温暖化防止へ総合戦略。注目集める公明党の提言――田端正広 党地球温暖化対策本部長に聞く


中長期の数値目標明示
途上国を「技術」「人」「資金」で支援
「クールアース・デー」日本から世界へ
 地球温暖化対策が主要なテーマになる北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)を目前にして、公明党が先月6日に福田康夫首相に申し入れた「北海道洞爺湖サミットに向けた地球温暖化対策に関する提言」が注目を集めている。そこで、田端正広・党地球温暖化対策本部長(衆院議員)に、同提言のポイントや具体化に向けた取り組みなどについて話を聞いた。


――公明党の提言への反響が広がっていますね。

田端正広本部長 提言は、温暖化対策に関する公明党の政策をまとめ、福田康夫首相に直接、手渡しました。政党が出したものとしては、まさに先駆的な総合的戦略となっていると思います。

 2050年までに地球全体で温室効果ガスを半減することを今回のサミットの参加国が共有し、日本としては80%削減を視野に入れるべきだとの長期目標を示し、中期目標としては20年に25%削減を明確に打ち出しています。

 これらの数値目標は、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)や国立環境研究所のデータなどを基にしたもので、提言は一貫して科学的知見に立脚したものになっています。また、運動論として掲げた「クールアース・デー」の創設については、政府の正式決定により、サミット初日の7月7日、ライトダウン(消灯)・キャンペーンが私たちの提案通り実施される運びとなりました。


――提言には公明党らしい理念が盛り込まれていますね。

田端 数値目標も大切ですが、各国が自国の主張で争い合っていては実効ある温暖化対策は成り立ちません。国益を乗り越え、人類益の立場からのプラス思考が必要との私たちの認識を示しました。また、あるべき持続可能な地球環境をまず想定し、そのためには何をするべきか、現実に即した具体的行動を始めなければなりません。

 さらに、経済と環境の統合も大切な視点です。環境を優先すると経済発展を阻害するなどといった意見がありますが、そこをどう乗り越え相互に補い合う形の政策を見いだすかという視点です。これら三つの考え方に立った政策提言となっています。


――具体化に向けた取り組みについては?

田端 中長期の目標や優れた政策があっても、毎年、着実にどれだけのことが実現できたか、またどのような施策で達成していくのかといったプログラムが重要です。私たちは、そのための「地球温暖化防止基本法(仮称)」の制定を提言しました。将来にわたって着実に受け継がれていく仕組みにするためにも、このような法律は必要です。

 CO2(二酸化炭素)削減に有効な経済手法である国内排出量取引について、公明党はいち早く日本型の排出量取引の必要性を表明してきました。世界的に取引制度が広がりを見せている中で、サミット議長国であり、京都議定書の議長国でもあった日本が無為無策でいるわけにはいきません。排出量取引制度の導入を首相に直接訴えたところ、首相も今秋からの試行的実施を表明。現在、環境省と経済産業省の間で具体的な調整が詰められています。


――外国為替取引への課税などの提案も話題を呼びました。

田端 環境のための資金調達の仕組みとして、人道・環境税や国際連帯税といった新しい資金メカニズムを導入するため為替取引への課税が適用できないかとの考えを示しています。ほかにも、温暖化の影響による災害被災国に対する多国間協力による農業災害保険機構のような制度創設にも触れています。

 先進国と途上国の間に横たわる課題については、日本の積極的役割を指摘しました。ポスト京都議定書の枠組みづくりに中国やインドをはじめ、途上国が参加するには日本は公害などで困っている国に「技術」「人」「資金」で支援していくべきです。

 その国が足元に抱えた課題を無視して、地球規模の問題への参画を促すことは困難です。コベネフィット(Co―benefit=相乗便益)――つまり、公害対策と地球温暖化対策が同時に必要な国々への日本のアプローチは、外交政策としても重要になると考えています。特に、日中環境保全協力なくして今後の地球温暖化対策はあり得ないと公明党は主張しています。


――国民の意識改革も不可欠です。

田端 その通りです。国民一人一人の意識や運動につながることが大事です。「クールアース・デー」は、その意味での提案です。織姫と牽牛が年に一度出会う七夕に天の川を見ながら地球温暖化を考える運動が来年からは世界へと広がってほしい。豊かな自然に囲まれた北海道洞爺湖に世界の首脳が集う今回のサミットは、まさに地球規模の意識啓発を議長国の日本が広げていくものと大いに期待しています。

(2008年7月5日付 公明新聞)