美術品損害 国が補償へ。海外から作品借りやすく――公明が推進
海外から美術品を借りて開催する展覧会が、万一の損害に備えた保険料の高騰に伴い、規模の縮小や中止を余儀なくされている。こうした現状を受け政府は、美術品を借りやすくするため、損害に遭った際の補償制度を創設する方針を固めた。国が損害を補償することで保険料の軽減が期待される。
展覧会を開催する場合、美術品の輸送や展示中の破損、盗難などに備えて保険を掛けている。保険料は、作品の評価額と保険料率で決まるが、特に保険料率は、2001年のアメリカ同時多発テロなどの影響により高騰。文化庁の推計によると、01年当時は作品評価額の0・15%程度だったが、現在は0・25%程度にまで上昇している。さらに、欧米の美術館などによる大規模展覧会の開催に加え、アジアの美術館も展覧会事業に乗り出し始め、美術品の評価額自体もアップしている。
補償制度は、50億円以上の損害を対象に、一部を国が負担する。国の負担は950億円を上限に、年10件程度を選ぶ予定。来年4月の施行をめざし、制度創設のための法案を国会に提出する方向だ。
美術品の国家補償制度について、公明党は、08年6月に浮島智子参院議員(当時)が、参院文教科学委員会で制度の創設を主張して以来、強力に推進してきた。09年3月には、文部科学大臣政務官を務めていた浮島さんが、制度の創設を前提とした有識者会議を文化庁に設置するなど法案化に尽力。
党内でも、09年4月に「美術品等の補償制度に関するプロジェクトチーム(PT)」を設置。参院選マニフェスト(政策綱領)でも制度導入を掲げている。
<公明新聞2010年8月20日付>