特定のアミノ酸が代謝されず、体内に蓄積してしまう「メープルシロップ尿症」と「フェニルケトン尿症(PKU)」の治療に欠かせない特殊ミルクの薬価について、厚生労働省は今月2日付の事務連絡で、4月の薬価改定を見直し、特殊ミルクの価格を引き下げた。
これにより、メープルシロップ尿症とPKUの両治療用ミルクの価格はともに1缶1万3320円となり、4月の薬価改定時の価格から、メープルシロップ尿症では4万8840円、PKUでは4320円の軽減となった。今回の引き下げは4月1日に遡って適用され、4月以降に支払った差額は、製造販売業者が医療機関等を通じて、患者に返金する。
両疾患とも、アミノ酸を代謝する酵素が生まれつき欠損している先天性代謝異常症。食事療法が有効とされ、成人後も続けることが望ましいという。
しかし、患者を抱える家族にとって、治療用ミルクのほか、低タンパク質食品の購入など、経済的負担が重い上、未成年のうちは適用される公的負担が、成人後は打ち切られてしまうのが現状。
このため、治療用ミルクの製造元が不採算であることを理由にした厚労省の決定に対し、患者らが反発していた。
こうしたことを踏まえ、公明党の厚生労働部会(渡辺孝男部会長=参院議員)は5月30日、「フェニルケトン尿症親の会」から「生活が崩壊してしまう。安心して治療を受けられる環境にしてほしい」と要望を受け、即座に厚労省に対し改善を要請。このことが後押しとなり、今回の薬価引き下げに至った。
(2008年6月23日付 公明新聞)