がん対策のことなら公明党 Q&A

 「がん対策のことなら公明党」と言われるまでになった“公明党のがんとの闘い”は、がん対策基本法の制定に続く基本計画策定で、がん医療で遅れていた放射線治療の普及や早期からの緩和ケア推進に大きな力を発揮します。ここでは、がんが増えている原因、がん治療の現状、がんと診断された時の心構えなど、Q&A形式で紹介します。(監修・中川恵一東大病院放射線科准教授・緩和ケア診療部長)
 (2007年5月18日付 公明新聞)


 Q1 人はなぜ、がんになるのか? 
 最近の研究で、健康な人の体の中で毎日、およそ5000個のがん細胞が誕生していることが分かっています。ただし、私たちの体内には、細菌やウイルスなどの異物を攻撃してやっつける免疫の仕組みがあり、できたばかりのがん細胞も退治してくれています。

 通常、免疫とがん細胞との闘いでは、免疫が5000勝0敗で勝っています。しかし、長く生きていれば免疫の働きが低下し、がん細胞の攻撃に失敗することがあります。それが、がんです。


 Q2 なぜ、がん死亡が増えているのか?
 日本人の年間死亡数は約102万人。そのうち、3人に1人はがんで亡くなっています。また、2人に1人が、がんにかかるといわれています。毎年、新たにがんになる人が増えており、近い将来、3人に2人ががんになり、2人に1人ががんで命を落とすと推測されています。

 世界一の長寿国になった日本は、国民ががんになる率も、がんで亡くなる率も世界一になっています。がんは細胞分裂の失敗によって起こるとされ、長生きすれば当然、がんになる確率が高くなるからです。

 がんは国民の健康に脅威を及ぼす、まさに「国民病」です。


 Q3 公明党はなぜ、がん対策に熱心か?
 日本のがん医療は、手術では世界トップレベルですが、放射線治療は遅れ、緩和ケアは後進国となっています。がん登録も一部の道府県でしか行われていません。

 こうした中、適切ながん医療を求めてさまよう“がん難民”と呼ばれる患者が増大、医療格差も大きな課題になっています。

 そこで公明党は、全国どこでも同水準のがん医療が受けられ、患者が自由に治療法を選択できる社会を構築するため、法律を作り、「遅れた部分(弱点)」の解消に全力を挙げています。


 Q4 なぜ、放射線治療の普及が必要か?
 日本では、手術向きの胃がんなどが多かったために、手術が主流になっています。ところが近年、食生活の欧米化が進み、胃がんが減る一方で、肺がん、乳がん、前立腺がんなど、欧米型のがんが急増しています。

 こうした欧米型のがんには、がんの進行度によって、放射線治療が手術と同じ治療成績を挙げています。体に負担の少ない放射線治療単独か化学療法(抗がん剤)との組み合わせによる治療が有効です。このため公明党は、欧米に比べて極端に少ない放射線治療の普及を強く推進しています。


 Q5 放射線治療は手術と比べ効果は?
 放射線治療は、がん治療の中で最も体へのダメージが少ない治療法です。例えば、喉頭がん(のどにできるがん)は、手術をすれば声が出なくなりますが、放射線治療であれば、機能を失うことがありません(声が出ます)。

 乳がんも、早期ならば手術で病巣だけをくりぬいた後に放射線をあてることで、全摘と同じ効果が得られることが分かり、美容を損ねずにすむ「乳房温存療法」が主流になっています。


 Q6 放射線治療の費用、副作用は?
 標準的な放射線治療の場合、3割負担で10万〜15万円程度(初診料や薬代は含まれていません)。手術の場合、胃がんで胃を切除する手術は3割負担でおよそ20万円、脳腫瘍の摘出手術は30万円弱となります。ただし、手術の場合は、手術代のほかに麻酔や手術前後の点滴などの処置費用がかかります。このため放射線治療は、手術の3分の1から半分程度の費用で済んでいます。

 副作用は、どんな治療もそうですが、状況によって若干あります。現在では病巣に放射線を集中する技術が進んでいるため、昔のような副作用はほとんど見られなくなりました。


 Q7 緩和ケアは終末期治療ではないの?
 日本の緩和ケアの現状は、まさに「終末期」のケア(激痛からの解放)となっています。ところが、世界の常識では、緩和ケアは「がんと診断された時」から治療と並行して行われています。

 医療用麻薬・モルヒネなどの使用量が日本は外国に比べて極端に低い現状です。これは日本人が「痛みをがまん」している証拠で、かえって寿命を縮めることになります。

 公明党はがん医療を担当する医師、看護師など医療従事者に緩和ケアの研修を徹底して行い、「がんになっても痛くない・苦しまない社会」をめざしています。


 Q8 モルヒネは中毒などの害はないのか?
 医療用麻薬には害はありません。日本人には「麻薬」と聞くと、「中毒になってしまう」「体がおかしくなる」という誤解が多く、痛まなくてもいい痛み・激痛をがまんしています。

 医療用麻薬の安全性の啓発とともに、医師は、患者が痛む時には、すぐに、その痛みを取り除いてあげる処方をすべきですが、その処方の仕方を知らない医療従事者が日本には多いのが、「がんの悲劇(がんは痛い・怖い)」を生んでいるのです。


 Q9 がんと診断された時、どう対応したらいい?
 まず、どの臓器にできた、どんな種類のがんかを聞くこと。さらに、治る可能性があるのか、ちょっと難しい状況なのかを知るために、おおよその進行状態と転移の有無(リンパ節への転移の有無、他の臓器への遠隔転移の有無)を知ることが大事です。

 そして、どんな治療法があるのか、医師とよく相談すべきです。

 その上で、手術を勧められたら、そこで即決せずに、ひとまず家に帰り、セカンドオピニオン(別の医師による診断)として放射線科などを訪ね、必要な情報を集めるなどして納得いく治療法を選択することです。


 Q10 これからのがん対策は変わるのか?
 変わります。まず、国民自身ががんのことを知ることが大事です。

 がんの患者も、その家族ももちろんですが、いずれ日本人の2人に1人ががんになるのですから、教育段階から「がん」のことを知っておくことが、「がんに立ち向かい、がんに負けることのない社会」を築き、やがて、がんを克服していくことになるでしょう。

 それが、現在、作成中の「がん対策推進基本計画」なのです。