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地方議会改革をリードする公明党。提言を発表――井上幹事長、中島地方議会改革PT座長に聞く

地域主権の確立に挑戦
住民の立場で、議会自ら改革めざす

公明党は12日、「公明党のめざす地方議会改革への提言――地域主権の確立のために」を発表しました。井上義久幹事長と、取りまとめに当たった地方議会改革プロジェクトチーム(PT)の中島義雄座長(都議)に、同提言の意義や内容について聞くとともに、各地の先進事例を紹介します。
(2011年1月16日付公明新聞)

◎各議会で「基本条例」を制定
◎原則「通年議会」で権能強化
◎情報公開で「見える化」推進
◎住民参加へ「出前議会」など
◎議員定数・報酬などを適正化

――なぜ今、地方議会改革なのですか。

井上 一部の自治体で知事、市長など首長と議会が激しく対立し紛糾する事態が生じていることなどを受け、現在、地方議会や地方議員の在り方に対し、さまざまな問題提起がなされています。具体的には、「『総与党化』し、行政を監視する機能を十分に果たしていない」「議員の仕事ぶりが見えにくい」「議員定数や報酬を削減すべきではないか」などの指摘です。

 公明党は地方に基盤を持ち、「地域のことは地域の住民で決めていく」という「地域主権」の確立を推進し、改革に挑戦してきた政党として、そうした問題提起をしっかりと受け止め、住民の立場に立ち、「住民自治」を強化する観点から地方議会の改革をリードしていこうと、今回の提言を取りまとめました。

中島 提言は、全国の都道府県議、政令市議、一般市議、東京23区の区議の代表で構成し、私が座長を務めた地方議会改革PTによる中間取りまとめ案を踏まえ、党として決定しました。

 その議論に当たって改めて確認したことは、住民が首長と議員の両方を直接選ぶ「二元代表制」の機能を十分に発揮することが「住民自治」を強化するということです。

 つまり、選挙で「1人」だけが選ばれる首長は、自治体の長として大きな行政権限を持つのに対し、「複数人」が選ばれる議会の議員には、それを監視し、住民の多様な声を行政に届けて反映させる大切な役割があります。このため、議会が十分に機能を発揮して初めて、「住民自治」が実現するのです。

 PTでは、こうした観点から、地方議会・地方議員が果たすべき機能や、その機能強化のための改革の道筋などをめぐり、時には有識者も交えた活発な議論を重ね、議会側からの発信として今回の提言をまとめました。

――提言では、議会基本条例の制定をはじめ、いくつかの柱【別掲】を掲げています。

中島 地方議会には、行政側への監視機能や政策立案機能が求められています。この議会の役割を明確にしていくために、「議会基本条例」の制定を推進します。また、各議会での「議会改革委員会」(仮称)の設置や地方議員の法的位置づけも検討します。

――議会権能の強化について。

井上 本来、議会は首長に対する機関であり、議会の意思を統一して首長にぶつけることが重要です。このため、例えば、可能な自治体から通年議会にして、議長の判断でいつでも本会議や委員会を開けるようにし、首長による専決処分(議会の議決を経ない処分)を抑え、議会の議決案件を拡大することが大切です。

中島 また、公会計制度の改革や決算の監視機能を高めるとともに、議会事務局における法務・調査スタッフの確保など、議会のサポート(支援)体制を拡充していきます。

――「情報公開」や「住民参加」も、提言の柱になっています。

中島 住民側からは「地方議員が何をやっているのかが分からない」という声があります。そこで、地方議員の活動を「見える化」するため、議会の公開・傍聴制度の充実や、インターネットによる動画配信など、情報公開を進めます。また、住民参加を推進するため、「出前議会」や「議会報告会」を行い、住民の声を議会に直接、反映させる機会を確保する必要もあります。

井上 「住民参加」の観点では、提言に関連して、住民投票の在り方の検討も必要です。ある重要な課題について議会と首長が対立し、どうにもならなくなった場合には、住民投票で民意を問い、結論を出していくことも考えられます。

『さらに「議員力」磨こう。各地方議会で具体案を検討へ』

――議員定数や議員報酬について。

井上 議員定数は、行政改革の観点から、可能な限り削減する必要があります。ただし、住民の声を的確に反映し、行政への監視機能が十分に果たせるか否かを検証しながら行うことが基本です。

 また、議員報酬も、比較的高い水準にある議会は引き下げを含め適正化すべきです。ただ、議員報酬は議会によって大きく状況が異なるため一律の方針を適用するのは難しく、例えば、行政側の一定の役職をよりどころとするなど客観的な基準を設けることも考えられます。

 定数や報酬については、住民や有識者による協議機関を設け、幅広い意見を聞くことが重要です。

 また、政務調査費と費用弁償は活動費であると明確にし、透明化していくことも重要です。

――今後の取り組みについて。

井上 今回の提言は、党としての議会改革の骨格を示したものです。これを参考に、各地方議会において、自治体の規模や実情に応じた議会改革の具体案をつくり、実現をめざします。また、24日に召集される通常国会では地方自治法の改正が予定されていますので、今回の提言を反映させるよう取り組みます。

 地方議会改革は、4月の統一地方選挙の大きな争点の一つになるとされています。公明党には、明確な提言があります。全議員が改革の先頭に立つとともに、「政策立案能力」「現場力」「発信力」といった議員力アップに努めていきます。

『主な先進事例』 『いち早く「基本条例」を制定――北海道栗山町』

 「住民に信頼される議会を築くには、議会が自ら変わらねばならない!」――。北海道栗山町議会では、公明党の町議のこうした主張を受けて、2006年5月、いち早く「議会基本条例」を制定し、議員主導で議会の「見える化」を進めています。

 その具体例が議会主催の「議会報告会」です。これは、公明党の町議が毎月実施している地元町内会での議会報告会をモデルに、全町議が地域に出向いて議会活動を直接、町民に報告する取り組みです。報告会では、議会への批判や意見、町政への提言を率直に聞くようにしています。

 報告会は現在、全町議を3班に分け、町内12会場で年度末を中心に開催しています。

『市民の声聞く「出前委員会」――東京・多摩市』

 東京都の多摩市議会では、「議会基本条例」(2010年9月施行)の策定に向けて広く市民の声を集めようと、08年5月から同条例制定を検討する特別委員会を「出前委員会」として市役所外で開き、市民との対話を積み重ねてきました。

 同委員長を務める公明党の市議は、「できるだけ多くの市民の声を聞くのが議会側の務め」として、超党派の市議による街頭演説で市民の参加を呼び掛け、曜日や場所、規模を変えるなどの工夫を行い、計15回の開催で市民400人以上が参加しました。

 この努力は、同条例にも引き継がれ、同市議会は「議会報告会」を開催し、市民との対話を続けています。

『「通年議会」で活発に議論――三重県』

 三重県議会は2008年、都道府県議会としては初めてとなる実質的な「通年議会」を導入しました。

 具体的には、従来の年間4会期制を2会期制に改め、会期の総日数を従来の約110日から約230日に変更しました。会期が増えた分は議員同士の議論に充てているため、首長などの拘束期間が増えるわけではなく、行政の執行に支障は起きていません。

 実質的な「通年議会」の導入によって、議長の権限でいつでも本会議が開けるようになり、緊急の課題について素早く対応することが可能になっています。さらに、会期を心配せずに審議を尽くせるようになり、議員間の討議が活発になっています。

『正副議長選で「所信表明」――三重・伊賀市』

 三重県伊賀市は、市町村合併前の旧上野市が1999年5月、全国に先駆け、市議会の正副議長選挙の選出方法について、候補者が公開の場で「所信表明」を行った後、選挙を行う仕組みに改めるなど、開かれた議会づくりに積極的に取り組んできました。

 「所信表明」は年1回、臨時議会で行われ、各候補者が今後の議会改革の在り方など“議長としての公約”を語った後、出席した議員の質疑にも答えなければなりません。また、その模様は議場で誰でも傍聴できます。

 2007年2月には、市として全国初となる議会基本条例を制定し、議員が市内各所で住民と意見交換する「議会報告会」を行っています。

『「夜間」「日曜」議会を開催――大阪・大東市』

 大阪府大東市議会は、市民に開かれた議会をめざし、市議会公明党の推進により2000年9月から「夜間議会」を、01年3月からは「日曜議会」も毎年開催しています。

 これに加えて、同市議会はさらなる議会改革を進めようと、09年3月に議会基本条例の制定に関する特別委員会を設置しました。同委員長には公明党議員が就任し、さまざまな協議を重ねた末に、同条例は10年3月議会で全会一致により可決され、翌4月に施行されました。

 同市議会における最高規範と位置づけられた同条例によって、議会の役割や責任などが明確になった上、「日曜議会」「夜間議会」などの開催も明文化されました。

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