天下りの根絶へ前進 政府・与党が合意した公務員制度改革――上田勇衆院議員(党公務員制度改革委員長)に聞く


省庁のあっせん禁止
基本法制定し、人事制度全般も見直し

 政府と自民、公明の与党両党は13日、国家公務員の“天下り”規制などを盛り込んだ公務員制度改革の基本方針で合意しました。改革のポイントや公明党の主張などを、党公務員制度改革委員会の上田勇委員長(衆院議員)に聞きました。


――公務員制度改革の経緯と目的は。

上田 公務員制度改革は、与党が2004年6月、能力・実績主義の人事管理と再就職の適正化を柱とする基本方針を示した後、具体案が議論されてきました。今回の政府・与党合意で、天下り規制の強化と能力・実績主義の導入を柱とする国家公務員法改正案など関連法案の骨子がまとまったことにより、押しつけ的天下りの根絶へ一歩前進できたと思います。

 改革の目的は、公務員が使命感を持って仕事に励める人事制度にすることと、(国家公務員の)再就職あっせんの不透明性を是正し、国民から信頼される仕組みを構築することです。


――合意のポイントは。

上田 大きく3点あります。一つは、職員の採用試験の区分や年次によって給与や待遇などを決める現行の人事評価から、人物の能力・実績主義に基づいた仕組みに転換し、職場内の活性化をめざします。

 二つめは、国家公務員の再就職ルールの抜本的な見直しです。具体的には、各省庁の再就職あっせんを禁止し、08年中に内閣府に設置する「官民人材交流センター」(仮称。以下、センター)に一元化。再就職の規制対象には、現行の営利企業に加え、公益法人などすべての非営利法人も含め、規制強化をめざします。

 三つめは、OBによる出身省庁への口利き、働きかけを禁止し、違反した場合の罰則規定が設けられました。


――センター設置によって“天下り”はなくなりますか。

上田 現在の再就職の構図は、各省庁がそれぞれの関係企業・団体に、省庁職員の再就職先をあっせんする仕組み。その中で、省庁の予算や権限を背景にした押しつけ的あっせんなどの弊害が指摘されてきました。


再就職一元化まで 公明主張で「事前規制」存続

 今回の改革では、省庁とは第三者的な立場の内閣府にセンターを設置したほか、センター職員による出身省庁職員のあっせんを禁止。不適切な再就職の規制については、退職後2年間、一定期間所属していた省庁と密接に関係する企業への再就職を禁止する現行の「事前規制」から、再就職等監視委員会(仮称)が実施状況をチェックし、情報公開するなどの「事後規制」へ転換します。

 政府・与党協議の中で公明党は、センターが適正に機能し、不適切な再就職規制の実効性が確認されるまで、事前規制の存続を主張。その結果、センターの一元化が実現するまで、事前規制が存続することが合意文書に盛り込まれました。これにより、一元化への移行期間、不適切な再就職に対する“すき間”を埋めることができました。


――そのほかの公務員の人事制度の課題は。

上田 今回の合意では、勧奨退職の見直しや定年延長、専門スタッフ職の導入など公務員の人事制度全般の課題を総合的に検討していくことも明記されています。

 公明党は、公務員制度改革をパッケージで進めていくため、大綱や基本法をまとめるよう主張。その結果、制度改革を推進するための基本方針を盛り込んだ「国家公務員制度改革基本法」(仮称)を立案、次期通常国会に提出することが明記されました。

 このほか、公務員への労働基本権付与の問題については、今後、使用者側の省庁と公務員が直接、労働条件などを交渉できる仕組みなどの検討をする必要があります。合意では、公務員の人事制度全般と基本権問題を分離せず議論すべきとの公明党の意見を踏まえ、「労働基本権については、専門調査会の審議を踏まえ、引き続き検討する」と明記されました。


――今後の方向性は。

上田 重要なのは制度改革が着実に進み、適正な運用がされるかどうかです。与党として、制度が機能するかどうか監視しながら、必要に応じて制度の見直しも含めて議論していきます。


(2007年4月17日付 公明新聞)