内外で流通する約1000種類にも上る農薬すべてに、食品への残留基準を設ける新制度が、29日にスタートする。
2003年の食品衛生法改正に盛り込まれた措置で、生鮮野菜から加工品まですべての食料が対象。基準を超えた農作物や食品は販売禁止になる。政府は、新制度の導入で、食品の安全性への信頼が高まると期待している。
従来、食品衛生法では使用頻度の高い約250種類にしか残留基準を設定せず、残りは事実上放置されていた。新制度は、従来の規制に加え、これまで基準のなかった農薬に対し新たに一律に0・01ppmの上限を設ける。食品1キログラムに0・01ミリグラム含まれる濃度で、欧州連合(EU)の規制などと同じ水準。ただ、米国など一部の食料輸出国は、過度の規制強化につながる恐れがあるなどとして、懸念を示している。
残留農薬の検査は現在、各自治体が卸売市場や小売店で行っている。輸入品は、厚生労働省が検疫所で抽出調査を実施。今後は検査対象となる農薬数が大幅に増える。02年度は自治体と厚労省が合計約91万件を調べ、0・03%に当たる110件で基準超過が見つかった。
残留農薬をめぐっては、02年に中国産の冷凍ホウレンソウで基準を超える値が検出され、販売停止となるなど食料輸入の増加に伴い違反が増えている。このため、公明党は同年5月に党の「食の安全確保に関するプロジェクトチーム」が「食の安全確保に関する提言」を発表、食品安全法(仮称)の制定をはじめ、食品衛生法など食品安全関連各法の見直しなどを提案していた。
<公明新聞2006年5月17日付から>