現場の声から介護改革――総点検結果 渡辺孝男座長(参院議員)に聞く
施設不足など実態浮き彫り
チーム3000の本領発揮
「将来像設計の資料」と識者
『公明、対応策を提言』
・特養など介護3施設を倍増
・24時間訪問介護を大幅拡充
・事務簡素化、認定の簡略化
・介護職の大幅な給与アップ
・保険料の公費負担を6割に
公明党の総点検運動推進本部(本部長=山口那津男代表)は8日に、全国の公明党議員が昨年11月から展開した「介護総点検」の調査結果(速報値)を発表した。そこで同本部介護ワーキングチーム(WT)の渡辺孝男座長(参院議員)に話を聞いた。
(2010年1月14日付公明新聞)
――総点検運動の“第1弾”の「介護総点検」の全国集計がまとまりました。
渡辺 まず、調査に協力いただいた市民の皆さま、要介護者・家族、介護事業者や従事者、自治体担当者の皆さま、さらには、立党精神を胸に現場で調査に当たった全国の公明党議員の奮闘に、心より感謝申し上げます。
――調査の成果は。
渡辺 日本は15年後の2025年には、65歳以上の高齢者が3600万人(高齢化率30%)を超えるとされており、それに備えて、社会保障制度の抜本的な改革が急務です。
特に介護は、高齢者の生活には欠かすことのできないサービスですが、制度施行10年を迎える介護の現場には問題が山積。深刻の度も増しています。
その現場の声を、街角調査では7万6689人もの市民から集めることができました。ほかに、6265件の介護サービス利用者・家族、4587件の介護事業者、1万1286件の介護従事者、さらには全国市区町村の65%に当たる1159の自治体からも、回答が得られました。
――どんな意義が。
渡辺 今回集約された現場の声は、介護問題の解決に役立つ、いわば“宝の山”です。記述式の設問もあり、どの調査も短時間では回答できない内容でしたが、わずか1カ月間でこれだけの数を回収できるのは、全国3000人超の議員ネットワークを持つ公明党以外にないと確信します。
高齢社会をよくする女性の会の樋口恵子理事長からも、「公明党ならではの取り組み」で、「少子高齢社会に直面する日本の将来像の基礎を設計する上でも、非常に大事な資料になる」と、高く評価いただきました。
――これまでの単純集計で分かった点は。
渡辺 まず、街角調査ですが、一般に介護を受けたい場所は圧倒的に「自宅」が多いと思われてきましたが、意外と「入所系施設」のニーズ(要望)が高く、自宅も施設も4割強という結果でした。
ただ、要介護者への調査で、実際に介護を受けている場所は7割強が「自宅」と回答。在宅介護で困っていることとして「家族の負担が大きい」とか、いざという時に「一時入所の施設がない」の回答が多く、<家族に迷惑をかけたくない>との思いが反映しているとも考えられます。
また、介護事業者調査では、従業員の平均勤務年数「3年以下」の事業所が3割もあること。従事者への調査では7割が仕事を「続けたい」としながら、離職率が高い理由については「心身の負担が大きい」「収入が低い」が共に約8割にも上りました。
私自身も現場をいくつも視察し、「体力的にも精神的にもクタクタ。月14万円の給料では生活できない」「結婚が決まると、男性でも“寿退社”し、転職していく」など切実な声を聞き、心で涙しました。
――判明した実態にどう対応する。
渡辺 今回の集計の速報値を受け、対応策を五つ提案しました。
一つは、「入所系施設」への期待の高さに応えるためにも、特別養護老人ホームや老人保健施設、介護療養型医療施設など“介護3施設”の倍増と、有料老人ホームなどの特定施設、グループホームの3倍増を打ち出しました。これで、25年までに介護施設の待機者解消を進めます。
二つ目は、在宅介護の支援強化では、24時間365日訪問介護サービスの大幅拡充を推進。
さらに、介護保険制度の抜本的な基盤整備を進めるため、▽介護保険関係の事務手続きの簡素化や要介護認定審査の簡略化▽介護従事者の大幅給与アップ▽介護保険料の公費負担を当面6割、将来的に3分の2に引き上げる――考えです。
財源は消費税の社会保障目的税化などを含めた税制抜本改革、介護技術の向上による効率化、経費縮減などでまかないたいと考えていますが、今後の調査結果の詳細な分析を受けて、こうした取り組みを柱とする政策を、2月中にもまとめる「新介護ゴールドプラン」(仮称)に反映し、12年に予定される介護保険法改正に生かしていきます。