【「女性サポート・プラン」の主な政策】
▼生涯の健康守る「健康パスポート」発行
▼10代に対応する「思春期外来」設置拡大
▼「性差医療」の研究センター、日本にも
▼「妊婦健診」無料化など、経済支援強化
▼待機児童ゼロへ「保育ママ」など拡充
▼「仕事と生活の調和」へ基本法を制定
▼育児休業給付金を全額、一括支給に
▼男性の育休促進へ「パパ・クオータ制」
▼マザーズサロンほか、就業支援を充実
▼駅、ネットで「総合カウンセリング窓口」
公明党女性委員会(松あきら委員長=参院議員)は17日、すべての女性が安心と希望を持って暮らせる社会づくりを推進する政策提言「女性サポート・プラン」をまとめました。その背景と意義、主な内容について、松委員長に聞きました。
――女性サポート・プランを取りまとめた背景は。
松 私たち全国の公明党女性議員のもとには連日、女性の皆さまから、さまざまな相談が寄せられています。そのたびに、「女性が自分らしく輝くには、まだまだ多くの“サポート(支援)”が不可欠だ」ということを痛感してきました。
少子高齢化の進展による社会構造の急激な変化に伴い、女性のライフサイクルも大きく変化してきています。女性の社会進出がますます進んでいくことが予測される中、女性をトータル的な視野でサポートし、女性が抱える不安を解消することは、日本の社会の活性化につながります。
そこで、世代にかかわらず「女性の一生をまるごと応援したい」「女性が健康で生き生きと働き、子育ても楽しめるように!」との思いで政策づくりに取りかかったのが、このサポート・プランの出発点です。
――全体的な内容はどのようになっていますか。
松 “生き生き、楽しく”ですから、根本は「生涯にわたる健康」を支援していくこと。これが第一です。その上で、出産・育児などで「生命を育む喜び」を実感できるように、また、「働く女性が輝ける」環境を確立できるように応援をしていく――その三つが大きな柱だと考えています。
――具体的に、第一の柱の「健康」について。
松 ヨーロッパ在住の、ある日本人女性が出産する際、現地の医師から安全な出産のため、これまで受けた予防接種、病歴などの記録の提示を求められたそうです。その地では、生まれてからの自分の健康に関する記録を一冊の手帳として持っていて、例えば妊娠・出産の時にはその情報を見ながら医療を受けている。
しかし日本の場合、特に結婚して家庭に入った女性は、定期的に健診を受ける機会も少なく、健診結果の記録管理も十分にできていない例も見られます。
そこで、女性の生涯にわたる健康を守る観点から提案したのが「女性の健康パスポート」(仮称)の発行です。
これは、予防接種や病歴、妊娠・出産、健康診断、アレルギーの有無などの記録が記載でき、さらに、安全な出産や女性特有の病気の予防に役立つ「健康チェック」の手引にもなるものです。
――ほかには。
松 乳がん検診の推進や、20〜30歳代で急増している子宮頸がんの予防ワクチンの普及、がん検診の受診率のアップ。さらに、好評の「女性専門外来」の拡充、10代の心と体の変調に適切に対応する「思春期外来」の設置拡大にも取り組みます。
――医療の面では「女性健康研究ナショナルセンター」(仮称)の設立が掲げられていますが。
松 米国では各州に女性の健康に関する研究を専門的に行っていくセンターが設置され、「性差医療」についての研究が進んでいます。それによって、病気の原因や治療法が男女では異なることが分かってきました。
公明党はこれまで、女性専門外来の設置を推進してきましたが、日本でも女性特有の疾病について「性差医療」の調査研究を進め、情報発信する“拠点”ができれば、女性専門外来の質や専門性が格段に高まりますし、研究に裏打ちされた「男女の性差を考慮した正しい健康法」を国民に提供できます。米国のような研究センターを、日本にも、ぜひつくりたいと考えています。
――第二の柱、「出産・子育て」については。
松 これについては「もっと経済的な負担を軽く」「保育サービスを利用しやすく」との相談が多く寄せられています。
経済的支援では、妊婦健診の完全無料化や、私立幼稚園の就園奨励費の引き上げ、児童手当や奨学金の一層の拡充などを掲げました。特に、母子ともの生命にかかわる妊婦健診については、全国どこでも公費で5回以上の受診ができるよう拡大し、完全無料化をめざします。
一方、保育サービスの提供では法律を見直すことで、保育ママ(家庭的保育制度)の普及や、専業主婦の家庭でも保育所が利用できるよう積極的に取り組みます。
――第三の柱、「仕事」についての内容は。
松 管理職や起業家として活躍する女性が増えたとはいえ、「介護」「子育て」は依然、女性の双肩にのしかかっているのが現実。女性が働き続ける環境整備は、残念ながら不十分で、その結果、過労や仕事のストレスが原因で体調を崩し、離職に至るケースも増えています。その意味で、既に「仕事と生活の調和=ワーク・ライフ・バランス」の実現をめざして提唱してきた「仕事と生活の調和推進基本法」の制定に取り組みます。
併せて、派遣やパートからの正規雇用への転換を進めるとともに、働きながらの子育てを応援するため、(1)育児休業給付金の一括支給(2)短時間勤務への育児休業給付(3)男性への育児休業取得を義務づけるパパ・クオータ制の導入――などを推進します。
さらに、介護・子育てでいったん離職した人の再就職は難しいのが現実ですが、子育て中の女性の就労支援を行うマザーズサロンの全国展開や、キャリアアップのための就職能力開発支援、女性の起業支援へ、研修体制を強化していきます。
――ほかに「女性総合カウンセリング窓口」の設置を掲げていますね。
松 党女性局が行った調査では、20〜30歳代の女性の多くが、健康不安や仕事、子育て以外でも「人間関係に悩んでいるが、気軽に相談できる場所がない」「家庭の問題を抱えていて結婚できない」など、深刻な悩みを訴えています。
そこで、女性が気軽に相談できて、悩み解決のための具体的アドバイスや専門家の紹介が受けられる“道案内”のような相談窓口を、各地の女性センターや駅ビル内などに設けようというものです。また、仕事などの関係で窓口に行けない女性のために、インターネットを通じて相談できる体制整備も進めます。
――プランの実現へ、どう取り組みますか。
松 それぞれの政策は、時代の要請だと確信しています。地方議員や党員・支持者の皆さまの意見も伺いながら、一つ一つ実現の道を探り、草の根の運動と国会論戦などの両面から推進していきたいと思います。
すべての女性が安心と希望を持てる社会をめざし、公明党はこれからも女性の皆さまを応援してまいります。
(2008年4月22日付 公明新聞)