
自民、公明の与党両党は、16日に与党児童扶養手当に関するプロジェクトチーム(PT、長勢甚遠座長=自民党、福島豊座長代理=公明党)で、2008年4月から予定していた児童扶養手当の一部削減を凍結することで合意し、22日に政府に凍結実施を要請しました。そこで、今回の与党合意の内容や意義について、与党PTメンバーの松あきら参院議員(党女性委員長)に聞きました。
――合意に至った経緯は。
松 児童扶養手当は、2003年の母子及び寡婦福祉法改正の際、離婚後の生活の激変を緩和するとともに、自立を促進する趣旨で、支給後5年経過した場合に一部削減(最大2分の1)することを定めていました。しかし、母子家庭の就労状況を見ると、法改正の趣旨と現実の間に、あまりにも開きがあります。公明党はこれを重視し、9月に交わした自民党との連立政権合意の中に、08年4月から予定されていた児童扶養手当の一部削減の凍結をめざし、「早急に結論を得て措置する」という文言を盛り込みました。そして、与党としてプロジェクトチームを立ち上げ、実際に母子家庭の方から意見や要望をいただくなど、議論を重ね、今回の合意に至りました。
――与党PTの協議で公明党はどのような議論を。
松 PT設置当初は、自民党と意見の違いがありました。しかし、公明党が「就労支援が実際にどこまで進んでいるのかを確かめないと議論はできない」と主張し、母子家庭の方から実情を聞く中で議論を重ね、PTとして公明党主導で結論を出しました。
――合意内容のポイントは。
松 最大のポイントは、ほぼ全ての方が継続して支給を受けることができるようになったことです。
具体的には、仕事をする意欲がみられる人には、全員に支給されます。また、働く意欲はあるが、本人あるいは子どもが障害や病気を抱えている場合や、同居している高齢者の介護で外出が難しいなどのケースでも支給されます。
また、母子家庭の母親への就業支援策も一層、充実させることが盛り込まれています。
――働く意欲の基準は。
松 具体的にはこれから政令の改正が進められますが、例えば、ハローワークやマザーズハローワークなどで求職の申請をした場合、「ハローワークカード」(有効期限は、登録月を含め3カ月)が交付されます。このカードを持っている方は、就労意欲があると見なされます。
また、社会復帰など、ご自身の技能向上のために職業訓練校などに入校している方は、在籍証明など、入校していることを証明するものがあれば、手当は支給されます。
しかし、何らかの理由により、これら二つの例に該当しない母親も、各地域の母子家庭等就業・自立支援センターで就業相談を行った場合、同センターで発行する予定の証明書があれば就労意欲があると判断されます。
児童扶養手当支給の手続きをする際に、こうした証明書などを持参すれば、支給が継続されることになります。
――母子家庭の生活状況は。
松 厚生労働省の06年度全国母子世帯等調査結果によると、母子家庭の平均収入(児童扶養手当など含む)は213万円にとどまり、前回調査(02年)から、わずか1万円しか増えていません【グラフ参照】。これは、全世帯の平均年収564万円の4割にも満たない水準です。さらに、多くの方が年収200万円にも達していない状況です。
また、母子家庭になった理由の約8割は離婚で、子どもの養育費を受け取れていないケースも多いのが実情です。養育費も受けられず、限られた収入で子どもを育てなければならない、非常に深刻な状況となっています。特に、教育費はある程度制限せざるを得ないので、子どもの進学にも大きなハンディキャップとなっています。
――いつまで凍結されるのですか。
松 母子家庭の母親が思う通りの仕事ができるようになって、平均収入が上がったということが数字的に証明されない限り、公明党は凍結の方針を変えません。就労支援の強化もしっかりと働き掛けていきます。
また、母子家庭の母が亡くなり、その子どもが祖父母と暮らす場合、児童扶養手当の支給が停止されることなども課題として残っています。こうした課題を一つ一つ改善し、母子家庭の皆さんが安心して生活ができるよう、これからも全力で取り組んでいきます。
(2007年11月27日付 公明新聞)