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すぐ分かるニュース教室――改正「育児・介護休業法」

公明党が強力に推進してきた改正「育児・介護休業法」が6月30日に施行された。男女ともに、子育てや介護をしながら働き続けられる社会をめざし、働き方の見直しや父親の育児参加を後押しする内容となっている。改正法のポイントと今後の課題を解説する。 (2010年7月18日付 公明新聞)

『父親の育児参加を後押し』

 主な改正点は?

 短時間勤務や残業免除で働き方の見直しを進めるほか、制度改善で父親の育児休業取得を促す。

 少子高齢化や人口減少が進む中、仕事と出産・子育てや介護との両立支援は、わが国の喫緊の課題となっている。

 改正法では子育てや介護をしながらでも仕事が続けやすいように、短時間勤務制度の導入などで働き方の見直しを進めるとともに、父親が育児休業を取りやすくする制度改善を行った。

【働き方の見直し】

 厚生労働省によれば、働く女性の約7割が第1子の出産を機に離職している。その主な理由は「体力が持たなそうだった」が最も多く、育児休業からの復帰後の働き方の見直しが課題となっていた。

 改正法では、事業主に対して、3歳までの子どもを養育する労働者が希望すれば利用できるように、「短時間勤務制度」の設置と、残業免除の制度化が義務付けられた。

 また、病気やけがをした小学校就学前の子どもを看護するための休暇制度は、これまで子どもの人数にかかわらず年5日だったが、子どもが2人以上なら年10日に拡充された。

【父親の育児参加】

 共働き世帯が勤労者世帯の過半数を占める中、父親の育児参加を促す環境づくりが急がれている。

 改正法では、母親も父親も育児休業を取る場合、取得できる期間を子どもが1歳になるまでの1年から、1歳2カ月になるまでの1年2カ月に延長した。ただし、それぞれの取得期間の上限は1年のまま。

 これにより、例えば母親が育児休業から職場復帰する際の大変な時期に、父親が育児休業を取って子育てをサポートすることができるようになった。

 また、育児休業は1回しか取れないために、父親が出産直後の取得をためらうケースがあったが、これを解消するため、出産後8週間以内に父親が育児休業を取った場合は、もう一度、取得できるようにした。

 さらに、労使協定により専業主婦の夫などを育児休業取得の対象外にできるとの規定を廃止し、すべての父親が育児休業を取得できる環境を整えた。

【介護との両立】

 介護休業は、けがや病気などで介護が必要になった家族1人につき93日まで取ることができるが、要介護状態に至るごとに1回しか取得できない。このため、1日だけ休みたい時などには利用しにくかった。

 このため改正法では、新たに短期の介護休暇制度を創設。対象家族が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日まで、休暇を取得できるようにした。

 ※短時間勤務制度、残業免除、介護休暇については、雇用者が100人以下の事業主は2012年6月末まで適用が猶予される。

『働き方の意識改革が必要』

 今後の課題は?

 育休取得を望む男性は3割超だが、実際は仕事優先。企業、労働者の働き方への意識改革が必要だ。

 いくら良い制度ができても、利用されなければ意味がない。男性が育児休業を取ろうと思っても、職場は「とても言い出せる雰囲気ではない」(30歳代、東京在住)のが現実だ。  実際、育児休業を取らなかった理由に挙げられるのは「職場に迷惑がかかる」が最も多い(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査、08年)。  厚生労働省の2009年度「雇用均等基本調査」によれば、育児休業取得率は女性で85・6%に対し、男性はわずか1・72%。日本人男性が子育てや家事に費やす時間は非常に短く、先進国の中で最低の水準となっている。  しかし、子育てのために育児休業制度や短時間勤務制度を利用したいと思っている男性は、実は3割を超えている(ニッセイ基礎研究所の調査、08年)。子育てしやすい社会の実現に向け、男性の育児休業取得率を向上させるには、企業や労働者の「働き方」に対する意識改革が必要だ。

男性が育児休業を取得すると、仕事上はデメリット(不利益)ばかりだろうか。そうではない。

内閣府の仕事と生活の調和推進ホームページには、「仕事上の育休効果」として「仕事の効率が上がった」「経験をビジネスに活かすことができている」などの体験記が紹介されている。

厚生労働省の「21世紀成年者縦断調査」では、父親が家事・育児に費やす時間が長いほど、次の子どもが産まれる割合が高く(09年調査)、母親が出産後に働き続ける割合も高くなっている(08年調査)。

こうした効果を見ても、男性の積極的な育児休暇取得が求められている。