
人件費を除く全支出の領収書公開などを柱とする改正政治資金規正法(政規法)が21日に成立しました。そこで改正法のポイント、連立政権合意から与野党合意までの経緯、公明党の取り組みなどについて、東順治副代表(党政治改革本部長)に聞きました。
――改正法の柱は。
東 最も大きいのは、人件費を除く政治資金支出の領収書の公開基準を従来の5万円以上から「全ての支出」としたことです。対象団体も、国会議員や候補者個人の“政治活動の財布”である資金管理団体だけでなく、選挙区支部などその議員や候補者が関係する政治団体にも拡大しました。一部の国会議員の政治団体の不適切な事務所費計上や巨額な不動産取得など「政治とカネ」の問題への国民からの批判、疑念を受け、国会議員の関係政治団体にも法の網を広げました。
――支出を厳格にチェックする体制も新設されることになりましたが。
東 具体的にはまず、総務省内に創設する「政治資金適正化委員会」で、外部の有識者が政治資金収支報告書の記載の基本方針や監査のためのルールづくりを行います。
その上で、公認会計士、税理士、弁護士を「登録政治資金監査人」として登録。対象の政治団体は収支報告書を提出する前、監査人に収支報告書と領収書の記載が適正かどうかのチェックを受けなければなりません。監査人には罰則規定も設けられ、不正行為を防ぎます。
こうした仕組みや政治資金の情報公開業務など行政にかかるコスト(経費)の肥大化に配慮しつつ、第三者によるチェック体制をつくることができたことは画期的で、政治資金の透明度を格段に向上させることができます。
このほか、収支報告書を閲覧する際にコピーしたり、インターネット上での印刷も可能となるなど、情報公開の利便性が飛躍的に高まりました。
――自民党との協議では、公明党のリードぶりがマスコミでも報じられました。
東 福田内閣発足にあたり連立政権合意に、公明党が強く主張した「1円以上の全ての支出に領収書等添付を義務付け」が盛り込まれました。これを受け、与党のプロジェクトチームで、具体的な法改正に向けた議論が本格化しました。
最初の難関は、一番の急所≠ナある「全支出の領収書公開」を自民党が認めるかどうかでした。「政治活動の自由を縛る」「事務が煩雑になる」など難色を示す自民党と何度も協議を重ねました。実務者間で1日5時間近く“缶詰め状態”で議論したこともありましたが、最終的に自民党は「全ての支出の領収書を公開する」ことに合意。新聞各紙も「自民、公明案丸のみ」(産経)、「渋る自民党を説き伏せ」(毎日)、「『直言路線』譲らぬ公明」(朝日)などと報道されました。
――与野党協議における公明党の役割は。
東 衆院と参院のねじれ状況で、第1党の自民党、第2党の民主党が激しく対立し、こう着状態が続く中、次の難関は与野党6党が協議するテーブルをつくることでした。私たちは「法改正ができるのであれば、下働きでも何でもやろう」との思いで、開催を働き掛け、11月1日、政治資金問題に関する与野党6党協議へとつながったのです。
6党協議では、わが党が論点メモや各党の意見の違いが分かる一覧表を作成したり、自民、民主両党と精力的に折衝を重ねるなど、各党の“橋渡し役”を担いつつ、合意形成の“けん引役”として、意見集約の促進に力を注ぎました。こうして与党協議を含め、都合17回の政党間協議の末、共産党を除く与野党5党で全支出の領収書公開を柱とする法改正で合意することができたのです。
このことは、NHK番組の解説でもイラスト入りで“行政コストをめぐり難色を示す自民党を公明が説得。民主党も与党案をかなりの部分を受け入れた”などと報じられました。
――今後の取り組みは。
東 対象団体のさらなる拡大については、改正法施行後、3年をめどに見直しを検討します。また、政党交付金の支出公表の在り方など、今後も国民の要望に応えるべく議論を進めていきます。
(2007年12月27日付 公明新聞)