国民投票法案 Q&A

 憲法改正の手続きを定める国民投票法案(与党修正案)が13日の衆院本会議で自民、公明の与党両党の賛成多数で可決、参院に送付されました。国民投票法案はどんな内容で、なぜ必要なのかなどをQ&Aでまとめました。
 (2007年4月16日付 公明新聞)


 国民投票法案の内容は?

 
国民の権利行使のルール定める
 国民投票法は、憲法を制定した時に本来、作っておくべき法律でした。なぜならば、憲法第96条には国民が憲法を改正できることが示されていながら、具体的な手続きの内容については書かれていないからです。

 憲法改正は主権者である国民が持っている大切な権利です。その権利を行使する手立てが国民投票法なのですが、それがないということは、国民が権利を行使できない不自然な状況が続いていることになります。

 国民投票法案には、(1)投票年齢は18歳以上(当面は20歳)(2)投票は個別の項目ごと(3)投票用紙には賛成、反対を○で囲むか二重線などで消す――といった具体的な投票方法や手順を明記しています。






 なぜ成立を急ぐのか?

 7年越しの議論に結論を出す段階に
 成立を急いでいるわけではありません。憲法については、国会の場で7年越しに論議され、国民投票法案についても、この1年半の間、衆院憲法調査特別委員会で約100時間にも及ぶ審議を行ってきました。

 昨年5月には、自民、公明の与党案と民主党案が提出され、同12月には修正項目について合意。さらに、先月提出された与党修正案によって、両案は「ほとんど違いはない」(読売新聞)ところまでまとめられ、「国民投票法案の衆院可決は当然」(日本経済新聞)だったのです。

 衆院での採決段階で民主党は、それまでの態度をかなぐり捨て与党案に反対しましたが、参院選向け対決ポーズでしかなく、「党利党略が過ぎる」(読売新聞)などと手厳しく批判されています。

 共産、社民両党は、採決は拙速と批判していますが、そもそも法を制定することに反対しており、単なる引き延ばしにすぎません。


 反対の声が強いのでは?

 「約7割が必要」との世論調査も

 マスコミの世論調査では、国民投票法を作ることについて、68%の国民が「必要」(朝日新聞3月調査)と答え、7割近くが法整備に賛成しています。一方、「必要ない」との反対は、19%にとどまっています。

 また、国民投票法案を今国会で成立させることについても、「賛成」が48%と半数近くを占め、反対の32%を上回っています。

 こうした調査結果を見ると、国民世論は国民投票法の必要性を認めており、今国会での成立についても、一定の理解が得られています。


 9条改憲につながる?

 改正ルールづくりと9条改憲は別問題

 それは間違った言い方です。共産党などは、国民投票法ができると、すぐにでも憲法9条を捨ててしまうかのような“決めつけ”をして、国民の不安をあおっていますが、共産党お得意の“デマ宣伝”にすぎません。

 あくまでも中立的な「ルール」を整備する国民投票法と、9条を含む憲法改正は全く別の問題です。

 公明党は国民投票法案には賛成ですが、平和主義をうたった憲法9条は1項(戦争放棄)、2項(戦力不保持)とも堅持する姿勢を貫いています。しかも、世論調査では多くの国民が憲法9条を支持しています。その世論に逆行して、9条の改悪を発議し、国民投票にかけて過半数の賛成を得ることなど、到底難しいことなのです。


 公務員の運動は禁止?

 賛否の意見表明や勧誘などが可能

 公務員や教師が、憲法改正に賛成、反対の意見を表明したり、勧誘したりすることはできます。運動が禁止されているのは、選挙管理委員会職員など、ごく一部に限られます。

 ただし、公務員や教師は、その地位を利用した国民投票運動については、罰則は設けられませんが、禁止されます。

 例えば、教師が学生に対して成績をたてにして賛否の投票を強要するようなことは許されません。


 最低投票率が必要では?

 ボイコット運動など制度歪める恐れ

 最低投票率とは、投票率が一定の基準(例えば40%)を超えないときに、投票そのものを無効とするものです。与党案にも民主党案にも、この規定はありません。

 最低投票率の規定がないと、かりに投票率が40%だった場合、全有権者の20%程度の賛成で憲法が改正されてしまうとの指摘があります。ただ、その規定の有無に限らず、憲法改正という国民にとって最重要の問題について、投票率が低いことがないようにするのは当たり前のことです。

 しかし、最低投票率を定めた場合、投票者への棄権を呼び掛ける「ボイコット運動」を招く恐れもあります。実際、最低投票率を導入した自治体の住民投票では、多数の支持を得るための活発な議論が置き去りにされ、棄権を呼び掛ける運動が起きた例もありました。

憲法第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。(2項は略)