
2007年度予算政府案は3月3日に衆院を通過し現在、参院で審議されています。衆院段階での審議では、雇用対策、教育改革、地域再生のほか、「政治とカネ」問題などについても活発な論戦が繰り広げられました。公明党の北側一雄幹事長に、2007年通常国会の序盤の総括と、後半国会に向けた取り組みなどについて聞きました。
『児童手当や奨学金など拡充――07年度予算案の年度内成立が確実に公明党の主張を大きく反映』
『「質問権」放棄した民主党――党首は衆院本会議場を早々に退席“政権担当に値しない党”を証明』
――2007年度予算政府案が衆院通過し、年度内成立が確実になりました。
北側一雄幹事長 年金、介護、医療、福祉など国民生活の安定にとって極めて重要な予算であり、年度内成立が確実になり、本当に良かったと思っています。
この予算案には、3歳未満の第1、2子への支給額を月額1万円(現行5000円)に倍増させる児童手当の拡充、貸与枠を過去最高の114万人にする奨学金の拡充をはじめ、育児休業給付の引き上げ、いじめ対策、がん対策、フリーター・ニート対策、高齢者の雇用拡大策、中小企業支援策など、公明党の主張が数多く盛り込まれています。
『安心の地域医療へ再構築求める』
――衆院予算委では幹事長自身も質問しました。
北側 さまざまな経済指標を見ても、景気・経済の改善は間違いありません。ただし、残念ながら国民全体に、その実感があるわけではなく、国民全体にその改善の成果が表れるようにしていく必要があります。
その意味で、私は「都市から地方へ」「大企業から中小企業へ」「企業から家計へ」という“3つの波”が必要だと指摘し、「“3つの波”をどう起こすか。政府全体で取り組んでいただきたい」と訴えました。
また、地方の高齢化や過疎化の上に、小児科や産科の医師不足が指摘される地域医療について、新たな再構築ビジョンづくりに取り組むよう主張しました。
――民主党など野党側は衆院予算委の最終場面で、締めくくり総括質疑の質問をボイコットしました。
北側 驚きました。安倍首相以下、全閣僚が揃っており、何でも質問できる場面だったのに、自分たちの質問時間中、委員会室に“いる”だけで、全く質問しませんでした。これは質問権の放棄です。しっかり議論し、自らの主張を述べ、世論に訴えるという本来の議会活動を、野党はしっかりと行うべきです。こうした質問権放棄の態度は厳しく非難されるべきです。
――2006年度補正予算案の審議を完全にボイコットして、国民から強く批判されたことから、あのような行動に出たとみられています。
北側 おそらく、そうでしょう。2月初めに成立した06年度補正予算は、災害対策、学校の耐震化、新型インフルエンザ対策など、極めて緊急性の高い、国民の安全・安心を確保するための予算です。しかし、野党側は、最初から最後まで一度も審議に参加しない“完全な審議拒否”を強行。これは約40年ぶりの“愚行”であり、国民やマスコミから大きな批判を浴びました。
このため、07年度予算案の衆院での最終場面では、「委員会室には出るが、質問はしない」という極めて奇妙な行動を取りました。しかし、これは誰が見ても「審議拒否」そのものです。議員として、あるまじき行動だと思います。
――その後の衆院本会議では、野党側が多くの解任決議案を連発させたため、未明にまで及びました。
北側 確かに、参院選や統一地方選の前なので、野党側の「対決姿勢を示したい」という気持ちが分からないわけではありません。しかし、そうした解任決議案を出した“張本人”の民主党党首が早々に帰ってしまった。しかも、肝心の予算案の採決にさえ参加せずに。
予算案に対する賛否の投票は、国会議員の1年間の活動の中でも有権者から託された最重要の仕事です。特別な理由もなく欠席するのは、私にはとても理解できません。厳しく問題視すべきです。この一事をもっても、民主党は「政権を担当するに値しない政党」だと言えるのではないですか。
――予算案の参院審議など、今後の国会論戦に取り組む姿勢について。
北側 現在、参院で活発な予算案審議が行われていますが、与野党を問わず、国民が関心や不安を持つ課題について、まさに“良識の府”としての論戦を繰り広げていただき、予算案については一日も早い成立を期待しています。
一方、衆院では法案審議が始まります。雇用対策では、重要な六つの関連法案が審議されますし、地域再生については、五つの新法を含む計9本の関連法案が審議される予定です。
これらの中には、日本の雇用の7割を支える中小企業を“元気”にする応援策や、日本経済の7割を占める個人消費の活性化へ、企業収益を家計に波及させて消費活動へとつなげるための施策などが盛り込まれています。これらの法案をきちんと今国会で成立させることが重要です。
――「政治とカネ」問題への取り組みについては?
北側 まず、今通常国会の冒頭に何が起きたかを忘れてはいけません。それは、民主党出身の参院副議長が、政治資金収支報告への不記載という疑惑、外国人からの寄付という疑惑などで辞任したことです。この件での説明責任は、全く果たされていません。本人は、しかるべき場できちんと説明すべきです。
その上で、いわゆる事務所費問題もあります。まず疑惑が指摘された場合、きちんと説明すべき責任は、政治家である以上、誰にでもあります。それが閣僚の場合であるなら、審議で答弁する義務も生じます。
その上で、民主党の小沢党首にかかわる巨額の不動産保有問題については、私たちの通常の考えからすると、政治家個人の政治資金管理団体が不動産を保有する必要性は全くないと思います。
事務所を持つには当然、賃貸で十分であり、その方がコストも安い。小沢氏は「秘書の寮だ」と説明していますが、最初に“不動産の保有ありき”で、後になって「秘書の寮だ」と言っているにすぎないのではないでしょうか。
しかも12カ所の一等地に不動産を保有しているそうですが、政治資金規正法では、資産運用の在り方に対して非常に厳しく規制しています。「これは投資が目的ではないか?」という疑いが出てくるのは当然であり、非常に問題ありと指摘したい。
そして、今後の課題で重要な点は「透明性の確保」です。事務所費について、詳細な内訳を報告書に記載することも必要ですし、公明党は一定額(5万円)以上の支出は領収書等の書面を添付するよう主張しています。ぜひ、今国会での法改正が実現できるよう努力します。
もちろん、政治家個人の政治資金管理団体が不動産を保有することは規制していかねばならないと考えています。
『学校現場からの教育改革を提言』
――教育改革論議への取り組みについては?
北側 後半国会では学校教育法改正案など三つの関連法案が審議されますが、こうした制度改革を進めるとともに、公明党は3月6日に、「学校現場からの教育改革」が重要だとの観点から「緊急提言」を発表しました。その主な内容は、いじめや不登校問題に今すぐ取り組める具体策として、「いじめレスキュー隊」の設置や「パパ・ママスクール」の推進を提言。「現場第一主義」の”公明党らしさ”あふれるものです。これらを一つずつ具現化していきたいと思います。
――改めて、後半国会に取り組む決意について。
北側 統一地方選、参院選の大勝利に向けて、公明党の支持拡大へ大きな”追い風”となる論戦を、これまで以上に展開していきます。
また、今年は日中国交正常化35周年を迎えます。1月に太田代表が訪中し、2月に中国外相が来日。今月には、私も訪中する予定であり、4月には温家宝首相が来日します。日中両国にとって”大事な春”を迎えるわけで、ぜひ、両国関係のさらなる改善に大きな節目となる1年になるよう、公明党として全力で取り組んでいきたいと思っています。
(2007年3月11日付 公明新聞)