読者の質問にお答えします――原発事故の調査機関法案
▼答える人▼
党原発事故調査委員会 国会設置検討PT座長 遠藤乙彦衆院議員
(2011年8月17日付 公明新聞)
【問い】 公明党など野党3党は、東京電力福島原子力発電所事故の調査機関を国会に設置するための法案を衆院に共同提出しました。法案の内容や公明党の取り組みを教えてください。(埼玉県 A・Y)
東電福島原発事故の原因究明や事故対応の検証は、今後の事故対応や再発防止策を検討する上で欠かすことができません。国際社会からも強い関心が寄せられている問題であり、原発事故の教訓を世界に広く伝えていく責務が日本にはあると言えます。
ところが、発災から2カ月以上後になって、炉心溶融(メルトダウン)が判明するなど、当初、政府や東電が説明した内容とは異なる事実が次々と明らかになりました。しかも、政府は5月に事故調査・検証委員会を設置し、作業を進めていますが、その委員会には法的な根拠は何もありません。また、調査対象となるべき政府が自ら設けた組織であることから、その中立性や独立性には強い疑問が持たれています。
そこで公明党は、山口那津男代表らが「国会に調査機関を設置すべきだ」と繰り返し主張しましたが、与党の反応は鈍いまま。事態を動かすために、党検討プロジェクトチーム(PT)を発足させ、自民党などとも協議を重ねて、今回の法案を取りまとめ、今月9日、衆院に提出した次第です。
法案では、調査の進め方について、衆参の国会議員30人から構成される「両院合同特別調査会」と、国会の同意人事で選ばれた国会議員以外の専門家10人からなる「事故調査委員会」が、2段階方式で調査することを柱としました【図参照】。

具体的には、第1段階では、事故調査委が、高い独立性・中立性を確保した上で、事故関係者や政府からの聞き取り調査や実地調査などを実施。徹底した調査活動が行えるよう、必要な資料の提出を求めたり、関係者の参考人招致もできるようにしました。調査活動の結果については、委員会の設置後、おおむね6カ月を期限として、政策提言も含めた報告書を国会に提出します。
第2段階では、事故調査委の報告書の提出を受けて両院合同特別調査会が、国会の責任として調査を行います。事故調査委の調査で解明できなかった問題についても、国政調査権を行使して取り組むことができるため、より“深掘り”した調査が可能となります。 一方で、こうした調査活動は時間との闘いです。震災から約5カ月たちましたが、時間が経過すればするほど、関係者の記憶が薄れたり、資料が散逸したりして、調査が難航する恐れがあります。そうした意味からも、調査機関の設置は一刻も早く実現しなければなりません。
公明党は現在、衆院議院運営委員会理事会で、同法案を委員長提案とするよう各党に積極的に働き掛けています。今国会中の法案成立をめざし、全力を挙げていきます。