
あす10日、臨時国会が召集されます。先の参院選の結果、衆院では与党、参院では野党がそれぞれ過半数を占め、衆参がねじれた状況の中、与野党の激しい論戦が開始されます。公明党の北側一雄幹事長に、選挙結果を受けた今国会の対応や、当面の重要課題への取り組みなどについて聞きました。
『海自によるテロ阻止への給油支援活動』
『日本の貢献を各国が高く評価――継続し国際社会での役割果たすべき』
『国民生活安定へ民主党にも責任』
――臨時国会での公明党の対応の方針は?
北側一雄幹事長 先の参院選での結果を踏まえ、公明党としての「存在感」をしっかり示せるような論戦を展開してまいります。
衆院では与党が、参院では野党が過半数を占めていますので、そうした政治情勢を踏まえた国会運営をしていかねばなりません。一つの法律案を成立させるにも野党の協力なしにはできません。与党として、民主党をはじめとする野党との丁寧な話し合いを重ね、あくまでも国民の側に立ち、修正すべきは修正するという練度の高い議論にしていくべきだと考えます。
参院で主導権を握った民主党は、日本の政策決定にあたって、大きな責任を担うようになりました。これまでのようにパフォーマンスや政局を混乱させるような無責任な行動は許されません。われわれ与党も当然、野党と協議していきますが、民主党も国民生活を安定させていくために、ぜひ、責任ある対応を望みたい。
――臨時国会の最重要課題であるテロ対策特別措置法の延長問題については?
北側 テロが国際社会の平和、安全に大きな脅威であることは国際社会の共通した認識です。2001年9月11日の米国同時多発テロの時も、多くの国々の方が被害に遭いました。日本人も24人が亡くなっており、テロは決して米国だけの問題ではありません。
テロ組織の行動を抑止し、テロを撲滅するために多くの国々が活動している中で、日本がどういう役割を担っていくのかということが重要です。
そのため、これまで日本は、インド洋上で海上自衛隊が、テロリスト、武器、麻薬の流出入を阻止するための活動を行う各国艦船への給油活動を実施してきました。その根拠となるのがテロ対策特別措置法です。日本の給油活動は、各国から高く評価されていますし、継続も強く求められています。同法は、今年11月1日に期限が切れますが、給油活動の継続は、日本が国際社会における役割を果たすため、重要であると思います。
また、日本は憲法第9条によって、武力行使を伴うような、また他国の武力行使と一体化する活動はできません。インド洋上における外国艦船への給油活動は海上自衛隊にとっては大変な任務ではありますが、憲法に反せず、かつ、わが国が行うにふさわしい国際貢献活動だと考えます。給油活動が継続できるよう、野党の理解、協力も得ながら、全力で取り組んでまいります。
『政治とカネ』
『今国会で再改正し一層透明化。与野党の合意形成へ主導権を発揮』
――「政治とカネ」の問題への取り組みは?
北側 参院選結果で示された一つの民意は、「政治家は、政治資金の透明性、公開性について、しっかり取り組め」ということだと思います。そうした国民世論に沿って、この臨時国会で政治資金規正法を再改正し、政治資金のより一層の透明化を実現したいと思います。
政治資金規制の問題は、各党や政治家に関わる問題です。自民党とはもちろんですが、民主党など野党とも政治資金の透明性を高めていけるような合意ができるよう、公明党がイニシアチブ(主導権)を発揮して取り組んでまいります。
――民主党は、さまざまな議員立法を参院に提出して、論戦を挑んでくるようですが?
北側 民主党の提案だからダメだということではなく、しっかり協議をしていきたい。私たちの主張と一致するものについては共に議員立法をしていくこともあり得るでしょうし、逆に、それは無理ではないかということもあるでしょう。協議しケース・バイ・ケースで、法律案の中身によって判断していきたいと思います。
『年金記録問題の解決に全力』
――臨時国会で取り組むべき他の課題は?
北側 まず年金記録問題について、きちんと保険料を払ってきた方々には、一人も漏れなく完全な支給がされるようにしなければなりません。基礎年金番号に未統合の約5000万件の照合作業が12月から始まります。これまで政府が決めてきたさまざまな措置が確実に実行されるよう、与党としてしっかり取り組んでまいります。
また、都市と地方の格差や、負担増などの問題も、参院選の敗因の大きな背景であったと言わざるを得ません。そうした意味で、通常国会から継続審議となっている労働関係3法案(最低賃金法改正案、労働基準法改正案、労働契約法案)は、ぜひ臨時国会で成立できるよう頑張りたい。
さらに、重要テーマである地域再生・地域活性化に向け、農業や産業の振興、まちづくり、医師不足解消策など地方が抱える諸課題の解決に向けて、公明党としてさらに議論を深め、年末の来年度予算編成に反映できるよう取り組んでいきます。
『地方議員との懇談、対話運動踏まえ』
『“現場第一主義”の主張貫く』
―― 一方、党活動の面では、地方議員懇談会と議員による訪問対話運動を打ち出していますが。
北側 公明党の特色は、3000人以上の地方議員がいることです。負担増問題や地域格差問題など、さまざまな政策課題について、最前線で状況を一番よく分かっているのは地方議員です。その地方議員の方々とより連携を深め、意見交換を行っていくことで、公明党の持ち味を一層、発揮していけるようにしたい。具体的には、全国を3ブロックに分け、党幹部が出向いて、毎回テーマを決めて地方議員懇談会を定期的に実施していきます。
『生活者の声を政治に反映へ』
また、先の全国県代表協議会で全議員による徹底した訪問対話運動の実践を打ち出しました。メドとして、今年中に一人が1000人と対話をしていこうと訴えています。
これが実行されれば、党として300万人の方々と対話できることになります。これも生活者の党として、現場の声を肌で感じ、政治に反映していくためのものです。
先日も奈良県で起きた妊婦のたらい回しによる死産の問題を受け、太田昭宏代表らが厚生労働相に再発防止を求める緊急申し入れを行いました。
地方議員懇談会、訪問対話運動を通して、生活者の声に真剣に耳を傾け、問題解決へ直ちに政治に反映させていくという、公明党の原点である“現場第一主義”の政治姿勢を国会論戦でも発揮していきたいと思っています。
(2007年9月9日付 公明新聞)