改正 障害者自立支援法が成立――党障がい者福祉委員長 高木美智代衆院議員に聞く
改正障害者自立支援法(議員立法)が3日の参院本会議で、民主、自民、公明など各党の賛成多数で可決、成立しました。今回の改正を一貫して推進してきた公明党障がい者福祉委員会の高木美智代委員長(衆院議員)に話を聞きました。
(2010年12月8日付公明新聞)
「発達障害」を対象に明記
所得に応じた負担を原則に、相談体制の強化も
公明、合意形成を主導
――法改正の背景は。
高木委員長 障害者自立支援法は、障がい者が地域で自立した生活ができるよう支援する法律です。障がい別(身体・知的・精神)でバラバラだった旧来の福祉サービスを一元化し、障がいの程度に応じて利用者本位のサービスを提供する仕組みを構築。2006年に施行されました。
しかし、介助や介護のサービス量に応じて原則1割の自己負担を課す「応益負担」を導入したため、収入の少ない障がい者がサービス利用を控えざるを得なくなるなど、課題もありました。そこで公明党は、施行後も即座に減免措置を重ね、生活保護受給世帯は負担ゼロ、市町村民税非課税の低所得世帯には月1500~3000円の負担上限を設ける(今年度から無料)など、現場の声に真摯に対応してきました。
――今回の改正法のポイントは。
高木 一つは、利用者負担について、所得に応じた「応能負担」を原則としました。利用者負担の上限額は、公明党が推進した度重なる対策で既に大幅に引き下げられており、実質的に「応能負担」になっていますが、これを法律上でも明確化し、現行の負担水準を維持しました。
二点目は、自閉症などの「発達障害」を支援対象に含めることを明記。「高次脳機能障害」も大臣告示や通知で明確にされます。
ほかに、▽総合的な相談支援体制の強化▽障がい児らが利用する「放課後デイサービス」の創設▽障がい者向けグループホーム・ケアホームの居住費の助成――など、地域での自立生活支援の充実を盛り込んでいます。
――これまで同改正案は、自公政権時代には衆院が解散し廃案、前通常国会でも鳩山首相辞任騒動で審議未了の廃案となりました。
高木 まさに“三度目の正直”です。公明党が原案を作り、09年3月に提出した改正案から今回成立した改正法まで、どれも内容はほとんど変わっていません。公明党は「地域で自立して暮らせる社会に」との法の趣旨を実現するため、野党になっても各党を説得し“接着剤”の役目を果たしてきました。特に“ねじれ国会”の状況下で成立に導くことができたのは、山口那津男代表をはじめ公明党が「断固、臨時国会で成立させる」との揺るぎない姿勢で民主・自民両党を説得したからであり、その取り組みには、障がい者団体からたくさんの感謝の声が寄せられています。
――改正法について共産、社民両党は「現行法の“延命”につながる」と反対し、政府・民主党も13年8月に同法にかわる新法施行までの“つなぎ”との位置付けですが。
高木 新法で対応するのだから法改正は必要ないとの主張は「3年後に新築の家ができるから“雨漏り”の修理は必要ない」というようなもの。「改善できる点は、すぐ見直すべき」というのが、現場の生の声を聞いてきた公明党の考えです。“つなぎ”であれ何であれ、障がい者の自立した生活を実現する、現実的な対応が最優先だと考えます。