薬害肝炎救済法 Q&A

◆公明、被害者の願い代弁し実現
 薬害C型肝炎の被害者に給付金を支給する特別措置法が11日、参院本会議で全会一致で可決、成立しました。公明党はいち早く被害者の願いを代弁し、「一律救済」を主張、昨年12月19日には太田昭宏代表が直接、福田康夫首相に決断を迫るなど、法制化を終始リードしてきました。同法のポイントや救済の仕組みなどについて、Q&A形式で解説します。
 (2008年1月14日付 公明新聞)

 法律のポイントは?

 
給付金支給、国の責任を明記
 この法律は、出産や手術の際に肝炎ウイルスに汚染された血液製剤を投与され、C型肝炎に感染した被害者や相続人に対し、症状に応じて給付金を支払うことなどが柱です。

 具体的には、国と製薬会社が拠出する基金を設け、(1)肝硬変、肝がん、死亡の場合は4000万円(2)慢性C型肝炎患者には2000万円(3)未発症の感染者には1200万円――が支払われます。給付金の請求期間は原則、法律の施行から5年間で、受給後10年以内に症状が進行した場合も、医師の診断書を提示すれば、追加金の支給を受けられます。給付金に要する費用は、いったん全額を国が負担し、製薬会社にも応分の負担を求めます。

 また、薬害肝炎訴訟の原告らが強く求めていた、国の責任については法律の前文で、「政府は、感染被害者の方々に甚大な被害が生じ、その被害拡大を防止し得なかったことについての責任を認め」「心からおわびすべきである」と明記しています。


 救済の対象と仕組みは?

 特定血液製剤 投与を裁判所が認定
 この法律で救済の対象となるのは、「フィブリノゲン製剤」4種と、「第九因子製剤」4種の計8種の血液製剤のいずれかを投与されたことによって、C型肝炎ウイルスに感染した被害者、または相続人です。投与の時期に関係なく給付金が支払われます。この中には、過去の治療で治癒した人も含みます。製剤投与の事実や因果関係の有無、症状といった被害者認定は、カルテなどの証拠を基に裁判所が行います。給付金を受給するためには、まず、裁判所に訴えの提起(国家賠償請求訴訟)をし、裁判所の判断を仰ぎます【図参照】。





 フィブリノゲン製剤などが納入された約7000の医療機関については、1月17日に新聞の折り込み広告に掲載される予定です。該当する医療機関は、情報を確認するための問い合わせについて丁寧に応対するよう、厚生労働省から文書で協力依頼が出ています。


 被害者の特定はどうなる?

 カルテ以外の証拠も検討

 今回の法律で救済される被害者は、同訴訟の原告団を含め、1000人程度といわれています。カルテなどが不明で投与が証明できないC型肝炎の薬害被害者はじめ、血友病など先天性疾患で原告団と同じ製剤を投与された患者も、残念ながら今回の対象には含まれません。

 そこで公明党は、この法案を審議した衆院・参院の厚生労働委員会で、被害者の特定に当たっては、患者の立場に立った丁寧な対応を政府に要請しました。これに対し、厚労省側は「カルテがないからといって、給付金を受けられないわけではない」「先天性患者への支援にも、きちんと対応したい」などの方針を示しました。

 このほか法律には(1)5年間とする給付金の請求期間の延長を、必要に応じ検討する(2)今回は対象とならない製剤を投与され、感染した疑いのある人に対する検査受診を促すための措置を早急に行う――などとする決議が付けられています。


 全肝炎患者への対応は?

 インターフェロン治療費助成など総合対策を

 C型肝炎にはインターフェロンによる治療が有効とされています。しかし、この薬は治療費が月7、8万円と高額で、治療を断念する患者が多く、このため、自民、公明の与党は肝炎の総合対策として、インターフェロン治療の自己負担額を患者の所得に応じて1万、3万、5万円とし、残りを公費助成するなどの対策を打ち出しました。

 さらに来年度の予算政府案で、肝炎対策として207億円を計上。前年度よりも132億円増額し、この予算措置の中心はインターフェロン治療費の公費助成です。

 また与党では、予防から治療、新薬の研究・開発などといった肝炎の総合対策を盛り込んだ、肝炎対策基本法案を衆院に提出しています。民主党も対案を参院に提出しており、現在、与野党で法案合意に向けた協議を続けています。

 基本法が制定されることで、国内に350万人いるとされるB型、C型肝炎患者への支援が、大きく前進します。