
基礎年金番号に統合されていない約5000万件の“宙に浮いた年金記録”などの問題で、解明作業の進捗状況や公明党の対応などについて、福島豊・党社会保障制度調査会長(衆院議員)に聞きました。
『社保庁職員の不正には厳しく対処』
――未統合の年金記録5095万件の3月末までの解明状況は。
福島 昨年7月の政府与党の方針に基づいて、コンピューター上の基礎年金番号と突き合わせる「名寄せ」作業を進めてきた結果、約6割の3070万件の記録が基本的に解明されました。
既に統合されているなど決着済みの記録は1898万件あり、その残りの1172万件については、持ち主である可能性の高いご本人に確認・訂正の手続きをとっていただくため、3月末までに「ねんきん特別便」を予定通り発送し終えたところです。
――一方、持ち主不明の記録は2025万件ありました。
福島 長年のずさんな事務処理が、これだけ膨大な未解明の記録になったことを思うと、社会保険庁の責任の重さ、またそれを放置してきた政治の責任を痛感します。
この2025万件は、結婚で名字が変わった人の記録や社会保険庁の転記ミス、漢字カナ変換の入力ミスで宙に浮いてしまった記録などと推定されており、今後は、住民基本台帳ネットワークによる調査で死亡者の記録を特定したり、転記ミスなどを補正して照合し直すなど、解明作業を継続していきます。
また、ねんきん特別便については、社保庁が把握している加入記録に漏れや誤りがないかをすべての人に確認していただくため、残りの年金受給者には4〜5月に、現役加入者には6〜10月に順次送付します。回答用紙には旧姓の記入欄を新たに設け、未統合記録の解明に活用していきます。
――3月までの政府の対応を振り返って、いかがですか。
福島 ねんきん特別便が分かりにくい、相談窓口の対応が悪い、なかなか訂正が進まないなど、さまざまな課題は残っていますが、約6割の記録について解明できたことは評価すべきと思います。
その上で、社保庁には本当に国民の目線に立った対応ができるよう、変わってもらわなければならないと痛感します。
公明党はこれまで、特別便が分かりづらいというご指摘を受けて「確認のポイント」を説明する注意喚起の資料を同封させたり、「訂正なし」と回答された方でも記録に結びつく可能性の高い方には、電話や訪問で直接説明して入念な照会を行うよう要求、相談体制や年金記録確認第三者委員会の審査チームを増強させるなど、折々に改善策を講じてきました。今後もしっかり監視し、指導していきます。
――記録問題で混乱を招いた関係者の責任追及は行われたのですか。
福島 社保庁の職員やOB幹部は、昨年夏に賞与の全額または一部を自主返納(OBは寄付)しています。また、検証委員会の最終報告書の指摘を受け、統括者である厚生労働相や厚労副大臣、事務次官、社保庁長官などは俸給の一部を国庫に返納しています。
社保庁職員が無許可で労働組合活動に専従する違法な「ヤミ専従」を行っていた問題や、本当に消えている年金記録の実態も明らかにされてきていますが、社保庁職員による年金横領など不正な事案には厳しく対処しなければなりません。
また、社保庁廃止後の2010年に年金業務を受け継ぐ「日本年金機構」の発足にあたっても、そうした問題の職員の採用について厳正な対応が必要だと考えています。
――未統合の記録は、最後の一人まで解明されるのですか。
福島 会社が脱税のために、実在しない従業員を雇ったように架空の記録を作っていた事例もあるとされています。こうした“持ち主自体が存在しない記録”がどの程度あるのかも不明ですが、最後の一人まで年金記録を回復するという決意で最大の努力を傾注する必要があると考えています。
(2008年4月16日付 公明新聞)