納税者の理解得る使途に。政府・与党が道路特定財源の見直し案――高木陽介・党国土交通部会長(衆院議員)に聞く


必要な道路は着実に整備。渋滞解消、環境対策も暫定税率(自動車重量税など)は今後も検討
公明党の主張、大きく反映
 政府・与党が7日にまとめた道路特定財源の見直し案には、地方重視、生活者本位の観点に立った公明党の主張がさまざまに反映されています。そこで、見直し案の内容や公明党の取り組みと成果などについて高木陽介・党国土交通部会長(衆院議員)に話を聞きました。


――道路特定財源の見直し案がまとまりました。感想は。

高木部会長 効率化、合理化でムダな公共事業をなくし、一方で地域間格差の解消を図りながら、真に必要な道路は着実に計画整備していくという方向性が打ち出されました。大きな成果であると思います。

 また公明党が一貫して訴えてきた「納税者の理解を得る」という観点から使途をどうするかという問題への一定の回答も得られました。私たちが強く主張した自動車関係諸税の見直しも、今後の検討課題として合意文書に明確に盛り込まれました。随所に公明党の主張が反映し、大きく前進したといえます。

――公明党の主張は。

高木 もともと道路特定財源は、道路整備のために使うことを目的に自動車ユーザーに負担してもらっている税金です。しかし、予算のマイナスシーリングで道路整備をはじめとする公共投資を削減してきた結果、その財源に余剰が生じる見込みが出てきたことが今回の見直し論議の端緒です。

 公明党はユーザーや関係団体などから話を聞いた上で、本則の2・5倍以上の暫定税率(普通車の場合)が課されている自動車重量税の税率引き下げを求めました。苦しい財政事情下、財務当局は頑として譲りませんでした。しかしそうであるなら、納税者である自動車ユーザーに納得してもらえる使途でなければなりません。

 このため公明党は「高速道路の料金引き下げ」や「開かずの踏切対策」をはじめとする渋滞解消対策、地域活性化対策、CO穃排出削減や森林吸収促進などの環境対策を特定財源の使途として加えるよう訴えました。加えて近年の原油高騰による負担軽減のため、この交渉の場でも首相を本部長とする対策本部の設置を求め、その結果として関係閣僚会議の設置につながりました。

――高速道路料金は引き下げられるのですか。

高木 具体的には(1)渋滞解消のための環状高速道路割引の拡充(2)物流効率化のための夜間割引の拡充(3)都市高速道路での対距離料金導入に伴う長距離利用割引の実施――などが想定されます。これは地球温暖化対策にも貢献します。

 サービスエリアなどに簡易な高速道路の出入り口をつくり、渋滞解消や利便性向上に役立つ「スマートインターチェンジ」の大幅増設も、見直し案に盛り込まれました。また、開かずの踏切対策などの道路関連施策にも使われます。

――地域活性化へ、地方自治体の財政負担軽減策も入っていますが。

高木 二つの対策を講じます。

 一つは「地方道路整備臨時交付金」の制度改善です。交付金の対象を補助国道事業にも拡大するとともに、財政力の弱い自治体に対しては、現行5割5分の国費割合を7割程度まで引き上げます。もう一つは臨時措置として5年間、総額5000億円規模の道路建設に関する無利子貸付制度を創設します。

 各自治体からの意見聴取に基づき、公明党は地域間格差への対応を強く求め、それが反映されたものです。

――自動車関係諸税は今後、どう見直すのですか。

高木 見直し案では、今後の抜本的な税制改革に合わせ、暫定税率も含めた自動車関係諸税のあり方を総合的に検討することが明示されました。さらに5年後に行われる中期計画の見直しを踏まえた検討も行います。当然、10年後の中期計画終了に際しても検討することになります。この3段階にわたって見直しが検討されます。

 自動車関係諸税は、自動車の取得と保有、走行の各段階で課税され、暫定税率も段階的にかさ上げされて非常に複雑な構造になっています。二重課税やタックス・オン・タックス(税に税がかかること)などの問題もあります。これらを簡素化・合理化する必要があります。納税者と国民の理解を得るため、公明党はこれからもこの問題に全力で取り組んでいきます。


『見直し案の主な内容』

・今後10年間を見据えた中期計画を策定(5年後に見直し)
・中期計画の道路整備費は59兆円を超えない
・地方自治体への財政負担軽減策(1)「地方道路整備臨時交付金」の制度改善(2)5年間、総額5000億円規模の無利子貸付制度
・高速道路料金引き下げやスマートインターチェンジを増設
・開かずの踏切対策など渋滞緩和策を道路関連施策として実施
・2008年度は07年度(当初予算1806億円)を上回る額を一般財源に
・道路特定財源の税率水準を10年間維持。ただし自動車関係諸税の在り方等は3段階にわたって総合的に検討

『道路特定財源』

 原則として道路整備のみに使われる、自動車関係諸税を原資とする国と地方の財源のこと。自動車利用者を道路建設の受益者と位置付けて道路整備費用を負担する制度であり、1953年の揮発油税を皮切りに、創設・拡充されてきた。

 道路特定財源にはガソリン税(揮発油税と地方道路税)、軽油引取税、石油ガス税、自動車取得税、自動車重量税(一部は一般財源)がある。このうちガソリン税と軽油引取税、自動車取得税、自動車重量税には、最高で本則税率の2・5倍を超える暫定税率が適用されている。

(2007年12月13日付 公明新聞)