
2008年度政府予算案と税制改正法案(歳入法案)が衆院を通過しました。通常国会序盤の論戦などについて、北側一雄幹事長に聞きました。
――予算案と税制法案の衆院通過について。
北側 わが国の現在の経済情勢、国際金融情勢を考えれば、予算案と税制法案を年度内に成立させることが極めて重要です。それが最大の景気対策になります。年度内成立で予算を新年度から円滑に執行できるようにすることに、政府・与党としての最大の責任があります。
衆院での審議時間は91時間を超え、昨年の約67時間を大幅に上回りました。衆参両院議長のあっせんで与野党で合意した「徹底した審議」は尽くされたと考えています。参院での十分な審議時間を確保するという意味でも、この段階で採決に至ったことは妥当だと思っています。
――道路特定財源やガソリン税の暫定税率などの道路問題について。
北側 大前提として、これは地方財政にも大きく影響する問題です。地方自治体は今、議会を開いて来年度予算案を審議しています。そこに歳入欠陥など大きな影響を与えることになれば、地方財政を混乱に陥れる結果になります。
道路特定財源は、交通渋滞の緩和や開かずの踏切解消、通学路の安全対策、さらには防災、除雪作業などに使われ、国民生活を守る役割を果たしています。このため、暫定税率が仮に3月末で切れてしまえば、国民生活の大混乱は必至です。
それを大前提にして言えば、どのように道路を整備するかはオール・オア・ナッシング(全部か無か)の話ではありません。政府案として今、10年間の道路整備中期計画がありますが、さらなるコスト削減、建設の優先順位の明確化などについて今後、見直すことがあっていいと思います。
自動車に関する税については、以前から「複雑過ぎる」との指摘もあり、昨年12月、数年のうちに行われる抜本的な税制改革に合わせ、暫定税率も含めた自動車関係諸税の在り方を総合的に検討すると政府・与党で合意しています。
また、道路特定財源の一般財源化については、08年度予算案でも昨年度を上回る一般財源化(約1927億円)を行っていますが、「さらに一般財源化すべし」という論議もあってもいい。
このように道路問題は柔軟に論議されてよいと思いますが、あくまで地方財政に影響を与えない、国民生活に混乱を与えないことが大前提です。
民主党など野党側には、「道路問題で与野党協議を行おう」「与野党の協議機関をつくろう」と機会あるごとに提案していますが、この姿勢は今も変わりません。参院で第1党の民主党には、地方の道路整備の財源も含めた具体的な提案を法案として国会に提出してもらいたいと思っています。
『医師不足対策、奨学金拡充など公明の主張が数多く反映』
――医療、福祉・年金、教育など、国民の暮らしに密着した施策について。
北側 予算案の中には、公明党が強く要望した国民生活に密着した施策のための予算が数多く盛り込まれています。まず、07年度補正予算に盛り込まれた高齢者医療費の負担増の凍結・軽減とともに、自民党に実現を強く迫った児童扶養手当の一部削減の凍結が予算案に盛り込まれています。
また、深刻な医師不足対策、救急患者の“たらい回し”事故を防ぐための救命センターの機能強化、ドクターヘリ導入の促進、放射線療法や緩和ケアの推進などの、がん対策の拡充、すべての人に「ねんきん特別便」を送付するなどの年金記録問題対策、初めて利用枠が120万人を突破する奨学金の拡充、障害者の自立支援や学校支援地域本部の創設などと数多くあります。
衆院段階の審議でも、公明党は「生活者の目線」からの施策を盛り込んだ予算案の早期成立を主張してきましたが、今後の参院審議においても、「国民の生活を守る」という視点からの主張を貫いてまいります。
『中小企業支援策の拡充に全力』
――この間、特に公明党が力を入れてきた中小企業への支援策について。
北側 今の経済情勢は、原油、小麦など原材料の価格上昇などで、国民生活に大きな影響が出ています。特に中小企業には、その事業経営に深刻な影響を与えています。
こうした状況を考え、昨年末に第1弾の原油高対策として、総額2150億円の緊急対策がまとめられ、政府系金融機関からの借入金返済条件の緩和や、下請け支援のための総合的な相談窓口の全国配置などの具体策が、先に成立した07年度補正予算と、今回、衆院を通過した08年度予算案に盛り込まれています。
そして2月20日には、年度末の資金繰りに関し、融資上限額の引き上げなど、中小企業を金融面から支援する第2弾の対策が発表されましたが、これらの支援策には、公明党の要望が随所に反映しています。公明党は今後も、さらに中小企業支援策の拡充に全力で取り組みます。
(2008年3月2日付 公明新聞)