年金Q&A 対話のポイント

 公明党は国民が深い関心を寄せる年金制度について、少子高齢化にも揺るがない抜本改正を2004年に実現したのに続き、社会保険庁の廃止・解体や被用者年金の一元化など、かつてない大改革を前進させています。年金改革に関する対話のポイントをQ&A形式でまとめました。
 (2007年5月22日付 公明新聞)


◆公的年金制度は揺るがず

 年金は本当に大丈夫?

 
心配いりません。現状は「100年安心プラン」(04年改正)の財政見通しを上回り、積立金を積み増しています。
 厚金財政の現状は、景気回復を背景として04年改正時の財政見通しを上回っており、年金支給は全く心配いりません。05年度は、厚生年金、国民年金ともに収支が赤字で合計で3・8兆円の積立金を取り崩す見通しでしたが、結果は逆に2・1兆円を積み増し、積立金は150兆円を突破しました。

 昨年12月に発表された新人口推計で、将来の出生率の予測が下方修正(およそ50年後の出生率が1・39から1・26へ)されたことを受けて、「100年安心プランは大丈夫か」との報道がありました。

 しかし、出生率の前提が下がっても、最近の景気回復の動向を経済前提に反映させると、給付水準は同安心プランよりもむしろ上がると試算されています。

 <グラフ>は新人口推計に基づき、かつ最近の経済動向を踏まえて、65歳の受給開始時の厚生年金額を(06年度の)年齢別に試算したものです。基本的に04年改正時の同安心プランより年金額が増加しています。

 例えば同安心プランでは、およそ20歳の人が65歳時点で受け取る年金額は31万円程度と試算されていましたが、37万円程度に上がる計算です。

 年金財政に影響を与える要因は出生率以外に数多くあり、その善しあしは総合的な判断が必要です。






◆社会保険庁は廃止・解体

 社会保険庁の改革は?

 政府・与党は社会保険庁を廃止・解体6分割し、新組織は非公務員化します。これにより、国民の信頼を取り戻します。
 現在、国会で審議されている政府・与党案は、不祥事で批判の強い社会保険庁を廃止・解体6分割<イラスト参照>し、公的年金に対する国民の信頼を取り戻すためのものです。





 改革の焦点は、内向き、閉鎖的、非効率的な組織体質の一掃にあります。このため政府・与党案は、保険料の徴収や年金給付、記録管理などの中核業務を引き継ぐ新法人・日本年金機構を非公務員化します。

 非公務員化により、(1)能力と実績に基づく人事管理(2)柔軟な職員採用(3)メリハリの利いた民間的な給与体系――などが可能になります。

 新法人は社会保険庁の職員を自動的に引き継ぐのではなく、第3者機関の審査に基づく募集・採用により、文字通り新たな組織として生まれ変わります。

 社保庁自身による内部改革には限界があります。このため坂口力厚労相(公明党、当時)は04年7月、社保庁長官に初めて民間出身者を起用し、民間に準拠した組織づくりへ突破口を開きました。

 その後も公明党は国民の信頼を回復できる、真の解体的出直しを実現するため、与党主導で今回の改革案をまとめました。



◆民主党案は「公務員温存」「看板の掛け替え」

 民主党案の問題点は?

 社会保険庁と国税庁を統合して歳入庁を設置する民主党案は、公務員組織を焼け太りさせるだけで何の解決にもなりません。

 民主党案は一言で言えば、社会保険庁の“公務員温存”案です。

 従って、国民から厳しい批判を浴びている組織体質の改革や事業の効率化は期待できません。マスコミからも「職員全体の体質改善につながるかどうかは不透明」(読売)と指摘されている通りです。

 国民年金の第一号被保険者(自営業者など)は約2200万人なのに対し、このうち、所得税の申告納税者は約350万人。つまり、社保庁と国税庁とでは徴収の対象も性格も大きく異なります。国民年金保険料の未納額は最高でも2年分約30万円。こうした少額多数の徴収を国税庁が担当して何のメリットがあるでしょうか。国税庁と統合したからと言って、国民年金保険料の納付率向上と徴収コストの削減が進むわけではありません。

 国税庁との統合による歳入庁の設置はむしろ、公務員組織の“焼け太り”であり、“看板の掛け替え”にすぎません。



 官民格差は解消される?

 公務員らが加入する共済年金と民間サラリーマンの厚生年金との格差(官民格差)は、2010年度に共済年金を廃止し、厚生年金に統合する形で解消します。

 厚生年金と共済年金の一元化は、その方針が1984年に閣議決定されながら実現しなかった20年来の懸案です。公明党はこの懸案の解決をマニフェスト(政策綱領)に掲げ、決着をつけました。

 具体的には、共済年金を2010年度に廃止し、厚生年金に統合。公務員らはサラリーマンと同様、厚生年金に加入し、同じ給与であれば同一保険料・同一給付が実現します。官民格差の象徴とされた共済年金の職域加算(3階部分)は同年度に廃止。公務員OBの年金は最大で10%削減されます。

 また、共済年金にしかない遺族年金の転給制度を廃止するなど、制度的な違いは基本的に厚生年金にそろえて解消します。

 そのための関連法案を今国会に提出しています。