全国配備へ体制整う。与党のドクターヘリ法案――渡辺たかお党PT座長(参院議員)に聞く


基金で自治体の整備支援。通常国会で成立を。
公明、法制化をリード

『導入の利点』
・救急車に比べ救命率アップ
・事故や病気の重症化防ぐ
・患者の入院日数を大幅短縮
・地域間の医療格差を解消


 自民、公明の与党両党は、今月25日召集の通常国会で、ドクターヘリ(救急医療用ヘリコプター)の全国配備をめざす法案の早期成立を図ります。そこで、法案のポイントや公明党の取り組みなどについて、公明党ドクターヘリ全国配備推進プロジェクトチーム(PT)の渡辺たかお座長(参院議員)に聞きました。


――与党法案の中身は。

渡辺 法案は、ドクターヘリを用いた救急医療を全国的に確保するために必要な措置を盛り込んでいます。

 まず、ドクターヘリの定義ですが、救急医療に必要な機器を装備し、医薬品を搭載していると定めています。

 配備されるのは、救命救急センターなど、地域の中心的な病院で、医師が直ちに搭乗可能な場所が要件となっています。基本的には、病院の敷地内での配備を想定していますが、都市部では広さが十分に確保できない場合があります。そこで、病院から近い場所に配備することも認めています。

 実際に配置を進めるために、医療法に基づき、まず国が定める基本方針の中に全国配備に関する事項を定めます。これを受けて、都道府県が地域の実情を踏まえ、医療計画にドクターヘリを用いた救急救命の目標を決定します。いつまでに何基を運用し、どの病院を活用するのかといった内容になります。この手順で、配備体制を整えていきます。


――与党案に先立って公明党案を発表しましたが。

渡辺 法案の目的や定義をはじめ、与党案は基本的に公明党の考え方が下地になっています。

 例えば、法案の目的の条項の中に、「国民の健康及び安心して暮らすことのできる社会の実現」という項目があります。これは、公明党が主張したことによって盛り込まれたものですが、ドクターヘリの配備によって、地域間の医療格差を解消するためのものです。

 救命救急センターから遠い場所で事故などが起きた場合、救急車では大幅に時間がかかりますが、ドクターヘリを利用すれば、すぐに治療が受けられるという安心感を地域住民が持つことができます。これは、非常に重要なことです。


――国民生活へのメリット(利点)は。

渡辺 最大のメリットは、運航のための財源が確保されることです。ドクターヘリは、1機の年間運用費に1億7000万円強必要です。現在、10道県(11カ所)に配備されていますが、これは国と各自治体が折半して運用しているため、自治体にとっては大きな負担となっています。

 与党法案では、寄付によって作られた基金からの助成金を財源に充てるようにしたため、自治体の負担が軽くなり、ドクターヘリの配備がかなり容易になると思われます。

 法案化論議の課程で、千葉県内の日本医科大学千葉北総病院を視察しました。同病院の調査結果では、ドクターヘリで搬送され治療した患者は、救急車搬送の場合と比べて重症化が防げ、入院日数が平均17日短くなり、入院医療費も約110万円少なくなっています。医療の質の向上と入院日数短縮は、患者、医療機関、健康保険組合いずれもが歓迎できるものです。


――公明党は、どう取り組んできましたか。

渡辺 2004年12月にプロジェクトチームを党内に設置。党のマニフェスト(政策綱領)にもドクターヘリの全国配備を明記し、現場の視察や、実際に運航している救命救急センターの医師から現状の報告を受けるとともに、意見交換を重ね、法制化の動きをリードしてきました。


(2007年1月16日付 公明新聞)