪神・淡路大震災以降、地下鉄サリン事件、新潟県中越地震などへの災害派遣や、他国からの不審船問題などに対応し、約9000回の活動で約273万人の自衛隊員が従事。また、カンボジア、モザンビーク、ルワンダ、イラク、スマトラ沖など世界各地で約20回の国際平和協力活動を実施し、約3万人の自衛隊員が参加しています。
このように、自衛隊の“存在”に意味があった時代から、事実上、「運用の時代」に入っています。
「防衛」は「外交」「社会保障」「教育」「財政」などと並ぶ国の重要な基本政策ですが、これまで、防衛を所管する防衛庁は内閣府の外局に位置付けられてきました。
今回、他の行政組織と同格の「省」に移行させることによって、安全保障政策を主として担う責任ある行政組織となり、国の防衛や国際平和協力に関する課題に、的確に対応できるという政府の判断は理解できます。