「売り主破綻しても救済。建て替え資金確保を義務化」
「地域再生、安全・安心、ムダ・ゼロを推進」
「『耐震偽装』教訓に公明提案」
住宅に対する信頼性を大きく損ねた耐震強度偽装問題。建築基準法と建築士法の改正に続く再発防止策として、特定住宅瑕疵担保責任履行確保等法案が今国会に提出され、成立をめざしています。そこで、法案の意義とポイントについて、斉藤鉄夫党政務調査会長に聞きました。
――特定住宅瑕疵担保責任履行確保等法案のポイントは。
斉藤政調会長 住宅購入者保護の観点から、新築住宅の売り主に対して、欠陥住宅を建て替えるための十分な資金確保を義務付けたことです。
これは、耐震強度偽装問題で、欠陥住宅の売り主だったヒューザーが経営破綻した結果、建て替えに必要な保証金をヒューザーが負担できなくなり、公的支援が必要になってしまったことを教訓にしています。
具体的には新築住宅の売り主に、保険加入か、法務局への保証金供託のいずれかを選択するよう義務付け、販売後10年以内なら経営破綻しても住宅購入者に補修費が確実に支払われるようにしました。
今後、万一、耐震強度偽装のような問題が発生しても、全ての購入者が救済されます。
欠陥住宅から購入者を守るための保険制度は事実上初めてです。
――公明党が法案に取り組んだきっかけは。
斉藤 法案作成のきっかけとなった2005年秋の姉歯秀次元1級建築士による一連の耐震強度偽装問題は、これまでの法制度が想定していなかった極めて悪質で、深刻な事件でした。この問題に対して、北側一雄前国土交通相(公明党)は、直ちに手を打ち、あらゆる法令を使って被害住民の救済策を打ち出しました。
そして、昨年(06年)、耐震強度偽装問題を二度と起こさないことを目的とした建築基準法と建築士法を改正し、「これで再発防止は大丈夫」という雰囲気になりました。しかし、公明党は、まだ不十分だと考えていました。なぜなら、住宅という一生に一度の大きな買い物で、国民が決して失敗してはならないという思いがあったからです。
06年6月に国交省が1万人の国民を対象に実施した住宅の瑕疵担保責任に関する調査を見ても、自分の住宅に欠陥が見つかった場合、適切な保証が受けられないのではないかと不安を感じている人は8割に達しています。
また、8割が売り主への瑕疵担保責任の義務付けが必要だと回答しています。こうしたことを背景に、公明党は今回の特定住宅瑕疵担保責任履行確保等法案の作成に取り組みました。
――公明党が大きくリードしてきたわけですね。
斉藤 そうです。当時、耐震構造設計偽造問題対策本部の本部長だった太田昭宏代表が、国交省と損保業界の代表と協議した際、売り主の瑕疵担保責任を明確にした法律をぜひ、つくろうと提案しました。国交省は「与党が応援してくれるのだったらやりたい」という話でした。
しかし、損保業界は巨額の保険金支払いが発生するようなリスク(危険性)の高い保険になる可能性があるので非常に消極的でしたが、粘り強い協議を進めた結果、損保業界も納得し、実現に向けて動き出しました。
――今後の残された課題は。
斉藤 個人で営業しているような小さな工務店が、保険制度に入ってなかったということがないようにすることが必要です。この保険制度は小さな工務店も、きちんと入れる仕組みになっていますが、制度への加入漏れがないように政府が徹底して指導することが重要です。
(2007年3月23日付 公明新聞)