現場の視点で教育改革 公明党が緊急提言――浜四津敏子 党教育改革推進本部長に聞く


レスキュー隊設置など具体策
格差、親の問題や、いじめ、不登校の解決めざす
国民運動として幅広く展開へ
 公明党の教育改革推進本部(本部長=浜四津敏子代表代行)は6日、いじめや不登校対策などを柱とする「緊急提言・現場からの教育改革」を発表しました。提言の背景やポイントを浜四津本部長に聞きました。


―――『現場からの教育改革』とは。

浜四津本部長 「教育改革」「教育再生」といっても、現場が直面している課題は、さまざまです。中長期的に取り組むべき課題もありますが、今、最も悩み、悲鳴のような叫びを発している子どもたちや保護者、教員の方々への支援は待ったなしの課題です。その意味で、「現場から」「子どもの幸せのため」との視点で、緊急に取り組むべき課題について、具体的な提言を取りまとめ、発表しました。


――なぜ、今、発表したのですか。

浜四津 昨年、いじめやいじめ自殺、未履修問題などの問題が明らかになり、多くの方々が、教育や子どもの未来に対する不安を強くされています。また、今年1月には、政府の教育再生会議の第1次報告書が発表され、政府による関連法の改正も議論されています。このような中で、「現場の視点」を国や地方自治体の施策に反映させるために、提言を発表しました。

 党の教育改革推進本部として、教員や保護者、子どもたちとの懇談や先進的な自治体、学校の視察を精力的に行いました。その中で、最も要望が多く、緊急の課題として集約したのが「いじめ、不登校、親、格差」の四つです。


――いじめ対策で特に訴えることは何ですか。

浜四津 まずは、「いじめレスキュー隊」の設置です。川崎市や兵庫県川西市では、子どもたちの問題を解決するための第三者機関として「オンブズパーソン」を設置して、成果を挙げています。学校の中だけ、また学校と教育委員会、保護者だけで、いじめの解決に努力しても、関係者にしこりが残り、なかなか思うような解決に至らないのも現実です。そこで「いじめられた」「いじめに気づいた」時に、誰でも安心して相談でき、公平に当事者の話を聞いた上で、最後まで子どもに寄り添って問題解決に力を発揮する「第三者」が必要と考え、レスキュー隊設置を提案しました。

 また、深刻ないじめに発展する前には、必ず何らかのサインがあります。何がそのサインに当たるのか総点検し、多くの人に知ってもらうことが、いじめの早期発見、未然防止につながります。また、教員が子どもに向き合う時間を確保するため、ボランティアや事務職の増員で教員の事務も減らしていきます。


――不登校問題では。

浜四津 不登校の原因は、いじめや授業についていけない、友達がいないなどさまざまで、きめ細かい支援が必要です。滋賀県では、教職をめざす大学生を学校に派遣するメンタルフレンド制度を実施しています。学生ボランティアによる「気軽に何でも相談できる」お兄さん、お姉さんの存在は、子どもたちの心の拠りどころとなり、また、教員と子どもを結ぶ懸け橋として不登校の防止に役立っています。ぜひ、全国的に広めていくべきです。また、授業に苦手意識のある子どもに対しては、放課後子ども教室や土曜スクールでの1対1の学習指導などを進めていきます。


――親教育では。

浜四津 カナダでは、「親教育プログラム」が大きな効果を挙げています。これは、子育て真っ最中の「パパ・ママ」が集まって、日常の具体的な悩み、課題を相談したり、また専門家から助言を受けたりする中で、「親としてどうすればいいか」を身に付けていくものです。日本でも核家族化や、地域関係の希薄化を背景に、多くの保護者が「子どもにどう接すればいいか分からない」「相談できるところがない」などの不安を抱いておられます。この「親教育プログラム」を普及させたいと思います。

 「格差」では、教育機会均等のために公教育の充実、教育費の負担軽減に取り組みます。


――今後の取り組みは。

浜四津 提言の実現に向け、地方議員と国会議員が一体となって、国や地方議会での提言、運動を進めていくとともに、NPO(民間非営利団体)など民間の取り組みの応援や、党員さんとも連携し、国民運動として広がりのある取り組みをしていきます。


――政府も教育再生の議論を進めています。その取り組みとの関係は。

浜四津 「現場からの教育改革」は、「現場第一主義」に徹してきた公明党だからこそできる改革です。先日、私たちの教育提言を政府に申し入れました。官房長官は、「この提言を大いに参考にするよう教育再生会議や安倍晋三首相に話す」と言っていました。しっかりと提言の内容を今後の施策や法改正に反映させていきます。


(2007年3月13日付 公明新聞)