厚生と共済の被用者年金一元化 Q&A

20年来の懸案に決着
公明、マニフェストに掲げ推進

 政府は4月28日、厚生、共済の被用者年金一元化に関する基本方針を閣議決定した。被用者年金の一元化は、1984年に方向性が示されながら、今日まで実現しなかった20年来の懸案事項。基本方針によって、一元化への具体的な道筋が示されたことは、「画期的」(神崎武法代表)な成果と言える。公明党は被用者年金の一元化をマニフェスト(政策綱領)に掲げ、官民格差の是正に全力で取り組んできた。一元化の基本方針をQ&A形式で解説する。
                       (2006年5月15日付 公明新聞から)

 問い 一元化の狙いは

 
官民格差を是正。年金の信頼高める

被用者年金一元化の最大のポイントは、負担(保険料)と給付(年金額)の官民格差を是正した点にある。

 基本方針は、民間サラリーマンであれ、公務員であれ、将来に向けて、同じ給与であれば同じ保険料を負担し、同じ公的年金給付を受けるという公平性を確保した。

 また、民間サラリーマンにとっても、公務員にとっても、一元化によって財政単位が拡大することで制度の安定性がより高まるメリットがある。


 問い 具体的な内容は

 
保険料率は18年に統一

 現状は<図1>のように、サラリーマンが加入する厚生年金と公務員らが加入する共済年金とでは、共通する給付(1、2階部分)にかかる保険料率に大きな格差が存在する。共済年金は厚生年金に比べて少ない保険料で厚生年金と同等の年金がもらえる形だ。


 基本方針ではこれを改め、公務員共済は2018年に厚生年金の保険料率(上限の18・3%)に統一する。具体的な手順は、国共済(国家公務員共済)と地共済(地方公務員共済)の保険料率が統一される09年の翌10年から、直ちに厚生年金との料率の統一に向け、公務員共済の保険料率を毎年0・354%ずつ引き上げる。

 国共済の制度に準じている民間の私学共済(私立学校教職員共済)も、段階的に料率を引き上げ、27年に厚生年金の料率に統一される。

 次に共済年金の積立金は、厚生年金の積立金の水準(支出の何年分かに相当)に見合った額を仕分け、これを厚生年金の積立金とともに被用者年金制度の共通財源とする。

 共通財源とした積立金は一元的に管理し、運用ルールを統一する。


 問い 共済優遇はどうなる

 
「職域加算」は10年に廃止/追加費用は削減
 
 共済年金には<図2>のように、独自の上乗せ給付で、3階部分に相当する「職域加算」が存在する。2階の報酬比例部分の2割が原則で平均的には月2万円程度、上乗せされている。

 基本方針では、公的年金制度としての職域加算を10年に廃止し、給付面での官民格差を是正する。ただ、民間の企業年金に準拠した、新たな公務員制度としての仕組みを設ける。

 かつての恩給期間にかかる給付の財源に投入されている追加費用(国と地方で年間約1兆7000億円)は、国民負担を抑制する観点から一定程度削減する。

 追加費用の削減は、公務員OBが受け取っている年金のうち、恩給期間相当分を一律27%減額することによって行う。

 ただし、憲法に保障された財産権に配慮し、減額は全体の年金額の10%を上限とする。また、受給者の生活の安定を確保する観点から、年250万円以下の給付は減額の対象外とした。


 問い 制度の違いの整理は

 
遺族年金の転給制度は廃止

 共済年金のみにある遺族年金の転給制度は廃止する。例えば、遺族年金を受給していた配偶者が再婚した場合、厚生年金ではそこで支給が打ち切られるが、共済年金では母親などに支給が引き継がれる特典があった。

 また、厚生年金にあわせ、共済年金に被保険者資格の年齢制限と障害年金の給付に当たっての保険料納付要件を設ける。

 さらに、60歳代前半の退職した公務員が民間企業に再就職して厚生年金の被保険者となった場合、賃金と年金の合計が「月48万円まで」は年金が全額支給されているが、この基準を改め、同年齢のサラリーマンが再就職した場合と同様「月28万円まで」に統一する。