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障がいのある子どものためのデジタル教科書の普及を――党女性委副委員長 山本香苗

拡大、音声、色反転などで読み書きに困難を伴う子どもを支援

読み書きに困難を伴う障がいのある子どものためのデジタル教科書。この教科書の普及を強く推進している党女性委員会青少年いきいき教育プロジェクトチームの山本香苗座長(参院議員)に現状と課題を聞きました。
(2010年9月14日付公明新聞)

「公明党の推進で、教員への提供、ネットでの配信が可能に」

――障がいのある子どものためのデジタル教科書とはどのようなものですか。

山本座長 教科書の文章やイラストなどの情報(データ)を電子(デジタル)化して、パソコンの画面に映し出して使うものです。

 文章を音声で読み上げたり、読む部分を拡大したり、色を反転させたりするなど読みやすくします。今、普及している形式にデイジー教科書がありますが、他の形式の開発も進められています。

 

――どのような障がいのある人に有効なのでしょうか。

山本 読み書きに困難を伴う学習障がい(LD)などがある児童・生徒は、1クラスに2・5人いると推計されています。

 こうした子どもたちは、意欲はあっても教科書が読めないことで授業について行けなかったり、どんどん勉強が遅れていく自分が嫌いになって、学校に行きたくても行けなくなってしまう場合もあります。

 しかし、そういった子どもも、デジタル教科書を使用することで、人の手を借りずに自分一人で教科書が読めるようになり、「学習意欲がわいた」「本が好きになった」という話を聞いています。

――総務省は、デジタル教科書を2015年までに、すべての小中学校生に配備するといっていますが。

山本 すべての小中学校生へのデジタル教科書の提供については、「一方で子どもの活字離れが進む」と懸念する声があることは知っています。

 ただ、障がいのある子どもたちにとって、デジタル教科書は“あった方がよい”というものではなく、他の子どもたちと同じように教科書が読めるようになるためには“なくてはならない”ものなのです。こうした視点が置き去りにされないよう、今後も強く政府に働き掛けていきたいと思います。

――山本座長をはじめ公明党は、障がいのある子どものためのデジタル教科書の普及を推進してきました。

 山本 教科書バリアフリー法と著作権法の改正により、教科書のデジタルデータが、障がいのある子どものためのデジタル教科書を製作するボランティア団体などに提供され、普及に弾みがつくはずでした。

 しかし、デジタル教科書を使用している、読み書きに困難を伴うお子さんをもつ親たちから「必要なデジタル教科書がなかなか手に入らない」といった切実な声を伺いました。また、デジタル教科書を製作しているボランティア団体などから、教科書の提供先が障害のある子ども本人に限られていることなどの諸課題も伺いました。

 そこで、今年4月26日の参院行政監視委員会でこの問題を取り上げ、障がいのある子ども本人が必要とする場合以外にも、教員や障がいのある子どもが他学年のデジタル教科書を使用する場合にも提供できるよう求めました。その結果、5月13日に文部科学省から関係する団体に事務連絡が出され、提供が可能となりました。/p>

 また、8月2日、党女性委員会青少年いきいき教育PTで、デイジー教科書を提供している(財)日本障害者リハビリテーション協会を視察した際、デイジー教科書のインターネット配信がまだ認められていないという話を伺いました。早速、文部科学省に問い合わせたところ、8月20日にはインターネット配信を認めることが通知されました。

 現在は、わが党の地方議員の皆さんが、議会質問や意見書などで障がいのある子どものためのデジタル教科書推進に頑張ってくれています。

――これからの課題は何でしょうか。

山本 学習指導要領の改訂に伴い、2011年度(中学校は12年度)から新しい教科書に切り替わります。これに伴い、デイジーなどデジタル教科書を必要としている児童・生徒に、ほかの子どもたちと同じように、きちんと無償で提供できるようにしていくことです。

 そのために製作費支援への予算措置、学校現場での普及促進、効果的な学習方法のルール化などが必要だと思っています。

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