わかる経済Q&A――経済成長なくして財政再建なし。消費増税より景気回復
社会保障の将来像提示が先
公明、成長戦略を公約の柱に
菅直人首相の「消費税10%」公約が参院選の争点に浮上しています。そこで、財政健全化と消費税に対する公明党の考え方や、財政破たんの危機に陥ったギリシャと日本の違いなどについて解説します。
(2010年6月28日付 公明新聞)
『民主は公約違反を謝罪せよ』
Q 消費税をめぐる与野党の論戦が激しくなってきました。
A 発端は菅直人首相が突如、「消費税10%」への引き上げを公約したことです。
そもそも、民主党はマニフェストに必要な施策の財源について、総予算の組み替えやムダ削減でねん出できるとし、「4年間は消費税増税の必要はない」と豪語してきました。
ところが、ムダ削減への取り組みは不発に終わり、結局、2010年度予算では、新規国債発行額が過去最悪の44兆円超に達し、国家財政を借金漬けにしました。
自らの失政を棚上げしたまま、消費税引き上げを表明するのは、「国民に対する裏切り行為」(公明党の山口那津男代表)にほかなりません。まず菅首相は、公約破りを国民に謝罪すべきです。
Q 景気への影響も心配です。
A 自公政権が実施した経済対策の効果で景気後退の最悪期を脱したとはいえ、雇用情勢はいまだ深刻です。こんな時に、消費税の議論をすること自体、景気に冷や水を浴びせかねません。
第一生命経済研究所の試算では、消費税が10%に引き上げられた場合、標準的な4人家族世帯で年16・5万円の負担増になります。
1997年に橋本政権が消費税を3%から5%に引き上げた際も、個人消費を冷え込ませ、日本経済を不況に追い込んでしまいました。
Q 財政健全化に向けた取り組みも大事では。
A その通りです。
今や日本の国と地方を合わせた借金(国債などの長期債務残高)は、2010年度末で862兆円程度に上る見通しで、GDP(国内総生産)比1・8倍と先進国では最悪の水準に達します【グラフ参照】。
ですから、公明党は与党時代から税金のムダ遣い一掃、歳出改革を推進してきました。「事業仕分け」を真っ先に国政で取り上げたのも公明党です。
Q 税収の確保、歳入面については。
A 財政を立て直すには、デフレ(物価の継続的な下落)からの脱却と経済成長に伴う税収増こそ重要だと考えます。
“景気回復なくして財政再建なし”です。
世界各国を見ても歳出改革とともに、景気回復に伴う税収増が財政健全化に大きく貢献しています。
例えば、90年代の米国では、92年度に財政赤字が最も膨らんだものの、IT(情報技術)産業の活性化で景気が拡大し、2000年度には最大の黒字を計上。1997年に発足した英国のブレア政権は、規制緩和などで経済の国際競争力を高めて景気回復を促し、税収増で98年度に財政収支を黒字に転換させています。
日本でも、80年代後半から90年の間は、好景気で基礎的財政収支(プライマリーバランス=国債などの借入金を除いた歳入と、その元利払いを除いた歳出の差)は黒字でした。
『社会保障の充実で内需振興』
Q 公明党の経済成長戦略は。
A 公明党は参院選マニフェストの柱の一つに「景気対策・成長戦略」を位置付けました。
目標として、デフレから脱却し、3年をめどに実質2%程度、名目3~4%程度の経済成長の達成を掲げ、具体的な施策を盛り込んでいます。
また、中期的には福祉や社会保障の充実による経済成長を掲げた点が特徴です。例えば、需要が高い医療や介護分野の雇用を拡大し、内需を振興していきます。