年金記録、政府・与党の新対応策――斉藤鉄夫政調会長に聞く


照合・通知 前倒しで年度内完了。加入履歴「特別便」で1億人に

『公明の主張、随所に反映』

 政府・与党は、年金記録問題への新たな対応策「年金記録に関する信頼の回復と新たな年金記録管理体制の確立について」を取りまとめ、5日に発表しました。その意義と内容、公明党の取り組みなどについて、斉藤鉄夫政務調査会長(衆院議員)に聞きました。


◆―新たな対応策をまとめた経緯は。

斉藤政調会長 政府・与党はこれまで、年金記録への国民の信頼を回復するため、国民の視点に立って、できることはすべてやろうとの決意で取り組んできました。その具体的な対策が与党提案で成立した「年金時効撤廃特例法」であり、5月25日発表の「新対応策パッケージ」、6月4日発表の「新対応策の進め方」でした。

 しかし、当時は混乱の中で問題の全体像が明確ではありませんでしたので、政府・与党は実務者会議を設けて議論を重ね、「最後の一人」までチェックして正しい年金をきっちりとお支払いできるよう、万全の対策へと練り直したわけです。


『民主「1年ではできぬ」と非難』

◆―公明党は、どんな主張をしてきましたか。

斉藤 「国民の皆さんに一刻も早く安心していただける体制をつくる」との観点から、照合・通知の迅速化、全加入者への履歴通知、相談体制の拡充、再発を防ぐ体制整備を提案してきました。

 当初の対策は、どちらかというと政府主導でしたが、今回は与党・公明党の主張がしっかり反映され、必要な対策を網羅した総合対策に仕上がっていると思います。

◆―新たな対応策のポイントですが、まず年金記録の照合・通知の対応は。

斉藤 迅速化を強く主張して、作業の前倒しを決めました。

 基礎年金番号に未統合の記録5000万件について当初、政府・与党が「来年5月までに照合完了」との計画を打ち出した際、民主党は“1年間での年金記録照合は不可能”などと非難しました。

 しかし与党はこれをさらに早め、年内には5000万件の照合・通知を開始し、遅くとも来年3月末には完了します。

 また、今回新しいのは、全員に加入履歴をお知らせし、「記録漏れはありませんか」と呼び掛けるようにしたことです。

 公明党は年金制度の信頼回復には加入履歴を記した「ねんきん定期便」を全加入者に送付すべきと主張してきましたが、「ねんきん特別便」の名称で来年10月までに約1億人に送付されます。

◆―相談体制も、新たな対策が加わりました。

斉藤 これまでの来訪相談、フリーダイヤルの専用電話相談の拡充に加えて、全市町村で巡回相談を実施します。また、経済界の協力で加盟企業では相談窓口を設けたり、企業単位で社保庁に問い合わせ、従業員の年金記録確認を代行するなどの対応も始まります。

◆―二度と問題が起きないよう、原因究明と今後の対応も大切です。

斉藤 総務省に設置した「年金記録問題検証委員会」が既に始動しており、7月中にも中間報告が出されますが、社保庁には職務の怠慢だけではなく、職員による横領も“氷山の一角”との指摘があり、公明党は7月4日、党総務部会と厚生労働部会が合同で菅義偉総務相に徹底解明を申し入れています。


『社保庁の作業を厳格に監視』

 同時に、これも新しい対応策ですが、社保庁の年金記録の照合作業などが適切に行われているかを監視する監理委員会も設置されます。検証委と同様、監督官庁の厚生労働省ではなく総務省に設置されるところに、「厳格にやる」という与党の意志が表れています。

◆―さらに、ミスが起こりにくい仕組みづくりも盛り込みましたね。

斉藤 一つは、住民基本台帳ネットワークと連携して、「引っ越した」「結婚で姓が変わった」「死亡した」などの場合に、年金管理記録に自動的に反映される仕組みに転換するものです。年金記録が“宙に浮く”のを防止できます。

 もう一つは、「社会保障カード」(仮称)の導入です。これは、ICチップを組み込んで年金・医療・介護の社会保障の個人情報を一元管理できるもので、公明党がマニフェストで提案している「総合社会保障口座」の概念に含まれるものです。個人情報保護の問題を丁寧に議論しつつ、積極的に検討していきたい。

 この2つは、2011年度中に導入します。

◆―今後の取り組みへ、公明党の決意は。

斉藤 決定した対応策を計画通り成し遂げるため、責任を持って着実に実現していきたい。

 同時に、社会保険庁を廃止・解体6分割し、本当に国民の皆さまのために奉仕する組織へと改革してまいります。

 社保庁の“親方日の丸”の体質を改めていくことこそ、政治の役目。それを、労働組合の言いなりで公務員の身分を温存する対案しか出せない民主党、本来の改革から国民の目を反らそうとした民主党の罪は大きい。そこを強く訴え、参院選で大勝利してまいります。


(2007年7月10日付 公明新聞)