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すぐ分かる ニュース教室――東日本大震災の復興債

東日本大震災から8カ月余が過ぎ、被災地の復興を本格化させる諸施策を盛り込んだ2011年度第3次補正予算案が今週、ようやく成立の見込みだ。公明党の主張が随所に反映された、復興対策の財源調達の手段である「復興債」について、そのポイントと償還(返済)へ向けた具体的な道筋を解説する。 (2011年11月20日付 公明新聞)

『復興支える財源調達手段』

Q 復興債とは?

A 被災地の復興を進めるための財源調達手段。歳出削減や税外収入の確保に努めた上で、発行する。

 国会で審議が進む第3次補正予算案は、被災地の復興を進める施策のほか、除染や風評被害対策を強化した原発事故対策、農業や漁業に加えて中小企業の支援など多岐にわたる対策が用意されている。

 中でも復興事業の関連では、公明党の提言から(1)自治体の復興計画を後押しする「東日本大震災復興交付金」(2)復旧・復興事業の地方負担分を実質ゼロにする「震災復興特別交付金」(3)原発事故から地域を再生させる「福島県原子力災害対応・復興基金」創設――などが盛り込まれた。

 さらに地域の防災対策の強化を目的とした学校施設の耐震化の推進や、防災機能を強化するための道路や港湾などの公共事業なども盛り込まれている。

 こうした補正予算案の財源は、復興債を発行して調達することになる。

 復興債は東日本大震災復興基本法によって復興の財源調達の手段として位置付けられたもので、復興庁の設置や復興特区の創設と並んで公明党が復興を進めるために提案したものだ。

 復興債は、国の一般会計の赤字を補うために発行される「赤字国債」や、道路や橋、港湾などの建設時に不足する資金を調達するための「建設国債」の仕組みを参考に発行される。

 ただし、復興債は基本法で復興財源の確保を目的として発行されるため、復興債の管理は赤字国債や建設国債から切り離して行われるほか、復興事業は長期にわたる上に大規模となるため、償還の道筋も特別に示すことが定められている。

 復興債の発行額については、今年度からの集中復興期間(5年間)の対策の事業規模として政府が試算した約19兆円を前提として算出される。このうち第1次、第2次補正予算で約6兆円は既に手当てされているため、今後の事業規模は約13兆円となる。

 その財源については、子ども手当の見直し、高速道路無料化の中断などの歳出削減や、政府が保有する日本たばこ産業(JT)株の売却などの税外収入で約5兆円の財源確保に努める。その上で、残る約8兆円に第1次補正予算の財源として流用した基礎年金国庫負担分を補填する約2・5兆円を加えた約10・5兆円の確保が必要となる。

 この約10・5兆円の財源が長期にわたる増税を中心に賄われることになり、その一時的な「つなぎ役」として、復興債が発行されることになる。

『25年間に延ばし、決算剰余金も活用 国民の税負担を軽減』

Q 償還方法は?

A 償還期間は25年。償還には所得税、法人税を引き上げるほか、決算剰余金なども積極的に活用する。

 復興債の償還は、その発行についても規定する財源確保法によって定められる。同法案は現在、国会で審議が進んでおり、今国会で成立する見通しだ。

 償還期間は当初の政府案で10年間と設定されていたが、民主、自民、公明の3党協議で、国民の毎年の税負担を軽減することを目的に25年間に延ばされた。

 償還方法は復興増税として所得税と法人税を引き上げ、復興債の償還に充てる仕組みとなっている。

 所得税については、2013年1月から37年12月までの25年間、所得税額に2・1%を上乗せし、約7・3兆円を確保する。

 増税額の目安は、サラリーマンと専業主婦、子ども2人の世帯の場合、年収400万円で年間900円、年収600万円で同2700円、年収800万円で同7000円などとなる。

 法人税については、11年度の税制改正で予定していた、国と地方を合わせた実効税率の5%引き下げを実施した上で、12年4月に始まる事業年度以降、3年間にわたって法人税額に10%を上乗せし、約2・4兆円を確保する。

 また、今回の大震災は被害が甚大なことから、復興費用がさらに必要となる可能性がある。

 公明党は国民の負担を最小限に抑えるため、復興費用が増大しても新たな財源確保のための増税を行わないよう主張。さらに歳出削減に取り組むことや、税収増で生じる決算剰余金を復興債の償還財源に優先して充てることとともに、民間資金を活用した社会資本整備(PFI)を進めることなどを提案している。政府は、これらの提案を実施する意向を示している。

 一方、震災を契機に行われる全国的な防災・震災対策における地方自治体の負担分については、個人住民税を14年6月から24年5月までの10年間、年間1000円を増額し、約6000億円を確保。同時に、退職金などの退職所得に課せられる個人住民税の10%を控除する規定を13年1月に廃止し、10年間で約2000億円の確保を見込んでいる。