
総額83兆613億円に上る2008年度予算政府案が25日、閣議決定しました。予算案のポイント、公明党の主張が反映された施策などについて斉藤鉄夫政務調査会長に聞きました。
――政府予算案のポイントは。
斉藤鉄夫政務調査会長 生活者に配慮し、生活を前面においた予算です。顕著な例は社会保障と教育、子育ての予算が大きく伸び、公共事業費、防衛費は大きく削減。歳出削減方針の下で、歳入の不足分に充てる新規国債発行額が昨年を下回り、4年連続の減額となりました。税金のムダ遣いに徹底して切り込む一方、地方交付税の特別枠を設け、地域格差是正をめざすなど、厳しい財政状況の中でもメリハリある内容になったと思います。全体的に予算が絞り込まれる中、中小企業支援に配慮した点も大きなポイントです。
――公明党はどのような方針で予算編成に臨みましたか。
斉藤 国民生活の負担増について大胆に見直しを進めました。
具体的には、後期高齢者の医療費負担増に対し歯止めをかけました。補正予算案の財源も合わせると70歳から75歳までの窓口負担について、1割から2割への増加を1割負担に据え置きました。75歳以上で従来、保険料負担のなかった家族の被扶養者である高齢者の保険料については4月から半年凍結し、その後半年は9割軽減します。母子家庭の児童扶養手当の減額を原則としてさせないことも永久的な措置として決めました。
――公明党が一貫して主張してきた基礎年金の国庫負担割合引き上げ分に定率減税廃止分を充てることも含まれました。
斉藤 その通りです。2009年度までに国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げることは04年の年金改革で決めたものです。年金財政の安定化を図る上で避けることのできない重要課題ですが、当初、財務省は「来年度については引き上げを行わない」と主張していました。しかし、公明党は定率減税廃止分を充てるよう粘り強く主張。最終的に、来年度も今年度に上積みして、1356億円を盛り込むことが決まりました。
――公明党が推進するムダに切り込む改革も進んだようですが。
斉藤 ムダが多いと指摘されてきた特別会計の中から9・8兆円、いわゆる霞が関の「埋蔵金」といわれているものですが、これを絞り出してすべて借金の返済に充てました。
防衛省を中心に非常に高かった随意契約の比率を大幅に引き下げます。できるものは一般競争入札とし、381億円の減額を予算案では見込んでいます。
従来、指摘のみにとどまっていた会計検査院の検査体制については、公明党は「指摘された問題点が実際の予算編成に反映されるようにすべきだ」と主張。その結果、137億円ムダを削りました。
――公明党の提唱した政策が随所に反映されました。
斉藤 奨学金が来年度も拡充します。貸与対象は有利子、無利子合わせて約122万人になります。月額の上限も10万円から12万円に引き上げ、入学時の一時金として要望の強い入学金貸与の対象枠は1万人増やし6万人。これも公明党の成果です。幼児教育の無償化に向けて私立幼稚園に通う家庭に就園奨励費の単価も拡充します。
原油高騰対策として高速道路料金の引き下げも実施されます。補正予算案と合わせて300億円計上し、ETCの深夜割引が3割から4割に引き上げられます。
救急医療体制、医師確保対策、がん対策も大幅に前進。公明党の主張で実現した障害者自立支援法の特別枠を来年度も継続し、障害者の負担を大幅に軽減します。
能舞台の施設に対する優遇税制を含め、文化芸術関連予算も大きく伸びました。農業では品目横断的経営安定対策の見直しに必要な予算が確保され、公明党が主張した小規模農家支援策については、市町村の判断で担い手に認定できる制度が導入されます。
教員が子どもと向き合う時間の確保へ、1000人の教員定員増と合わせ、退職教員など(全国で7000人を採用)が授業をサポートする制度も始まります。これも公明党の提案です。
――年明けからの予算審議では野党との激しい論戦が見込まれます。
斉藤 予算案は衆院で可決後、30日たてば自然成立しますが、一緒に成立させないと予算が執行できない予算関連法案は衆院を通過し、参院で可決して初めて成立します。参院は野党が多数を占めることから野党が反対すれば予算が執行できない状況を招きかねません。政局絡みで予算執行を遅らせるようなことになれば、国民生活に重大な悪影響を及ぼします。国民に迷惑をかけないためにもきちんと議論を進め、予算案、関連法案の年度内成立に全力を挙げます。
(2007年12月29日付 公明新聞)