iWoman 公明党女性委員会

news clip

メニュー

社会保障改革 政府案をどうみるか――坂口副代表(元厚労相)に聞く

政府・民主党は社会保障と税の一体改革のうち、社会保障制度改革の骨子をまとめた。この改革案をどう見るのか。公明党社会保障制度調査会長の坂口力副代表(元厚生労働相)に聞いた。
(2011年12月25日付公明新聞)

制度の全体像見えず
「年金」は現行制度の改善が中心
財源あいまい、実行に疑問

――政府・民主党が社会保障分野の改革案をまとめました。

坂口副代表 貧困や格差が問題となるなど、社会の変化に合わせたセーフティーネット(安全網)の立て直しは急務です。しかし、政府・民主党の改革案からは、どのような社会保障制度をめざそうとしているのか、全く伝わってきません。

 まず国民が安心、納得できるような社会保障制度の全体像を示した上で、必要な財源について理解を得ていく。これが本来の制度改革の在り方です。ところが改革の議論の多くは先送りにされたままで、増税論議ばかりが先行しています。これでは本末転倒です。

――年金分野を見ると、現行制度の改善策が目立ちます。

坂口 民主党が掲げる「新しい年金制度の創設」については、従来からの主張を繰り返すのみで何一つ具体化されていません。

 ところがその一方で、無年金・低年金対策としてこれまで公明党が強く主張してきた、低所得者への年金加算、受給資格期間の短縮、厚生年金の適用拡大、被用者年金の一元化など、現行制度の改善策が数多く盛り込まれました。新しい年金制度に変える自信があるなら、現行制度の改善に急いで取り組む必要はないはずです。

――政府・民主党は、過去の物価下落時に年金の給付額を据え置いた「特例水準」を解消するため、段階的に支給額を削減する方針です。

坂口 全国には年金を支えに細々と生活する高齢者がたくさんおられます。まず政府がやるべきことは、景気・経済を回復させ、デフレ(物価下落が続く状態)から脱却して緩やかな物価水準の上昇を確保することです。

 本来なら「特例水準の解消は、経済の立て直しによって埋め合わせます」と言わなければいけません。これでは政府自身が「デフレを解消できません」と言っているに等しい。

――医療、介護についてはどうですか。

坂口 負担増を先送りして、負担を軽減するところだけ明確にしているという印象です。しかし、その負担軽減策のために必要な財源があいまいです。例えば、高額療養費の患者の自己負担限度額の引き下げが盛り込まれましたが、その財源をどう生み出すかは明確にされていません。実現するか疑問です。

 また、高齢者医療制度の見直しなどについても書かれていますが、具体的な内容については全く触れていません。介護分野も同様です。これでは議論のしようがありません。

――公明党の社会保障制度改革への取り組みは。

坂口 公明党は既に、昨年発表した「新しい福祉社会ビジョン」(中間とりまとめ)において、新しい社会保障制度の在り方を提示しています。

 公明党は、その大前提として考えているのが経済成長です。その中から社会保障を充実させるための財源を生み出していく考えです。今まで以上に景気・経済の回復に力を入れる必要があります。

 例えば、公明党が主張する年金改革には当面、3・5兆円が必要になると推計しています。しかし、民主党の案には、財源がどれだけ必要になるかなどについては触れていません。そこが公明党との違いです。

ページのトップへ