Q&A――ここが知りたい「がん対策基本法案」

 日本を「対がん戦略」先進国に

 自民、公明の与党両党が、日本を「対がん戦略」の先進国にするため、議員立法で国会に提出した「がん対策基本法案」の審議が衆院で進んでいます。法案には公明党の提案がしっかり盛り込まれ、がん対策の具体的な道筋が示されています。そこで、法案のポイントや、公明党の主張点、これまでの取り組みなどをQ&A形式で紹介します。  (2006年6月5日付 公明新聞から)




 法案のポイントは?

 
予防、がん医療均てん化へ国と自治体が計画を策定

  がんは、日本人の死亡原因の第1位を占め、3人に1人が、がんで亡くなっています。10年後には2人に1人が、がんで亡くなるとも予想され、国民の健康にとって大きな脅威となっています。

 そこで、1984年以降、わが国が取り組んできた「対がん戦略」の実効性を高め、がん対策を計画的に推進する法制化は、急務の課題となっています。

 与党が国会に提出した「がん対策基本法案」は、がん対策の方向性を示した基本理念や、国、地方公共団体、医療保険者、国民、医師の責務を明記。がん対策の基本的施策も盛り込んでいます。

 この基本的施策を具体的、計画的に推進するため、国に「がん対策推進基本計画」と、都道府県に「がん対策推進計画」の策定を義務付けています。

 法案の基本的施策は、(1)がん予防・早期発見の推進(2)がん医療の均てん化(格差是正)の促進(3)がん研究の推進??の3本柱で構成。

 がん予防および早期発見の推進では、喫煙や生活習慣の改善、がん検診の質の向上、受診率アップなどに取り組みます。

 がん医療の均てん化では、放射線治療などの専門医や医療従事者の育成、がん診療連携拠点病院の整備、痛みの緩和を目的とした医療を早期から行い、がん患者の生活の質の向上を図ります。

 さらに、がん研究の推進では、がんの本態解明や、がん予防の研究を促進し、特に必要性が高い医薬品や医療機器の早期承認を進めます。



 反映された公明の主張は?

 
放射線治療の普及、緩和ケアの充実、がん登録を支援

 公明党は法案の策定に当たって、日本で立ち遅れている、がん医療の分野として、(1)放射線治療の普及(2)緩和ケア(緩和治療)の充実(3)がん登録??の必要性を強く主張し、法案に反映させました。

 放射線治療の普及を主張する理由は、がんの欧米化にあります。かつて日本の、がんといえば、胃がんが主流だったために、摘出手術中心の治療が行われてきました。ところが近年、肺がんや、乳がん、前立腺がんなどの欧米型のがんが急速に増え、その治療に有効な放射線治療が高い成果を収めています。

 しかし日本の現状は、放射線治療の需要が急激に増える一方で、放射線治療の専門医が全く足らない実情にあります。そこで公明党は、放射線治療の専門医や品質管理の専門家の育成を強く訴えています。

 また公明党は、緩和ケアの充実を主張しています。これまでのように、緩和ケアを末期がん患者の医療としてだけ行うのではなく、がんと診断されたその時から、その人らしい生き方が最後までできるよう、必要に応じて早い段階から緩和ケアを行い、がん患者の生活の質の維持・向上を図ることが必要です。

 がん登録の推進については、がん患者の罹患状況を把握・分析するため、地方自治体が進める、がん登録の取り組みを支援します。これを踏まえて公明党は近い将来、がん登録の仕組みの体制整備をめざしています。



 公明の取り組みは?

 
党内に専門チーム設け、対策まとめ、法制化を推進
 
 公明党の、がん対策への取り組みは、2004年1月の衆院本会議で神崎武法代表が日本の、がん対策を国家戦略として強力に推進するよう訴えて以来、党の重要政策と位置付け、対策の推進に全力を挙げてきました。

 同年5月には自民党と「健康フロンティア戦略」を策定し、がん対策として「5年生存率の改善」をめざすなどの具体的な数値目標を決めたほか、乳がん対策として、500台のマンモグラフィの緊急整備を決定し、全国への配置が着々と進んでいます。

 また、昨年6月、がん対策プロジェクトチーム(PT)を党内に設置し、専門家との意見交換や、がん医療現場の視察を重ねていく中で、「適切ながん治療を求めてさまよう“がん難民”と称される患者」の実態や、対策が遅れている分野など、日本の課題が浮き彫りになってきました。

 そこで公明党は、がん患者中心の医療を整備するためにも、法制化が急務と考え、昨年11月に「国民の声を反映したがん対策の推進に関する提言」を発表。今年1月には、党がん対策PTを格上げ・強化して「がん対策推進本部」を設置、がん対策の取り組みを加速させてきました。

 法制化に向け公明党は、3月23日に党独自の要綱骨子を発表。同月28日の与党政策責任者会議で自民党と与党PT設置を合意。その後、与党PTで法案の条文化を進め、5月23日、念願の「がん対策基本法案」を自民、公明の与党両党が議員立法で国会に提出し、早期の成立をめざしています。