消費税論議と公明党
今回の参院選挙は、政権交代後、約10カ月がたった民主党政権に対し、審判を下す選挙であり、国民生活、日本の将来を決める重要な選挙です。
中でも、財政再建が、大きなテーマの一つになっています。
(2010年6月22日付 公明新聞)
『財政再建についての公明党の考え方』
財政再建は非常に重要な問題です。国と地方を合わせた借金の総額は900兆円近くに上り、民主党政権による今年度の予算編成では、国債発行額が過去最大の44兆円超にまで膨らんでいます。
公明党は財政再建について、与党時代、そして現在もしっかりとした目標と道筋を示してきました。
【財政再建は、「経済成長」と「歳出削減」で】
財政の立て直しは消費税増税ではなく、成長戦略による経済成長に伴う税収増と、税金のムダ遣いをなくす歳出削減で行う。これが公明党の基本的な考え方です。
具体的には、日本の得意分野である環境や、成長の可能性の高い農業や福祉などの分野を国が力強く後押しする。そうすれば企業などの業績が伸び、雇用が生まれ家計も潤う。結果として税収が増えていきます。そういった努力を最優先にすべきです。
同時に、民主党政権の不十分な事業仕分けでは表になっていない不必要な事業もたくさん残っています。さらに現政権が「やる」と言ってやらない、天下りの根絶、独立行政法人制度の抜本改革、国の出先機関の廃止・縮小など、徹底的に税金のムダ遣いをなくすべきです。
【当面はデフレの克服など、景気回復に全力】
当面は、デフレを克服して、景気を回復することが大事です。
日本経済は最悪期を脱した感はあるものの、庶民の暮らしに目を向ければ、「仕事がない」「生活が大変だ」との悲鳴が上がっています。その途上にあって、増税を言うこと自体、景気に冷や水を浴びせることになります。
【財政再建のための消費税増税には、「断固反対」】
「借金が多いから消費税を引き上げた方がいい」という乱暴な意見もありますが、それは全くの間違いです。財政再建イコール消費税増税という議論は、国民の皆さまに借金のツケをいきなり回そうとするものであり、到底認めるわけにはいきません。公明党は、財政再建のための消費税増税には、断固反対です。
『消費税についての公明党の見解』
公明党は、年金・医療・介護、子育て支援など、社会保障をより充実させるための安定的な財源として、消費税を含めた税制の抜本改革の必要性はあるとの立場です。したがって、まずは社会保障のあるべき姿についての議論を先に行うべきであり、そのための「与野党の協議機関」こそ、最初に立ち上げるべきだと提案をしています。
その順番を全く無視し、まず「増税ありき」が菅直人首相の唐突な「消費税10%」に象徴されています。
【消費税の使途は社会保障に限定。低所得者への配慮も】
公明党は消費税収の使途については、社会保障給付や子育て支援のための費用に限定すると主張しています。また、消費税率の見直しを行うときは、複数税率や、減税と低所得者への給付を組み合わせた「給付つき税額控除制度」など、低所得者対策への配慮措置が必要であるとマニフェストにも掲げています。
さらに、税制の抜本改革にあたっては、所得課税、法人課税、消費課税、資産課税等を含め税制全般について、一体的に改革することを主張しています。
『民主党マニフェストの矛盾』
もともと、民主党は、昨年の衆院選マニフェストで、予算の組み替えやムダ削減でマニフェスト実現のための財源を捻出できると豪語していました。また、国会でも「消費税については4年間引き上げない」と断言していました。ところが「消費税10%」発言の際にも菅首相からは、これまでの民主党の主張と矛盾することを言い出したことに対し、何ら説明もありませんでした。あまりにも不誠実な対応であり、国民への約束破りと言えます。
消費税が5%引き上げられると家族4人の勤労者世帯で年間16・5万円も負担増になります【表参照】。なのに、「なぜ10%なのか」という引き上げ幅の根拠すらはっきりしません。
※単位:万円。有業世帯主・専業主婦・子ども2人の4人
※総務省「家計調査」を基に第一生命経済研究所作成
唯一、示したのは野党である「自民党の案を参考に」ということですから、国の最高責任者として情けない限りです。年金・医療・介護、子育て支援等の社会保障ビジョンを示さないで、消費税率の引き上げだけを言うのはあまりにも無責任です。
そのことが、いかに国民生活や中小企業に大きな影響を与えるかを考えれば、そんな無責任な発言は出てこないはずです。視線が国民生活に向いていない証拠です。
私たち公明党は参院選での論戦を通じて、この点を徹底的に追及してまいります。